初めてのキャンプで新車のSUV購入は愚の骨頂
アウトドア初心者が、キャンプなどに出かけるのをきっかけに、今乗っているセダンやハッチバック車をアウトドアにぴったりなSUVに買い替える、または初めてのクルマを買う……ということはよくある話。しかし、初心者だからこそ(※運転初心者を含む)、新車でビシッとキメるのは無謀というもの。
「日本車ってやっぱりスゲー」の感動が味わえる「小さい」のに「荷室大容量」なクルマ6選
たとえ予算があったとしても、アウトドア初心者ならではの不慣れから、クルマの車内外をキズつけたり、汚すこともあるからだ。新車でそれじゃあ、ガッカリである。メルカリのテレビCMじゃないけれど、「新品でなくてもいいんじゃない!」である。つまり、クルマで言えば中古車。それも、アウトドアでガンガン使い、多少のキズがついても、汚しても気にならない、一世代前のSUVで十分と言える。ここでは気軽に手に入れられ、男臭さもあって60万円以下で買える中古車を取り上げることにする。
キャンプで便利なミドルクラスSUVが選び放題
そこでまず紹介したい一世代前のSUVのなかで、今でも決して古さを感じさせないモデルがトヨタ・ヴァンガードである。2007年から2013年まで販売された、海外向けRAV4をベースにしたアクティブ&ラグジュアリーなクロスオーバーモデルだ。3列シートの7人乗りと2列シートの5人乗りを揃え、パワーユニットは2.4L 直4と3.5L V6があった。
当時のライバルは初代三菱アウトランダー、2代目日産エクストレイルなどだ。最大のお薦め理由は扱いやすいボディサイズ。全幅1815~1855mmはともかく、全長が4570mmと意外なほど短く、しかもクロスオーバーモデルだけに着座位置が高いため、運転のしやすさは文句なしなのである。
走破性についても、最低地上高190mmを確保しているから、本格SUV、クロスカントリーモデルほどではないにしても、悪路や雪道でも安心である。もちろん、お薦めは2列シートの5人乗り。理由はラゲッジルームの使い勝手で3列シートを上まわるからだ。60万円程度で買える中古車としては2009年~2011年モデルとなる。当時のアッパークラスのモデルだけに、装備も充実している。
上級モデルや本格派4WD搭載車も格安で狙える
さらに安いモデルがいい、というなら、2000年に初代ハリアーをベースに発売されたトヨタ・クルーガーがある。中古車の平均価格は50万円程度で、しかし3.0L V6モデルが手に入ったりするから(2.4L直4もあった)なかなかだ。こちらも当初は2列シート5人乗りのみだったのだが、途中で3列シートを追加。その後、上記のヴァンガードにバトンタッチされたトヨタの上級クロスオーバーモデルである。ただ、さすがに10万kmオーバーの走行車が中心だから、しっかりとメンテナンスされてきたクルマを選ばないと、あとで苦労するかもしれない。
もちろん、アウトドアの定番車種と言える三菱アウトランダーも、2005年から2012年まで販売されていた初代モデルの中古車なら60万円以下でも余裕で手に入る。年式的には2009年モデルが上限になってしまうが、当時としては走破性ピカイチの本格派SUVである。走り/走破性/居住性/ラゲッジルームの使い勝手など、古臭さはあってもそれなりに満足できると思える。
中古市場で流通数が多い2代目エクストレイルは万能性に優れる
中古車の流通台数の多さで言えば、2007年から2015年まで発売されていた2代目日産エクストレイルが候補に挙がる。アウトドアやSURF&SNOWのスポーツに特化した室内、ラゲッジルームの使い勝手などの各仕様は、今も昔もエクストレイルの得意とするところ。
防水シート、防汚ラゲッジルームは全グレードに標準装備され、ガンガン使える国産SUVの代表格。オールモード4×4の走破性能も高く、全天候、オールロードで安心・安全である。60万円以下で探しても、古すぎない2011年モデルあたりが狙えるのもうれしいポイントだ。
ソロ&カップルでのキャンプ想定ならコンパクトSUVもアリ
トヨタ・ヴァンガード&クルーガー、三菱アウトランダー、日産エクストレイルは4~5人乗車であっても、余裕あるラゲッジルームの持ち主。家族でのアウトドアにもぴったりだが、自分はソロ、またはカップルでのアウトドアを楽しむ。というなら、そこまでのサイズは必要ないとも言える(大は小を兼ねるのだが)。
そこでもっとコンパクトな、しかし走破性にこだわったクロスオーバーモデルとして、2006年から2017年までの長い期間発売されていた、トヨタ・ラッシュ&ダイハツ・ヴィーゴの兄弟車を取り上げたい。じつは、今バカ売れのトヨタ・ライズ、ダイハツ・ロッキーの先輩に当たる車種であり、当時としても珍しい縦置きエンジンのFR/2WDというレイアウトだった。エンジンは1.5L。トランスミッションは4速ATだけでなく5速MTもあり、けっこう5速MT車の人気が高かったと記憶している。
ボディサイズは全長3995×全幅1695×全高1690~1705mm。ホイールベース2580mmとコンパクトで、運転感覚はけっこうワイルドながら、今日のアウトドアでも立派に通用する本格キャラクターの持ち主なのである。2名乗車用と断ったのは、さすがにこの全長、ホイールベースだから、後席を使うとラゲッジスペースはギリギリの広さ。ゆえにアウトドアユースの場合は後席を物置きとして使う、あるいは後席を格納してラゲッジスペースを拡大して容量を稼ぐ、という使い方になるからだ。
中古車価格60万円以下で探すと2009年型が中心となり、13年を経過しているため税金面では不利になるものの、そもそも1495ccのエンジンでそれほど高くないから、あまり心配しなくていいだろう。機動力という意味では、今でもなかなかのパフォーマンスを発揮してくれる小さくても頼りがいある1台である。ちなみにダイハツ版のヴィーゴは今、中古車としてほとんど流通していない。かなりレアな存在になっている。
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「2AZ-FE」で調べれは何故ダメなのかすぐわかる。