■ホンダの三部敏宏社長は四輪電動化を中心とした同社の取り組みについての説明会でホンダのEV戦略を担う「Honda 0シリーズ」について説明しました。
ホンダは、四輪電動化を中心とした同社の取り組みについて「2024 ビジネスアップデート」という説明会を2024年5月16日に開催しました。
そのなかで、2026年に発売が予定される0シリーズの「SALOON(サルーン)」の魅力が明かされています。
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今回の「2024 ビジネスアップデート」にて、三部敏宏社長は四輪電動化を中心とした取り組みについて以下のように語っています。
「二輪・四輪などの小型モビリティについては、EVが最も有効なソリューションであるという考え方は変わらず、長期的視点で見ればEVシフトは着実に進んでいくと確信しています。
足元の状況変化に捉われ過ぎることなく、2020年代後半以降に訪れるEV普及期を見据えた中長期的な視野で、強いEVブランド、事業基盤の構築が必要です」
この強いEVブランドというのが、2024年1月の「CES」で発表されたホンダのEV戦略を担う「Honda 0シリーズ」です。
この際、「SALOON(サルーン)」「SPACE-HUB(スペース ハブ)」という2台のコンセプトモデルをお披露目。
またフラッグシップモデルとなるSALOONは、お披露目されたコンセプトにかなり近い形で2026年に導入されると言います。
さらに今回の「2024 ビジネスアップデート」では、今後のHonda 0シリーズラインナップも以下のように明かされました。
ーーー
●2026年
・サルーン
・中型SUV
・エントリーSUV
●2027年
・3列大型SUV
●2028年
・コンパクトSUV
●2029年
・スモールSUV
●2030年
・コンパクトセダン
ーーー
まず2026年の北米導入を皮切りにグローバルで7モデルを展開していくとしています。
このHonda 0シリーズは新たなEV開発アプローチとして「Thin, Light, and Wise.(薄く、軽く、賢く)」を提唱しています。
“Thin”(薄く)では、ホンダが大切にしてきた「M・M(マン・マキシマム、メカ・ミニマム)思想」をEV時代に具現化する、走りにも居住性にも優れる空間価値の提供を目指すとしています。
具体的には、新採用の中大型EV専用プラットフォームと、進化したパワーユニットにより、EVでは他に類をみない低全高のスタイルと、ショートオーバーハングなパッケージを実現。
さらに新開発の小型e-Axleやトップクラスの超薄型バッテリーパックの採用によりモータールームやフロアを薄型化。
部品レイアウトの最適化や部品点数の削減に加え、ホンダ独自の衝突コントロール技術や、デザインと機能性を兼ね備えたボディー骨格など、長年のクルマづくりで培った技術も投入することで、低全高のスタイルと広く快適なキャビンを両立させるとしています。
また、直感的な認知を促すユーザーインターフェースや、爽快な視界など、運転がさらに楽しくなる室内空間を目指すとも。
“Light”(軽く)の部分では、ホンダのクルマづくりのこだわりである「操る喜び」を提供する、軽快な走りを追求。
具体的には、ボディー骨格の軽量化に加えてF1やハイブリッドの開発で培った技術で軽量・薄型化した新型パワーユニットを採用することで従来比約100kgの軽量化を実現します。
さらにバッテリーやパワーユニットなどの重量物を低く、車体中心に配置し低重心化することで、クルマの挙動が安定し、キビキビとした軽快な走りを創出。ドライバーが思い通りコントロールできる技術としてロボティクス技術で培った姿勢制御によるモーションマネジメントシステムがさらに進化させていくようです。
こうした要素に加えて、ホンダがモータースポーツで培った高効率なパワーユニットと高い空力技術の組み合わせ軽快な走りと世界トップクラスの電費性能を両立させ、モデルで300マイル以上(約482km)という充分な航続距離の実現を目指すとしています。
なお EVの普及において課題となる「充電時間」や「バッテリー劣化」への不安に対して、20年代後半に投入するHonda 0シリーズモデルでは、15%-80%急速充電時間を10分から15分程度に短縮。
100万台を超えるリチウムイオン電池搭載車の膨大な走行データをベースに培ったバッテリーシステム制御技術により、使用開始から10年後のバッテリー劣化率は10%以下を目指すとしています。
“Wise”(賢く)では、ホンダ独自のビークルOSを搭載し、コネクテッド技術の進化と合わせて、それぞれのユーザーに最適化したデジタルUXを提供。
OTA(Over The Air)により継続的にアップデートしていくことで、ホンダらしい魅力的な商品に進化していくようです。
さらに基盤となるE&Eアーキテクチャーや、その上部レイヤーであるビークルOS、その上に乗るアプリケーションを独自開発。
搭載されるSoC(System on Chip)半導体についても、自動化・知能化の進化に不可欠なAIを搭載しながら消費電力を抑制するなどホンダ独自のカスタマイズを実施していくとしています。
なお2020年代後半に投入するモデルでは、個々にクルマのシステムを制御する複数のECUを、コアECUに集約し、クルマ1台分の頭脳が一つになるセントラルアーキテクチャー型を採用する予定です。
またAD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)は、クルマに乗っている時だけではなく、乗車から降車までシームレスな移動体験を提供することを目指すとしています。
センシングやAIなどの知能化技術を用いることでより人の感性に近いシステムへと進化させていくようです。
運転支援技術については、ホンダが実用化した自動運転レベル3技術を活用し、高速道路での対応車速域、一般道での自動化支援の対応範囲のそれぞれを拡大していくとしています。
※ ※ ※
現在多くのホンダ車に採用される「Hマーク」は1981年に改定されて以降、歴史を重ねてきましたが、今回次世代のEVを新たに開発するにあたりデザインを刷新します。
このデザインには「新たなデザインすることで、変革への思いを示すとともに、原点を超え、挑戦と進化を絶えず追い求めるホンダの企業姿勢」を表現したと言います。
今後登場するHonda 0シリーズがどのようなカタチで登場するのか、激化する世界のEVトレンドに対してどのように戦っていくのか、また同様にEVを展開していくソニー・ホンダ・モビリティとどう差別化していくのか、世間は注目しています。
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