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【詳細データテスト】プジョー e-2008 装備内容は充実 可もなく不可もないシャシーと動力系 航続距離は物足りない

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【詳細データテスト】プジョー e-2008 装備内容は充実 可もなく不可もないシャシーと動力系 航続距離は物足りない

はじめに

ほんの数年前まで、電気自動車市場ではきわめて控えめな端役に過ぎなかったグループPSAが、最近になってバッテリー動力の未来について真剣に考えていることを明確にした。グループ初のEV専用プラットフォームとなるeVMPを開発し、3年以内に市販化すると発表したのだ。

【画像】プジョー e-2008とライバル 全17枚

それまでの間、グループ全体でコンパクトな電動モデルの発売は怒涛の勢いで続くことになる。DS 3 クロスバック Eテンスにはじまり、ヴォグゾール・コルサ-eに至る各モデルはすでに世に出ており、われわれも試乗済みだ。

加えて、ヴォグゾール・モッカ-eと少なくとも1車種が出るとみられるシトロエンの電動モデル、さらにその間にもいくつかのモデルが投入される予定となっている。

それらゼロエミッションモデルの先遣部隊が勢揃いしたとき、今回のテスト対象であるプジョー e-2008はビジネスの成功の鍵を握るモデルとなりうるだろうか。

好調なブランドが成長途上のマーケットに投入したこのクルマは、人気のボディスタイルを持つ。日常使いでの扱いやすさや利便性では、電動化されたコンパクトハッチの追随を許さない。

同時に、グループPSAが擁するほかの電動モデルと同じく、エンジン車も含む2008のラインナップの一部でしかない。となれば、新型車としての独自性は薄く、サイズやレイアウト、使い勝手の点で目新しい情報はほぼない。

これは、エンジン車と基本設計を共有するEV全般に当てはまることだ。はたしてそのことが強みになるのか、それとも弱点となるのか、そこを確かめていきたい。

意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆

SUV的なスタイルのe-2008だが、そのシルエットは厳密にいえばSUVのそれではない。2013年に登場した初代2008はもっと背が高く、ボディパネルは張り出していた。

対する新型は、全長が150mm近く伸びたいっぽうで、全高は25mm低くなっている。ルーフ高を引き下げたのみならず、足回りのスプリングでもローダウンし、ボンネットも低くなったので、Cセグメントのハッチバックといっても通用しそうなフォルムだ。

これが売れれば、ひとびとが欲しているのはガチのSUVではなく、そのDNAを拝借したコンパクトなクロスオーバーだということになる。フォード・プーマあたりがそうであるように。

プラットフォームは、PSAのモジュラーアーキテクチャーであるe-CMP。スティールのモノコックシャシーには、フロントにストラット、リアには横方向のホイールコントロールを向上させるパナールロッドを加えたトーションビームを組み合わせる。

136psの交流永久磁石式モーターと50kWhのリチウムイオンバッテリーは、グループ内の電動モデル各車と共通。駆動輪は前輪のみだ。

ハッチバックのe-208と比べれば、ホイールベースは65mm長い。またエンジン車の2008に対し、公称重量は250kgほど上回るが、ミルブルックのテストコースで計測したテスト車の実測値はさらに100kgほど重かった。

かつてテストしたキアe-ニロやヒュンダイ・コナ・エレクトリックは、このプジョーより極端に重いわけではないが、モーター出力もバッテリー容量もかなり上だ。それを考えれば、このサイズと重さのEVなら、もっとパワフルなモーターと大容量のバッテリーが必要ではないのか、という疑問が湧くのは当然だ。その答えは、後に述べることとしよう。

少なくとも充電機能に関しては、ライバルたちと張り合える。DC急速充電のレートが100kWまで引き上げられれば、30分で80%までチャージ可能だ。充電ポートは左リアフェンダーに設置されている。充電ブースにバックで入り、前から出ることができるレイアウトは、われわれが安全に運用するのに適していると考えているものだ。

内装 ★★★★★★★★☆☆

運転席は、取り立てて高い位置にセットされているようには見えない。手動調整式のシートへ実際に座ってみると、低い着座位置が好みだったとしても、それほどアップライトに座らされて足を曲げさせられているようには感じないだろう。視点もそれほど高くはない。もちろん、それを残念に思うというユーザーもいるだろうが。

