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トヨタ・カローラGRS TCRが有終の美。前戦終了後に“勝利剥奪”の旧型プジョーが初戴冠/TCR南米最終戦

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トヨタ・カローラGRS TCRが有終の美。前戦終了後に“勝利剥奪”の旧型プジョーが初戴冠/TCR南米最終戦

 アルゼンチン・サンタフェ州最大の都市であるロサリオにて、11月30日~12月1日に最終決戦のときを迎えた2024年のTCRサウスアメリカ・シリーズ第10戦は、前戦終了から約1週間後に失意の“最終結果除外”裁定を受けていたペドロ・カルドゥソ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)が、予選ポールポジション獲得からレース1で完勝を飾り、自ら王座への可能性を手繰り寄せる。

 そして今季最終ヒートのレース2では、トヨタ陣営のTCR車両開発担当者として今季より本格参戦を開始したマティアス・ロッシ(トヨタ・チーム・アルゼンティーナ/トヨタ・カローラGRS TCR)が、雨天の難コンディションと化した勝負で愛機との有終の美を飾り、ここで4位フィニッシュとしたカルドゥソが、ブラジル出身ドライバーとして初の南米王座に輝いた。

予選最速のトヨタ、マティアス・ロッシは届かず。王者リオネル・ペーニャが3連覇達成/TC2000第10戦

 前戦11月初旬のテルマス・デ・リオ・オンドにて、アルゼンチン最高峰のFFツーリングカー選手権TC2000で“4冠”を決めた現役王者リオネル・ペーニャ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)とともに3位表彰台を獲得。ポイントリーダーの座を取り戻していたカルドゥソだが、レースウイークを終えてライバル陣営であるW2プロGPからは抗議が提出されていた。

 その内容を検証したスチュワードは、調査の結果PMOレーシングの2台のプジョーがTCR技術規則3.8の「ローンチコントロールシステムについて」の「技術基準に適合していない」と判断。両名は優勝と3位の結果から除外され、代わってファン-マヌエル・カゼッラ(スクアドラ・マルティーノ/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が選手権首位に返り咲き、カルドゥソに対して20ポイントのアドバンテージを得ることとなった。

 この流れに奮起したか。その当事者であるカルドゥソは、メインストレートの始まりと終わりにバンクがあり、タイヤ摩耗が重要な課題となるアウトドローモ・ファン・マニュエル・ファンジオをいち早く攻略。予選からロッシのカローラに0.111秒差、僚友ペーニャも0.4秒差で抑え、シーズン最後のポールを攫った。

「これ以上良い展開はないね」と予選セッション後、カゼッラとの差をわずか3ポイントに縮めたカルドゥソ。「素晴らしいスタートだ。明日のレース1で優勝することを考えている。とてもうれしいし、最初のレースでアドバンテージを得て、その後はファン-マヌエル・カゼッラに対し順位をコントロールしたい」

「もちろんスタートシステムにいくつか変更を加えたが、このラウンドでは補正ウエイトがないので、これは良いことだ。明日は雨が降るかもしれないから、どうなるか様子を見てみよう」

■レース2は降雨で難路面に。タイトル候補のカゼッラには災難
 明けた日曜午前9時にスタートが切られたレース1はドライコンディションのまま進むも、オープニングではファビアン・シャナントゥオーニ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)とダミアン・フィネンチ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)が絡み、早々のセーフティカー(SC)が発動する。

 しかし3周目の再開後もポジションを堅持したポールシッターは、ロッシとペーニャのTC2000常勝コンビを従えて"ライト・トゥ・フラッグ"での今季3勝目を飾ることに。これで7位に終わったカゼッラを逆転して19ポイント差をつけた。

「目標を達成した。とても良いレースだった」と満足げな表情を浮かべた勝者カルドゥソ。「マティアス(・ロッシ)が前半に非常に強いペースを見せたから、簡単ではなかったよ。でも仕事の半分は終わったし、あとはタイトル獲得に向けて頑張るだけだ」

 現地時間12時25分開始のレース2は、それぞれ2番グリッド発進のカゼッラは必勝、同10番手発進のカルドゥソは7位以上でフィニッシュする必要があり、さらにスタート直前には小雨が舞う難しい条件と化すなか、前戦でタイトル候補の資格を逸したラファエル・レイス(W2プロGP/クプラ・レオンVZ TCR)だけがウエットタイヤに賭ける唯一のドライバーとなる。

 そんななか、王座を目指す2名はともにスタートでポジションを3つ落とすと、早くも2周目からは本格的な雨が降り始める。瞬く間に路面に水たまりが多数発生する状況となり、ここでSCが投入されると、溝付きを履くレイスがまさかのコースアウト。残る全選手がピットインし、レインタイヤへの換装を済ませる。

 ふたたび7周目でグリーンを迎えると、仕切り直しのウエットレースで3番手ロッシが躍動。8周目には2番手ファン-アンヘル・ロッソ(パラディーニ・レーシング/トヨタ・カローラGRS TCR)を、12周目にはその僚友シャナントゥオーニをパスして首位に躍り出る。

 一方、タイトル候補のカゼッラには災難が降り掛かり、右後輪が外れて3輪走行の状態でピットに戻り、ここで王座挑戦権を失ってしまう。これでロッシがカローラGRSで3勝目を飾り、シャナントゥオーニと挽回のレイスに続き4位でチェッカーを受けたカルドゥソが初のTCR南米タイトルを獲得した。

「素晴らしいことだ! 家族、ガールフレンド、チームに心から感謝する。今シーズンのすべてに本当にありがとう」と喜びを語ったカルドゥソ。「レースは楽な展開になり、あまり考える必要もなく早い段階でタイトルを獲得できた。ようやくお祝いの瞬間が来たね!」

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みんなのコメント

1件
  • *****
    レースどころか、もはやそのベース車が高価すぎて買えないよなぁ…
    よくネタで、現行のN-BOX(たぶんcustom)はバイザー、マットだのの標準的なオプションつけただけで300万だから買えね〜って聞くけど、このまま行くと軽自動車どころか車買うのも困難になっていく可能性もあるよなぁ…今後の日本
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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