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アクセルで曲がる快感! 最後のFRスポーツカー3選

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アクセルで曲がる快感! 最後のFRスポーツカー3選

■3メーカーの失われたFR車を振り返る

 エンジンをどこに搭載してどのタイヤを駆動するかという駆動方式はいくつも種類があります。

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 近年はフロントにエンジンを搭載してフロントタイヤを駆動するFF(フロントエンジン・フロントドライブ、)もしくはFFをベースとした4WDが主流となっており、高級セダンやスポーツカー、スーパーカーでは後輪を駆動するFR(フロントエンジン・リアドライブ)やMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)が採用され、少数ですがRR(リアエンジン・リアドライブ)も存在します。

 こうした駆動方式にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、クルマの用途やコンセプト、セグメント、価格帯などによって使い分けされています。

 なかでもFRは、かつてFFが普及する以前は駆動方式の主流であり、駆動輪と操舵輪を分離することでステアリングのフィーリングを向上させ、前後重量配分、駆動トルクの効率的な伝達、MRよりも良好な居住性など、トータルのバランスで優れるといえるでしょう。

 しかし、前述のとおりFFの普及によってFRを採用するモデルは減少してしまいました。そこで、メーカー最後のFRスポーツカーを3台ピックアップして紹介します。

●ホンダ「S2000」

 ホンダのFRスポーツカーといえば、1963年に発売された「S500」、1964年に登場した「S600」、1966年に発売した「S800」があり、同社の4輪製造を世界的に知らしめた存在でした。

 しかし、S800は1970年に生産を終えるとFRはラインナップから消滅。以降は、FF車が主力となります。

 ところが1999年に、本田技研工業創立50周年を記念して開発されたオープンFRスポーツカー「S2000」が登場し、29年ぶりにFR車が復活しました。

 外観はFRスポーツカーとしては定番のロングノーズ・ショートデッキを採用し、なかでもロングノーズはエンジンを前輪車軸後方に配置する「FRビハインドアクスルレイアウト」に生かされ、前後重量配分50:50を実現。

 シャシは新開発の専用モノコックで、高いボディ剛性と世界最高水準の衝突安全性を両立しています。

 ハイライトであるエンジンは、2リッター直列4気筒DOHC VTECを搭載。最高出力は自然吸気エンジンとしては世界最高水準となるリッター当たり125馬力の250馬力を発揮します。

 トランスミッションはクロスレシオの6速MTのみが設定され、足まわりにはダブルウィッシュボーンサスペンションを採用し、優れたハンドリング性能が高く評価されました。

 S2000は待ち焦がれたFRスポーツカーファンによって、発売と同時にヒットを記録。その後、バリエーションの拡充と各性能の向上が実施されましたが、2009年に生産を終了。

 後継車はなく、現時点でホンダのラインナップにFR車は存在していません。

●三菱「スタリオン」

 三菱は1982年にグローバルで通用する次世代のスポーツカーとして、「スタリオン」を発売。

 外観は直線基調のシャープなフォルムの3ドアハッチバッククーペで、まさにクサビそのものといったウェッジシェイプのシルエットは、スポーツカーらしさあふれるものでした。

 内装では7つのメーターを配置した(デジタルメーター仕様もあり)コクピットに、体をしっかりとサポートするバケットシートなど、欧州製スポーツカーに負けないスポーティな装備が採用されています。

 搭載されたエンジンは当時ターボ化の波が押し寄せており、スタリオンは発売当初からトップグレードに2リッター直列4気筒SOHCターボを搭載。最高出力は145馬力(グロス)を発揮しました。

 さらに、1983年にはインタークーラーを装着して175馬力(グロス)まで向上し、1984年には可変バルブシステムを採用して最高出力200馬力(グロス)を誇り、2リッターエンジン車ではトップクラスへと躍進。

 そして、1987年には2リッター車に輸出用ワイドボディを採用した限定車「GSR-VR」が登場し、翌1988年にはほぼ輸出用と同等の仕様の、2.6リッターエンジンを搭載したGSR-VRに一本化されました。

 そのスタイルは斬新かつ迫力のある唯一無二のスタイルといえ、今もファンを魅了し続けています。

 この大きな改良があったにもかかわらず1990年に、実質的な後継車の「GTO」が発売されたことで、スタリオンの歴史は幕を下ろしました。以降はFR車は登場していません。

●いすゞ「ピアッツァ」

 今ではトラックメーカーとなったいすゞですが、1968年には日本の自動車史に残る名車「117クーペ」を発売しました。

 デザインはイタリアの名門デザイン工房「カロッツェリア・ギア」に委託され、チーフデザイナーは数多くのスポーツカーやスーパーカーも手掛けたジョルジェット・ジウジアーロが担当。

 その後、1981年には同じくジウジアーロがデザインした後継車「ピアッツァ」が誕生しました。

 外観はセミリトラクタブルヘッドライトが特徴的で、全体的に丸みを帯びたスタイリッシュなフォルムの3ドアハッチバッククーペです。

 内装もアグレッシブなデザインで、近未来を感じさせるデジタルメーター(グレードにより設定)を配置し、まさにコクピットの見本といえるほど、各種スイッチをメータークラスターに集中させたデザインが秀逸。

 エンジンはいすゞのフラッグシップにふさわしく、2リッター直列4気筒DOHCが設定され最高出力135馬力(グロス)を発揮。後に2リッターターボも追加されました。

 そして、1985年にはオペル車を得意とする、ドイツのチューナーであるイルムシャーが監修した「ピアッツァ イルムシャー」を発売し、ヨーロピアンなイメージが受けてスマッシュヒットを記録。

 さらに次の一手として、当時いすゞと同じくGMの傘下だったロータスと提携して、足まわりを中心にチューニングをおこなった「ピアッツア ハンドリングバイロータス」を発売すると人気がさらに加速しました。

 ハンドリングバイロータスはほかにもMOMO製ステアリングやBBS製ホイールなど海外ブランドのパーツが装着されるなど、当時、クルマ好きには憧れの逸品が惜しげもなく使われたのも、人気の理由といえます。

 しかし、ピアッツァは1991年に3代目「ジェミニ」をベースにしたFF車となり、初代ピアッツァが最後のFRスポーツカーとなりました。

 なお、2代目ピアッツァも1994年には生産を終了し、同時にいすゞはSUVを除く乗用車生産から撤退しました。

※ ※ ※

 FR車の醍醐味というと優れたハンドリングだけでなく、アクセルでの車体のコントロール性にあるのではないでしょうか。

 これは「アクセルで曲がる」と表現され、FFや4WDでも当てはまりますが、やはりFRでリアタイヤがきれいにコントロールできた際の気持ち良さは別格です。

 ただし、当然ながらドライバーの腕が必要なことと、サーキットなど公道以外で楽しむのはいうまでもありません。

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