ランボルギーニでチーフマーケティングオフィサー(CMO)を務めるカティア・バッシは、同社にとって史上初の女性取締役だ。
彼女の入社は2017年9月。その3カ月後には、同社の規模を従来の2倍に引き上げると予想されるウルスを発表した。この大変革期に取締役として迎え入れられたバッシに大きな期待が寄せられているのは想像に難くない。
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私がそう指摘すると、バッシは「そのお言葉に深くお礼を申しあげます」と、控えめな調子で応えた。
では、そもそもバッシはなぜランボルギーニに入社したのか? 「いくつかの理由があります」とバッシ。
「まず、私とランボルギーニCEOのステファノ・ドメニカリは同時期、フェラーリに勤務していました。一緒に仕事はしませんでしたが、当時より互いを知っていました。この偶然にも心から感謝しています」
イタリア生まれのバッシは、前述のとおりフェラーリに在籍していたほか、バスケットボールやサッカーのプロスポーツでもマーケティング担当として活躍した経歴を持つ。ランボルギーニの直前は、アストンマーティンのマネージングディレクターを務めていたので、経験は相当豊富と見て間違いない。
「つまり、私はこれまでに自動車のラグジュアリーブランドやスポーツ関連の仕事に関わっていたので、ランボルギーニにくわわったのもとても自然な変化だったと思います」
彼女はウルスの発売によってランボルギーニが大きく変化すると予想する。「ある意味でランボルギーニはとても男性的な世界の住人でした」と話すが、それがウルスのデビューにより多くの女性からも関心が寄せられるようになったという。
「ウルスの登場により、これからは多くの女性からもランボルギーニは注目されるようになると信じています。私たちは、これまでとはまったく異なる顧客層に向けたドアを開いたのです。今後、ランボルギーニのオーナーは家族や友人と『ランボルギーニに乗る』という経験を共有できます。たとえば子供とどこかに出かけるとか、スキーリゾートに足を伸ばすとかするのもいいかもしれません。ラゲッジルームは広々としていますし、キャビン・スペースにも余裕があります。ですから、今後ランボルギーニはより多くの人たちに開かれたブランドになるでしょう」
そもそもバッシはランボルギーニをどのようなブランドと捉えているのか?
「これはあくまでも私の個人的な見解ですが、ランボルギーニは単なる自動車のブランドではありません。プロダクトからエモーションを生み出す。これこそがランボルギーニだと思います。ここでいうエモーションとは必ず体験に基づくものです。私たちがいま、ここでこうしているように、考え方を共有し、情報を交換し、誰かの意見に耳を傾ける。ランボルギーニは自由を表現するブランドでもあるのです」
つまり、ランボルギーニはもはや男性だけのものではない、ということか?
「そのとおりです。ウルスの登場によってより包括的で網羅的なブランドになりました。これまではデザインの影響で、多くの女性は威圧的と感じていたかもしれません。しかし、ウルスはランボルギーニのカルチャーシフトを生み出したのです。いまでは多くの女性がランボルギーニに『近づきたい』と思うようになりました。裕福な女性たちは、なにかしらエモーショナルな商品の購入に興味を抱いています。そしてクルマは間違いなくあなたの暮らしに喜びをもたらすものといえます」
バッシの話を聞いていると、彼女はランボルギーニというブランドを積極的に変革しようとしているようにも思える。
「いいえ、私は変えようとはしていません。ブランドは自分自身の力で変わっていくものです。いま、ミレニアル・ジェネレーション、ジェネレーションYと呼ばれる人たちがランボルギーニに関心を持ち始めています。私はこのブランドを彼らにも案内するだけです。ウラカン ペルフォルマンテ スパイダーのプロモーションビデオをご覧になってください。主人公は女性で、とても好評を博しています。現在のランボルギーニは100%男性でもなければ100%女性でもなく、いわば無性別です。ランボルギーニは人生を楽しもうとする人々のためのブランドなのです」
ランボルギーニというブランドは人と経験によって支えられている。バッシのこうした思いは、今年の3月21日に起きたこんな出来事にも影響されているようだ。
「昨年9月に入社して以来、ウルスのプレゼンテーションで世界中を飛びまわっていたため、私自身がランボルギーニをドライブするチャンスをずっと逃していました。ところが今年の3月21日、実は私の誕生日なのですが、技術部門のトップであるマウリツィオ・レッジャーニが私のところにやってきて『カティア、今日はアフターセールスのトレーニングがあるので、アナタにも一緒に来て欲しい』と、言い出したのです。『私ですか? 別に今日でなくてもいいのではないのでしょうか?』と、そう応えましたが、マウリツィオは『いやいや、これはやらなければいけないことなんだ。数時間で終わるから、是非、付き合って欲しい』と言ってきかなかったのです」
ところが、これはレッジャーニらが仕掛けたサプライズだったという。「表に出ると役員が勢揃いしていて『カティア、今日はキミのための日だよ。3台のクルマを用意したので、これで存分に楽しんで欲しい』と告げられたのです」
「そのあとの3時間は、まさに夢のようなひとときでした。最初にウルス、次にウラカン、最後にアヴェンタドールと乗り継ぎました。いちばんベテランのテストドライバーであるマリオが最初に運転してくれて、少し走ったところで道ばたにクルマを停め、『さあ、どうぞ。運転して』と私に勧めたのです。『アナタ、本気?』と、訊ねたけれど、彼はニッコリと微笑むだけ。だから、ランボルギーニを本当に満喫しました。なにしろ、サンタガータ・ボロネーゼ周辺の道はずいぶん空いていますからね(笑)」
本物の経験だけが人の心を動かせる。ランボルギーニは、これをスーパースポーツカーで実践する自動車メーカーなのである。
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