マジか！ これで軽自動車か！ 受注1万5000台超 日産サクラに一般道＆高速道で乗ってみた

　日産から登場した、軽自動車EVのサクラ。5月20日の正式発表から6月末までの1ヶ月と10日ほどで、なんと1万5000台もの受注があるという。

　自動車評論家、そしてレーシングドライバーでもある松田秀士氏が一般道＆高速で試乗を敢行。「マジか！ これで軽自動車か！」「まいったな、コイツ万能だ！」。それこそ星の数ほどのクルマに試乗してきた氏の、感嘆の声を聞いてみてほしい！

※本稿は2022年7月のものです
文／松田秀士、写真／ベストカー編集部、撮影／佐藤正勝
初出：『ベストカー』2022年8月10日号

■加速フィーリングはまるで2Lクラスカー 軽ターボの約2倍のトルク

日産 サクラ。軽自動車＋EVは日本の街中で本当に使いやすい。発進時のトルクの立ち上がりが鋭くストレスフリー！

　日産サクラはアリアを頂点にリーフに続いてピラミッドの底辺を支えるEV。団子三兄弟ならぬ日産EV三兄弟と呼ぶのだそうだ！

　アリアも話題だが、このタイミングで軽自動車のEVを投入した戦略は見事に当たっている。

　なんと6月末時点での受注台数は約1万5000台という。ガソリン高騰のおり世間の注目度は抜群なのだ。

　EVゆえに変速ギアやCVTはなくモーター直結の2ペダルでシフトセレクトレバーはN/D/B/R（リバース）とシンプル。

　これにエコ/スタンダード/スポーツの3種類のドライブモードを用意する。加えて回生機能を利用した、アクセルペダルだけで加減速を自在にコントロールできるe-Pedal StepのON/OFFが選べる。

　走り出すよ。Dレンジでアクセルを踏み込むとスルスルと走り出す。エコモードなのにストレスなし。

　660ccエンジンのようにブーン！ と唸るわけでもなく、3気筒の振動もなく、とにかく静かに気持ちよく加速する。

　それもそのはず最大トルクは軽ターボの約2倍の19.9kgm。しかもモーターゆえ0回転から最大トルクを発生するのだ。

　ちなみにドライブモードをスタンダード→スポーツと上げてゆくと、アクセルの踏み込み加減に対して明らかに力強さを増してゆく。

　その加速フィーリングはまるで2Lクラスカー。フル乗者でもまったくストレスないはず。

爆発的に速くはないが、スムーズな加速とフラットな乗り心地により高速道路でも快適ドライブできる

　市街地では抜群の加速性能と「e-Pedal Step」によるテキパキ走行で周りのクルマを置いていく。しかもサスが気持ちよくストロークして乗り心地が抜群。

■高速道路での運転も◎ リチウムイオンバッテリーの重さがうまく作用している

　そのまま高速道路に入ると高速域加速も必要十分以上。小型車、簡単に追い越せます。ちょっと粗いレーンチェンジをしてみても、ステアリング応答は速いがリアが安定しているので気持ちよくステアできる。

　よくある路面の繋ぎ目によるバウンシングもサスペンションがしっかり吸収。マジか！ これで軽自動車か！

　もうひとつ、プロパイロットが付いているんですよ。長距離移動も疲れ知らずだ。

　で、航続距離は180km（WLTC）。走り方にもよるが150km前後だろう。ちなみに一般家庭の半数以上が1日の走行距離は30km前後というから近距離通勤や買い物などにちょうどいい。

　最近はガソリンスタンドも減少していて、自宅の200V電源なら約8時間で100%充電できる。リチウムイオンバッテリーはリーフ譲りでバッテリー事故ゼロという信頼性の高いモノ。

　その重量は約200kgで床下収納、ベースモデルのデイズよりそのぶん重い。

　しかしこれが前後荷重配分でリアにもしっかり荷重をかけ、全速度域で抜群の安定性を生み出している。しかも低重心。

フットワークの軽快感は軽自動車のレベルを超えている。コーナリング中でもけっこうアシが粘る

　エクステリアはアリアを彷彿する未来派シルエット。デイズからほとんどのパネルを専用設計している。

　インテリアはアリアやオーラのディスプレーをそのまま縮小した機能的で都会的。ダッシュボードも使いやすい造形でスタイリッシュなファブリック素材。

　まいったな、コイツ万能だ！

●サクラの室内騒音
・走行スピード：室内騒音レベル
・30km/h：54.8dB
・60km/h：63.7db
・30～60km/h：55.1～64.8dB
・80km/h：67.1dB
※室内騒音はダッシュボードの運転席と助手席の中間点で測定

●日産SAKURA X主要諸元
・全長：3395mm
・全幅：1475mm
・全高：1655mm
・ホイールベース：2495mm
・車両重量：1080kg
・最小回転半径：4.8m
・最高出力：64ps/2202-10455rpm
・モーター最大トルク：19.9kgm/0-2302rpm
・バッテリー総電力量：20kWh
・航続距離（WLTCモード）：180km
・価格：239万9100円

Comments

万能ねぇ。東京から名古屋まで行ける？

ガソリン車後乗れるうちはガソリン車に乗っていた方が良い。HONDAのＥＶも販売店が価値無しって判断してるような残価なんだからさ。