また、DS 3 クロスバック Eテンスをテストした際に気になった、やや邪魔なくらいに大ぶりのサイドシルは、e-2008にもみられた。乗り込むたびにそれをまたぎ越さなければならないのは、ちょっとばかりストレスの種になる。

テスト車には、シエロと銘打たれた開閉式サンルーフが装備されていた。トップグレードのGT以外ではオプションとなるアイテムだが、前席の頭上空間を減少させる原因でもある。背の高いドライバーなら、シートリフターを最大限上げることができないはずだ。

しかし、後席のヘッドルームには影響を及ぼさないので、大人が乗車してもほとんど問題はない。ただし、レッグルームは長身ならタイトに感じるかもしれない。チャイルドシートに子供を座らせても十分な広さだが、取り付けの際には後席ヘッドレストを外す必要があり、これがちょっとばかり面倒だ。

インテリアの第一印象は、高級素材を濫用することなく、センスのよさで勝負しているという感じ。テストしたGTライン仕様は、3種のマテリアルを用いたパートレザーシートやライムグリーンのステッチが、ムードを豊かに高めてくれるのがよろこばしい。

しかし、かつて試乗したもっと安価な仕様でも、レザー張りの操縦系や10.0インチのタッチ式ディスプレイを用いたインフォテインメントシステム、3Dデジタル計器盤が備わる。どのグレードを選んでも、e-2008のオーナーは、質感と車載テクノロジーがこのクルマの売りだと思っても当然といったところだ。

操縦系は、このクルマでも賛否両論を呼びそうだ。i-コクピットのコンセプトに基づくレイアウトは、ステアリングホイールの位置が低く、まるで膝の間に突き出しているよう。メーター類は、その上から見ることになる。

グッドニュースは、2008のレイアウトでは、その他の現行プジョー車よりこのコンセプトがこなれてきたように思えること。長時間乗っても、ドライビングポジションの奇妙さや不自然さを感じることはない。ホログラフィーのメーター表示は、集中力を削ぐという意見と、好みだという声が、テスター陣の中でも分かれたが、レイアウトは調整可能。おそらく、乗っているうちに慣れるはずだ。

走り ★★★★★★★☆☆☆

電動車といえば、パフォーマンスには期待を抱きがちだ。しかし、ここまでEVマーケットが拡大し、ファミリーカーにさえ電動パワートレインが一般化してくると、それほどでないものが出てくるのもやむを得ないところだ。いわばEVのノーマライゼーションだが、e-2008にはそれが感じられる。

加速性能は、息を呑むようなものではない。レスポンスはじつに鋭く、キレがよくスムースで、ペダルポジションに対しプログレッシブでEVらしいものだ。しかし、0-97km/h加速は9.5秒。48-113km/h加速には9秒近い時間が必要で、高速の合流などではその程度のペースということになる。

ここ3年ほどでテストした同じ価格帯のEVは、これよりずっと速かった。昨年、基本設計を2008と共有するDS 3 クロスバックの1.2Lガソリンターボ版をテストしたが、それでさえe-2008より速かったのだ。

それに、136psの出力が、1.6tのEVには物足りなく感じることもある。市街地以外で80km/hを超えると、英国の混み合った路上でより速く走らせるには、平均的なクルマよりもムチを入れなくてはならない。

とはいえ、右足の操作に対する反応はうれしくなるものがある。というのも、小気味よく正確だからだ。日常使いでは、一般的なファミリーカーのエンジンとATが動き出そうとしている間に、すでに前へと進んでいる。

そうはいっても、よほどの低速域を別にすれば、このクルマは本当に走りへ引き込むような、グイグイと前へ出ようとするフィールを感じさせるものではない。

走行モードは3つあるが、モーターがフルパワーを発揮するのはスポーツモードのみで、スロットルペダルにも多少の調整が入る。ブレーキのエネルギー回生は比較的マイルドで、トランスミッションのポジションをDからBへシフトすると効きが強くなる。とはいえ、市街地での1ペダル運転を容易にできるようなクルマとはいえないだろう。

回生モードのパドル調整があれば、エネルギー回収効率を高めるとともに、ドライビングを多少は楽しめるものにしてくれたかもしれない。しかし、プジョーの狙いがエンジン車からの乗り換え組でもなじみやすいシンプルな操作性の構築にあったなら、その目的は十分に達成されている。

