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伝統のクルマが憧れに大変身。今度のクラウンはフェラーリより目立つ!

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伝統のクルマが憧れに大変身。今度のクラウンはフェラーリより目立つ!

死に体からの大変身。トヨタが見せつけた底力

 クラウンの年間販売台数は全盛期のおよそ10分の1にまで落ち込んでいた。その意味でクラウンはほとんど「死に体」だったといっていい。

【試乗記ウラ話】トヨタの16代目クラウンが大変身した背景にはアルファードの存在があった!

 それまでのビッグネーム、トヨタでいうならばコロナやマークIIなどと同様に、ビジネス的には消えてなくなってもおかしくない状況であったわけだ。けれどもクラウンはトヨタの象徴、黎明期から続いた伝統のフラッグシップである。その名を捨てるわけにいかなかった。おそらくトヨタは今後もクラウンとカローラだけは何があっても継続するに違いない。クラウンを残すこと。それは世界ナンバー1ブランドの意地でもあった。

 とはいえ、言葉は悪いが「死んでいるも同然」の状況である。現状維持などあり得ない。しかもクラウンは一貫してフラッグシップサルーンとして歴史を刻んできた。原点回帰という手法は通じない。だとしたら、どうすればいいのか。

 誰もがアッと驚く改革を思い切って実践するほかない。トヨタはクラウンの改革において念には念を入れて世間を驚かせてみせた。なんと、クラウンの名で4種のスタイルを用意したのだ。クロスオーバー/スポーツ/セダン/エステート、今後グローバルで販売台数を稼げるすべてのタイプを網羅してみせた。この実行力こそ世界を代表するメーカーならではの底力というべきだろう。

 そう、クラウンはデザインからメカニズム、レイアウト、マーケット戦略まで、従来の歴代モデルとはまったく関連性のないモデルとして生まれ変わった。極端なことをいうと、もはや共通しているのはクラウンという名前だけ。そこに「そもそも論」の生じる余地もあるが、そんなことはいっていられなかった。名前を残すだけでなく、もう一度フラッグシップモデルとして、今度はグローバルの世の中に、その名をとどろかせるため、必要だと思われる決断をすべてやってのけた。旧来の価値観を超えて新たな価値を創出するためのまさにチャレンジだったといっていい。

フェラーリより目立つ造形! 新開発ハイブリッドは圧倒的にパワフル

 第1弾として登場したクロスオーバーは、クーペフォルムのグランドセダン・スタイルだ。クラウンはリアゲートこそ持たないが、欧州のメジャーブランドでも最近よく見受けられるカテゴリーに属する。サルーンイメージの強いクラウンにはまったく縁のなかったカタチといえる。だからこそ多くの人に衝撃を与え、その中から熱心な支持者が現れている。現状維持のサルーンデザインのままであったなら、いかに突飛な顔立ちをしていたとしても、ここまで多くの衝撃と、熱烈な支持者を得ることは叶わなかったに違いない。

 実際、新型クラウンを街中でドライブしていると、スーパーカー並みに人々の視線を感じる。フェラーリに慣れっこな東京都内でも、こちらを見ている。そして多くの視線は笑顔と共にある。写真で見るよりも数段カッコいい。2トーンや「らしくない」色使いなど、大胆なカラーリングも注目を浴びる要因だ。少なくとも赤いフェラーリより都心では目立っていた。

 外観でここまでぶっ飛んだのだ。インテリアも従来路線でいいはずがない。ホイールベースこそ短くなったものの、室内の開放感は旧型をはっきりと上回る。これなら海外市場でも十分通用しそう。デザイン的にもモダンでかつクリーン。新しい価値観の演出がなされている。もっとも、個人的にはもう少しマテリアル質感を上げてもよかったように思う。

 パワートレーンは2種類。エンジン横置きプラットフォームをベースに、2.5リッター直4+リアモーターのハイブリッドと、新開発の2.4リッター直4ターボ+前後モーターの「デュアルブーストハイブリッド」だ。

 トヨタのハイブリッドシステムと聞くと、とにかく燃費一辺倒というイメージが強い。だが、クラウンでは「燃費とともにパフォーマンスも重視する」と明言した。とくにRS系グレードの2モーターハイブリッドは、ハイパワーエンジンを搭載してきたフラッグシップモデルの面目を異なる形で保って見せた。

 肝心の走りだが、パフォーマンス的には2.5リッターのハイブリッドでも十分。システム出力349psのRSなら誰もが納得のいく走りをみせる。ただし21インチタイヤ装着車の場合、残念ながらその大きなタイヤを十分に履きこなしているとは思えなかった。低速域での乗り心地には改良の余地が残っている。

 伝統車クラウンがかくも大胆に変化したということは、今後、日本車におけるフラッグシップの価値を変えていく可能性があることを示している。もちろん、このクラウンの成功いかんではあるが、「栄光のクラウン再び」も大いにあり得る。今後登場するスタイルも含めて、クラウンの未来に期待する。

クラウン・クロスオーバー主要諸元

グレード=RSアドバンスト
価格=THS(6AT) 640万円
全長×全幅×全高=4930×1840×1540mm
ホイールベース=2850mm
トレッド=フロント:1605/リア:1615mm
車重=1920kg
エンジン=2393cc直4DOHC16Vターボ(プレミアム仕様)
最高出力=200kW(272ps)/6000rpm
最大トルク=460Nm(46.9kgm)/2000~3000rpm
モーター最大出力=フロント:61kW(82.9ps)/リア:59kW(80.2ps)
モーター最大トルク=フロント:292Nm(29.8kgm)/リア:169Nm(17.2kgm)
WLTCモード燃費=15.7km/リッター(燃料タンク容量55リッター)
(市街地/郊外/高速道路:12.6/15.8/17.6km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=225/45R21+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.4m

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みんなのコメント

42件
  • 「今度のクラウンはフェラーリより目立つ」は「マツダ車は欧州車を抜いた」くらいのキモチ悪い発言ですな。
  • NEWクラウン、全然良いと思わない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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