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王者ノルベルト・キスが開幕“グランドスラム”を再演。連続ポールから4戦4勝を継続/ETRC第2戦

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王者ノルベルト・キスが開幕“グランドスラム”を再演。連続ポールから4戦4勝を継続/ETRC第2戦

 スロバキアリンクで6月8日~9日に開催されたETRCヨーロピアン・トラック・レーシング・チャンピオンシップ第2戦は、王者ノルベルト・キス(レベス・レーシング/マン)が開幕から2戦連続で歴史的偉業を達成。2006年以来、たったふたりのドライバーによりわずか5回しか記録されていない週末“グランドスラム”を継続し、土日両日の予選最速から週末4ヒート完全制覇を決めている。

 シリーズ6冠の“帝王”ヨッヘン・ハーン(チーム・ハーン・レーシング/イベコ)が、この驚くべき偉業を2011年のイタリア・ミサノで達成して以来、シリーズでの“グランドスラム”は合計5回に留まる難攻不落のリザルトとなってきた。

王者ノルベルト・キスが圧巻のパーフェクト発進。両日ポールから4戦4勝の完全制覇/ETRC開幕戦

 翌2012年のトルコ・イスタンブールで自身2度目のパーフェクトを記録したハーンに続き、2015年のレッドブルリンクでは当時の新鋭キスが帝王学を継承。その後もETRCのトラックに対する技術的理解度と、厳しい競争の双方をマスターする能力を示したハンガリーの新星は、長らく期間を空けた2023年。スロバキアリンクで自身2度目のグランドスラムを達成する。

 ハーンに続き複数回の偉業を記録するドライバーとなったキスは、今季2024年の開幕戦で圧倒的な支配力を披露。以前は計時予選とスーパーポールで雌雄を決していたグリッド争奪戦が、分割された3セッション方式へと変更されるなか、昨季から継続する“年間予選全セッション制覇”の偉業を引き継ぐとともに、ETRC史上最高のドライバーとしての地位をさらに確固たるものにした。

 迎えたスロバキアリンクの土曜は、新たなトリプル予選形式が早速修正され、序盤のQ1とQ2が統合。この25分間でグリッドの7番手から12番手までが確定することに。そのQ1/Q2セッションをリードしたのはハーンで、わずかコンマ1秒差の暫定ポール獲得でキスにとっての脅威が高まる展開となる。

 しかしわずか5分のQ3最終決戦ではキスが0.165秒差で定位置を奪い返し、苦戦の末に連続ポールポジション獲得記録を維持してみせた。

■リバースグリッドのレース2でもキスが猛スパート
 続くレース1でもハーンに対してポールポジションのアドバンテージを保ったキスは、その後も完璧なレースを展開してライバルより7秒早くチェッカー。そして連勝の難しいリバースグリッド採用のレース2でも、前戦7位からフロントロウ発進を決めたシュテフィ・ハルム(チーム・シュバーベントラック/イベコ)が隊列を率いるなか、後方8番手スタートのキスが猛スパートを決め、2周目の終わりまでに4番手へと駆け上がる。

 すぐさまパスしたサッシャ・レンツ(SLトラックスポーツ30/マン)を引き連れ、首位ハルムに迫ったキスに対し、彼女も数周チャンピオンの攻撃を食い止めることができたが、インサイドへ飛び込まれた瞬間に万事休す。早くも週末の勝利数を“2”として夜を越した。

 明けた日曜もレベス・レーシングが走らせる真紅のマンの勢いは衰えず。各セクター最速でポールを奪ったキスは、典型的なスタイルとなったレース3でもハーンとレンツを従えて盤石の“ライト・トゥ・フラッグ”を達成。最終ヒートでは、前日同様レース3の7位からリバースグリッド最前列発進を決めたハルムに対し、スタート直後のターン1で3ポジションアップの離れ技を演じたキスは、アントニオ・アルバセテ(Tスポーツ・ベルナウ/マン)もねじ伏せオープニングラップの終わりまでに4番手へと浮上していく。

 ここからハルムを含む上位集団は徹底したディフェンスラインで王者の行手を遮ろうと試行錯誤の策を繰り出すものの、前日レース2と同様の動きでインサイドからマーク・テイラー(テイラーズ・トラックスポーツ・レーシング/マン)を仕留めた瞬間、週末で4度目の総合優勝と2戦連続の“グランドスラム”成立となった。

 破竹の快進撃を続けるディフェンディングチャンピオンの勢いはどこまで続くのか。続くFIA ETRCの2024年シーズン第3戦は、6月22日~23日にベルギーのゾルダーで争われる。

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