おかしなことに、このe-2008のエネルギー回生の傾向は、穏やかなブレーキングでは高まらないが、それでもブレーキペダルのフィールは、この手の複合的なブレーキシステムを備えるクルマらしくソフトでもっさりしている。そのため、高い速度からスムースに減速するのがやりにくい。

とはいっても、ストッピングパワーそのものはかなり強力。テストデータは思わしくなかったが、これは路面が湿っていたことの影響によるものだ。

使い勝手 ★★★★★★☆☆☆☆

インフォテインメント

e-2008は全車とも、スマートフォンのミラーリング機構を備えるタッチディスプレイ式インフォテインメントシステムを装備。ただし、アクティブとアリュールには純正ナビが含まれない。

フル装備の10.0インチ画面はアリュール・プレミアム以上に与えられる。フォーカル製プレミアムサウンドシステムは、GTライン以上にのみ用意される590ポンド(約8.3万円)のオプションだ。

テスト車は、10.0インチ画面と標準オーディオを装着。大画面がダッシュボード上の一等地を占めているが、インフォテインメントシステムの直観性は最良の部類ではない。

ディスプレイから下へ目を移すと、タッチ式のショートカットと実体スイッチが2列に並ぶが、メニューを切り替えるのには画面とタッチスイッチとを行ったり来たりしなければならないのがどうにも変なロジックだ。

しかも、ワンタッチで操作できてしかるべき機能、たとえばエアコンの送風口切り替えやナビ音声の消音などが、3度、4度と触れなければ完了できない。見栄えのいいシステムだが、操作に慣れるのは容易ではない。

燈火類

スマートビーム・アシスタンス付きのLEDヘッドライトは、GTラインとGTに標準装備。ロービームのレベルは上々。ハイビームは十分明るいが、特筆すべきほどではない。

ステアリングとペダル

ペダル配置は上々で、大きさも適切。足元には十分なスペースがある。

操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆

e-2008のシャシーは、最新のいかなるコンパクトクロスオーバーにも負けないくらい穏やかだ。そしてその走りは、きわめて広い意味でいえば非の打ちどころのない、感じのいいものだ。

しかし、パワートレインにありふれたコンパクトな5ドアファミリーカーを超えるパフォーマンスが欠けているのと同じく、ハンドリングもほめるところは少ない。かといって、非難するところもあまりないのだが。

市街地などで取り回している限り、比較的俊敏だ。それでも、テスター陣から戸惑いの声が上がったのは、プジョーがハンドリングにいくらかでも鋭さを持たせようと意図していたに違いないからだ。

ステアリングホイールは小皿かというくらい小さいが、ステアリングラックはロックトウロックが2.8回転と、おそらくこのサイズのクルマの水準からすれば20%ほどダイレクトさに欠ける。

そのため、ラウンドアバウトや曲率の大きいジャンクションでは、普通より小さなステアリングホイールを、そこから予想するより多く回さなければならないことになる。

ドライバーはステアリングを切っている間ずっと、これほど小径リムでこの操舵系を作動させるために、プジョーが目をつぶった妥協を思い知らされる。旋回中も自車のポジションを楽に決められるだけの手応えはあるが、ラックのフィールはややゴムっぽい感触で、またアシストが効きすぎているのだ。

だが、舵角が増すと、やや強過ぎるポジティブキャンバーとセルフセンタリングが発生し、コーナリングが直観的になる。それによって、スポーティに走らせると、パワーステアリングはアシストの限界まで力を尽くしているのに、それが有効に働いていないように感じられてしまうのだ。

横方向のボディコントロールはなかなかのものだが、多くのEVがそうであるように、メカニカルグリップのレベルは取り立てて高いものではない。整然と、安全にコーナリングし、滑りやすい路面で飛ばしても、しっかりチューニングされた電子制御ドライバーズエイドが狙ったラインをきっちりキープしてくれる。ただし、かなりボディが傾くこともあるが。

上下方向の挙動は、一貫して落ち着いているといえるものではない。地方道路をハイペースで走るようなときにはややソフトで、そわそわした動きをみせる。舵角がついた状態でスロットルを大きく開けると、ステアリングの乱れが多少なりとも現れる。前輪がどこを向いているのか、常に注意を払っていなければならなくなるのだ。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

