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クルマにも先祖返りあり!? ランクル250の丸目/角目ライトから感じるノスタルジーって何よ

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クルマにも先祖返りあり!? ランクル250の丸目/角目ライトから感じるノスタルジーって何よ

 近年、さまざまな分野で、昔懐かしきものや、昭和レトロといったものが再注目され、若い世代に人気を得ている。言葉を変えれば、“先祖返り”とも言えるのではないだろうか。その傾向は、自動車業界でも見られるという。そこで今回は、“原点回帰”をテーマとする、ランドクルーザー250を題材に、クルマデザインの大先祖返りの兆しを考察していく。 

文/清水草一、写真/TOYOTA

クルマにも先祖返りあり!? ランクル250の丸目/角目ライトから感じるノスタルジーって何よ

■テーマは原点回帰! ランドクルーザー250のヘッドライトは丸目と角目の2種類を用意!!

2023年8月、ランドクルーザー250が発表された。ヘッドライトは丸目と角目の2種類を用意。ヘッドライトの交換が可能なところも魅力

「テーマは“原点回帰”です。ランドクルーザーを自然に具現化するとこうなった、と考えてください。当然今の新しいテクノロジーを盛り込みながら、スマートなデザインをしています。奇をてらわずに。これが今回の250でした」

 ランクルプラド改めランクル250のデザイン責任者である渡辺義人主査は、発表会でそう語った。

 原点とは、1960年から1984年まで作られたランクル40(ヨンマル)を指すという。第二次大戦で大活躍したウィリス・ジープを手本に作られたオフロード4WDだ。

 ルックスもジープ直系で、ヘッドライトは当然丸目だった。当時ヘッドライトは丸形しか存在しなかったのだから当たり前である。

 ランクル250は当初、四角い小型LEDを三つ並べた角形ヘッドライトでデザインが進められていたが、「丸目もいいよね」ということになり、LEDを円環状に配した丸型ヘッドランプがラインナップに加わった。角目と丸目は、購入後に交換も可能だという。

■懐かしさを感じてしまうランドクルーザー250にある魅力とはなにか

ランドクルーザー250は、ノスタルジックな印象に感じつつも、初代ランドクルーザーワゴンを彷彿させるカッコいいデザインとなっている

 2023年の今、ランクル250の角目と丸目を見比べると、どちらにもノスタルジーを感じずにはいられない。

 当初案の角目は、1970年代後半から80年代にかけて、さまざまなクルマに採用された角目のクルマたちを彷彿とさせる。その基本形は、1974年にアメリカでSAE規格となった角形ヘッドライトだ。

 角形ヘッドライトは当時の最先端で、いすゞの名車・117クーペも、77年に丸形から角形に変更されている。

 今見ると、オリジナルの丸形のほうが断然カッコよく感じるが、中高年世代にとっては、角形は角形で青年期の熱い思いが詰まっており、懐かしいのである。

 丸目はさらに懐かしいことは言うまでもない。自動車発祥から1970年代まで、あらゆるクルマが丸目だった。丸目というだけで即、クラシックを連想させる。

 ちなみにSAE規格の丸型/角形ヘッドライトは、アメリカでは1984年までどちらかの使用が義務付けられており、それらを使った上で空気抵抗を減らすために、リトラクタブルヘッドライトが考案されたという経緯があったりもする。

 小径のLEDヘッドライトが標準的になった現在は、丸目や角目にする機能的な理由は皆無。採用する目的はただひとつ、ノスタルジックな雰囲気だけだ。

 ランクル250のデザインは、ボディもシンプルな直線基調でノスタルジック感が強い。これはまさに善き原点回帰! ゾクゾクするほど魅力的だ。

 ランクルプラド系の歴史を振り返ると、1984年に登場した「ランドクルーザーワゴン」は、40系に通じる丸目+直線基調のジープタイプだった。

 1990年登場の初代プラドは角目+直線基調となり、96年の2代目はパジェロ風エアロボディの丸目/角目に。3代目、4代目は現代的な異形ヘッドライトを持つ、ごく真っ当なSUVスタイルとなった。

 ランクル250のデザインには、ランクル40系よりも、ランドクルーザーワゴンや初代ランクルプラドへの回帰を強く感じる。そしてそれは、間違いなく「カッコイイ」ことなのである。

■リヤウイングのリバイバルもあるかも!?? 今後のデザイン大先祖返りに注目!! 

ランドクルーザー250のような角張ったシンブルなボディ形状が人気になっている。昔あった丸目と角目などのヘッドライトデザインが新鮮に感じるときがきている

 近年、原点回帰的なデザインのクルマが増えている。丸目/角目をはじめとして、角張ったシンプルなボディ形状も大人気だ。これは、自動車デザイン大先祖返りの兆しなのだろうか!? 

 その答えは、ある意味イエスであり、ある意味ノーだ。

 すべての自動車デザインがノスタルジックになることは考えられないが、丸目や角目などのノスタルジックなモチーフが新鮮に感じられる時期が来ており、先祖返り系が増加することも間違いないだろう。

 1984年以降に登場した新型車には、丸目や角目のクルマはごく少ない。今の50代でも、免許を取った頃にはすでに丸目や角目の新型車が登場することはあまりなかった。だから新鮮なのである。

 クルマに限らずファッションでも、かつて自分が体験した流行をもう一度身に着けるのは、若干の抵抗がある。ベルボトムのジーンズを履いたことのある世代は、たとえ今それが再び流行っても、もう一度履くのは気恥ずかしい。

 しかし、一度も履いたことのない世代にはそういった抵抗はなく、懐かしくも新鮮に感じるはずだ。

 とりあえず現在は、丸目と直線基調のシンプルなボディは、完全に流行のラインに乗っている。

 ランクル250のような角目風ヘッドライトも、今後ある程度リバイバルする可能性があるだろう。

 それ以外の要素としては、リヤウイングのリバイバルが考えられる。

 現在リヤウイングの採用は、ガチガチのスポーツモデルにシュリンクしているが、今後ファッション的な流行になる可能性はある。リヤウイングに憧れた世代は微妙な気恥ずかしさを感じるが、Z世代にとっては間違いなく新鮮なはず。

 近い将来、安全基準を満たした「格納されないリトラクタブル風ヘッドライト」が登場する可能性もゼロではないだろう。

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