重要性を感じたのは、経営統合に至る日程
12月23日の午後5時、ホンダ、日産、三菱が都内で実施した共同会見には、200人近い報道関係者が詰めかけた。
【画像】12月23日の午後5時、ホンダ、日産、三菱が都内で実施した共同会見 全24枚
だが、冒頭のプレゼンテーションでは、ホンダと日産が3月と8月に示した、さまざまな技術領域での協業連携に関する説明とダブる内容であり、特に変わった発表はなかった。その中で、報道陣が特に重要性を感じたのは、経営統合に至る日程だった。
また、報道陣の多くが期待していた、台湾の鴻海(ホンハイ)の関与についても、日産の内田誠社長は「(ホンハイから)アプローチはない」と全面否定し、またホンダの三部敏宏社長は「報道で初めて知った」というに止めた。会見の後半になると、質問したいと手を挙げる記者の数が減り、会場内が「今日はこれ以上、話を深堀りできそうにない」といった空気感となった。
周知のとおり、今回の会見に至る1週間ほど前から、各種メディアではホンダ・日産の経営統合に関するリーク記事が横行した。その中では「鴻海がルノー所有の日産株を買い取り、日産買収に動く」とか「海外資本による日産買収を、日本政府が阻止しようとしている」と実しやかに綴られていた。
こうした各種報道をフックに、報道各社は独自取材を進めたようで、最終的な確認のために今回の会見でホンダと日産の社長に直接、その真偽を問うたが、そうした話自体を「知らない」と一蹴された形だ。
ここまで話題に上った鴻海としては、日産への関与の真偽について今後、なんらかのコメントを出すのかもしれない。
どうなる『5年から10年先』の自動車産業界
今回の会見の中で、ホンダの三部社長は「5年~10年先になって、(市場全体が3社の経営統合の)重要性を分かってくれるはず」という主旨の発言をしている。『100年に一度の自動車産業変革期』と言われて久しいが、既存の自動車産業構造では、ホンダも日産も、そして三菱も生き残れないという危機感の現れだ。
だからこそ、真の意味での『リストラ』が必要なのだ。
今回、『本経営統合により想定されるシナジー効果』として、車両プラットフォームの共通化や、研究開発機能の統合、生産体制、拠点の最適化といった、7つの領域を挙げているが、これぞまさに構造改革、または事業の再構築としての『リストラクチャリング』である。
日本では1960年代の高度経済成長期を大きなきっかけとし、自動車メーカーは大量生産、大量消費型の巨大企業の道を突き進んできた。日本国内での需要に一定の目処がついた1980年代になると、稼げるアメリカ市場を強化し、さらに2000年代以降はBRICsと呼ばれる経済新興国での事業を拡大した。
なかでも中国は、政府主導型の経済政策効果もあり、あっという間に世界第一位の自動車製造、販売国に登りつめた。その時点で、ホンダも日産も、本来は次世代に向けた自社のリストラクチャリングを本気で行うべきだったのではないだろうか。そのツケがいま、ホンダと日産にまわっていているように感じる。
目指すべきは『ユーザー第一』志向の『リストラ』
今回の会見は、あくまでも『経営統合に向けた協議を始める』ことの発表だ。示された『経営統合により想定される7つのシナジー効果』は、あくまでの理論上の結果論に過ぎない。重要なのは『各方面との折衝、交渉』である。
各方面とは、両社の従業員、労働組合、サプライヤー、販売企業など、ホンダ、日産、そして三菱と直接関わる多くの人たちであり、彼らすべてに経営統合後の状況を納得してもらうためのハードルは極めて高いと言わざるを得ない。なぜならば、前述のように広義における『リストラクチャリング』なのだから。
こうして、3社による『経営統合の協議を始める』との発表を俯瞰してみて、強く感じるのは『ユーザー不在』という点だ。
ホンダからも日産からも、これまで通りにブランドは維持するというものの、経営統合した後のユーザーとの向き合い方について、『血の通った言葉』が聞こえてこなかった印象がある。
テスラやBYDなどの新興勢力の台頭や、米中の巨大IT企業のクルマを巻き込んだデータ連携サービスへの参入など、日本を取り巻く産業構造全体での『リストラクチャリング』が進む中だからこそ、日本メーカー各社は『ユーザー第一』を明確にした自社の『リストラクチャリング』が必須であるはずだ。
『クルマからモビリティへ』というお題目を唱えるだけではなく、真の社会変革を目指すための本気の『リストラクチャリング』が今、ホンダ、日産、三菱の3社連合に求められている。
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みんなのコメント
ドイツの自動車会社を見なさい。もっと悲惨だよ。