多くの手頃なEVと同じく、e-2008の乗り心地は総じて悪くない。だが、しなやかさや遮音性で乗るものを感服させるというほどでもない。

その一因はもちろん、エンジンより静かな電気モーターが動力源だということにあるだろう。そうだとしても、快適性に悪影響を及ぼすノイズや動きは少なからず見受けられる。

サスペンションには、市街地で大きなバンプを越える際に、追従性が足りないところがある。リアのトーションビームはドスンドスンと音を立て、スピードバンプですらドライバーにはっきり伝えてくる。

四輪からは、マンホールを踏み越えるたびにポンポンいう音が入る。比較的重く背の高いクルマなので、硬くせざるを得なかったブッシュとスタビライザーのセッティングにも原因はあるだろう。

それに比べれば、風切り音の遮断には文句なし。ドライバーズシートは快適だが、もも裏を支える座面長の調整機構はない。

前席の頭上空間を多少ながら圧迫するサンルーフだが、装着をためらう理由はほかにもある。走っていると、まるでゴムシールが正しく組み付けられていないように、きしみやこすれからくるような音がするのだ。

それは、製造クオリティにおける些細な問題で、生産が進めば遠からず解決されると思われる。しかし、EVならではの高い静粛性ゆえに、e-2008では小さなきしみ音でも耳障りに感じる。早急に対応してもらいたい。

購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆

フル4シーターEVで、3000ポンド(約42万円)助成後の車両価格が3万ポンド(約420万円)以下からというのは、2020年現在のマーケットではなかなか魅力的な設定といえる。見栄えも走りや乗り心地も悪くないとなればなおさらだ。

こうした価格設定は、多くのライバルをコストパフォーマンスで凌ぐもの。航続距離に不満がないユーザーにとっては、かなり現実味のある選択肢となるだろう。

しかし、航続距離は誰もが満足できるレベルにはない。テスト時に結果から算出すると、フル充電しての日常使いで走れるのは240km弱、高速道路クルーズでは220km弱といったところ。市街地や80km/h定速巡航ならばもう少し距離を稼げそうだが、それでも270~290km程度だ。

39kWh仕様の日産リーフや、さらに航続距離の短いMG ZS EVあたりと比較するなら、それでも十分かもしれない。だが、400km以上に達するキアやヒュンダイにはだいぶ見劣りする。また、いまどきのクロスオーバーならば1台でなんでもこなせることが求められるところだが、e-2008だけでオールマイティに使えると納得できるユーザーは多くないだろう。

スペック

レイアウト

グループPSAの現行EVがすべてそうであるように、コモンモジュラープラットフォーム(CMP)のバリエーションがベース。駆動用バッテリーの容積と重量を収められるよう改修が加えられ、e-CMPと呼ばれる。

サスペンションはフロントがストラット。リアがパナールロッド付きのトーションビームで、アクスルの横方向の位置決めを改善している。前後車両重量は、実測値で55:45だった。

パワーユニット

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:交流同期永久磁石式電動機
駆動用バッテリー:水冷式リチウムイオンバッテリー、50kWh(グロス値)
最高出力:136ps/3673~10000rpm
最大トルク:26.5kg-m/300~3673rpm
許容回転数:11500rpm
馬力荷重比:88ps/t
トルク荷重比:17.1kg-m/t

ボディ/シャシー

全長:4300mm
ホイールベース:2605mm
オーバーハング(前):870mm
オーバーハング(後):825mm

全幅(ミラー含む):1990mm
全幅(両ドア開き):3580mm

全高:1550mm
全高:(テールゲート開き):2060mm

足元長さ(前):最大1050mm
足元長さ(後):最大660mm
座面~天井(前):最大990mm
座面~天井(後):最大960mm

積載容量:434~1467L

構造:スティールモノコック
車両重量:1548kg(公称値)/1638kg(実測値)
抗力係数:-
ホイール前・後:7.0Jx18
タイヤ前・後:215/55 R18 99V
ミシュラン・プライマシー4
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:1速ダイレクトドライブ
ギア比
最終減速比:5.10:1
リダクション比:1.97:1
1000rpm時車速:13.0km/h

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:5.1km/kWh
ツーリング:4.8km/kWh
動力性能計測時:3.7km/kWh

メーカー公表値:消費率
混合:6.9km/kWh

公称航続距離:311km
テスト時航続距離:232km
113km/h巡航時航続距離:217km
80km/h巡航時航続距離:290km
CO2排出量:0g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:トーションビーム+パナールロッド/コイルスプリング

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.8回転
最小回転直径:10.4m

ブレーキ

前:302mm通気冷却式ディスク
後:268mmディスク
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:電気式、自動(センターコンソール配置)

静粛性

アイドリング:-dB
全開時:75dB(145km/h時)
48km/h走行時:59dB
80km/h走行時:64dB
113km/h走行時:66dB

安全装備

ABS/EBD/EBA/HSA/LKA/eコール
Euro N CAP:5つ星(1.2ピュアテック)
乗員保護性能:成人93%/子供84%
歩行者保護性能:73%
安全補助装置性能:73%

発進加速

テスト条件:湿潤路面/気温20℃
0-30マイル/時(48km/h):3.7秒
0-40(64):5.1秒
0-50(80):7.0秒
0-60(97):9.5秒
0-70(113):12.6秒
0-80(129):16.5秒
0-90(145):21.7秒
0-402m発進加速:17.4秒(到達速度:132.4km/h)
0-1000m発進加速:31.9秒(到達速度:151.1km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
ヒュンダイ・コナ・エレクトリック 64kWh プレミアムSE(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温19℃
0-30マイル/時(48km/h):3.0秒
0-40(64):4.1秒
0-50(80):5.3秒
0-60(97):6.7秒
0-70(113):8.8秒
0-80(129):11.1秒
0-90(145):13.9秒
0-402m発進加速:15.4秒(到達速度:153.0km/h)
0-1000m発進加速:-秒(到達速度:-km/h)

キックダウン加速

20-40mph(32-64km/h):2.7秒
30-50(48-80):3.3秒
40-60(64-97):4.4秒
50-70(80-113):5.6秒
60-80(97-129):7.1秒
70-90(113-145):9.1秒

制動距離

テスト条件:湿潤路面/気温20℃
30-0マイル/時(48km/h):10.6m
50-0マイル/時(64km/h):29.0m
70-0マイル/時(80km/h):57.5m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.34秒

ライバルの制動距離ヒュンダイ・コナ・エレクトリック 64kWh プレミアムSE(2018年)
テスト条件:乾燥路面/気温19℃
30-0マイル/時(48km/h):9.3m
50-0マイル/時(64km/h):25.5m
70-0マイル/時(80km/h):49.9m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

明らかに、多くのEVより幅広いユーザーにアピールできるポテンシャルを秘めたプジョーe-2008だが、バッテリーEVをすべて共通コンポーネンツでまかなおうというグループPSAの戦略によって、ちょっとばかり物足りないクルマになってしまった感がある。

もし、プラットフォームがもっと拡張性に優れ、パワーと航続距離があと10~20%あれば、フォルクスワーゲンやヒュンダイ、キアなどライバルメーカーの商品プランナーはもっと熟考を重ねる必要に迫られたはずだ。

しかし実際には、現実的な平均航続距離は240km弱で、パフォーマンスも平凡の域を出ない。e-2008をターゲットから外すのは難しいことではない。

それ以外の部分はたしかに悪くない。実用的で、快適で、運動性能も一考の価値がある。見栄えはいいし、室内も心地よく魅力的。一般的なファミリーが日常使いするのに十分な広さもある。

320kmに満たない航続距離に納得しているなら、e-2008はかなり魅力的だろう。しかし、EV市場に衝撃を与えるほどの実用性があるとはいえないだろう。

担当テスターのアドバイス

サイモン・デイヴィスキアやヒュンダイのEVからの乗り換えがそれほど多くなるとは思えない。しかし、日産リーフの39kWh仕様の航続距離で事足りるなら、このクルマでも問題ない。しかも、こちらのほうがスタイリッシュだ。

マット・ソーンダース個人的には、フランス車的な奇妙さが強すぎるが、それらの多くにさほど大きな効果はない感じだ。見た目はいいが直感的に使えないインフォテインメントシステム、風変わりなメーター類、不自然なドライビングポジションなど、どれも結局はいらだちの種になりそうだ。とはいえ、クルマとしての基本的なメカニズムはちゃんとしている。

オプション追加のアドバイス

下位のグレードにも目を向けよう。アクティブ・プレミアム仕様なら3万ポンド(約420万円)を切り、必要度の高いアイテムはだいたい標準装備される。

改善してほしいポイント

・どうにかして、バッテリー容量の拡大を図ってほしい。
・もっとパワフルな駆動用モーターを採用してもらいたい。
・インフォテインメントの使い勝手は、まだまだ改善すべき点が多い。

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