フォルクスワーゲンの「ポロGTI」に台数限定で設定された、特別な「Edition 25」は刺激的な1台だった! 今尾直樹がリポートする。
クラスレスな魅力
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2023年にドイツ本国で発表されたポロGTIの25周年モデル、その名もEdition 25がニッポン上陸を果たした。現行ポロGTIをベースに仕立てた、世界限定2500台、日本への割り当ては227台ポッキリの、1998年に誕生した初代から数えて25周年を祝うスペシャルなモデルである。
Edition 25の見どころは専用デザインのデカールとプレート、それにブラックに赤の差し色が鮮烈な印象を与えるレザーの内装で、さらに通常はオプションのインフォテインメントシステム“Discover Pro”と、可変ダンパーを含む電子制御の足まわり、18インチのアルミホイールのパッケージオプションの“Sport Select”を標準装着している。それでもって車両価格は486万5000円。現行ポロGTIで同様の仕様を選ぶと500万円超になるから、間違いなくお買い得でもある。
しかも、ここからが大事。筆者は2022年秋に国内に登場した現行ポロGTIの試乗自体が初めてだったのですけれど、これぞホットハッチ! 近頃、高級・高性能になりすぎた「ゴルフGTI」よりもゴルフGTIらしい! と欣喜雀躍した。
ちなみに初代ポロGTIのベースとなった第3世代のポロのホイールベースは2410mmで、初代ゴルフGTIの同2400mmとほぼおなじだった。現行第6世代のポロのホイールベースは2550mmに成長しているものの、それでもゴルフVIIIのそれより70mm短い。サイズといい、性能といい、演出といい、初心者からベテラン、好事家まで、初代ゴルフGTI同様のクラスレスな魅力を持っている。と、筆者は思う。
やっぱりいいなぁ……ということで実車検分に移る。正式発表前から用意されていた広報車は“アスコットグレー”という明るいグレーのボディ色をまとう。ポロGTI初のボディ色だそうだけれど、ちょっとマットっぽいところが落ち着きを感じさせる。対照的にフロントの赤いラインとGTIのバッジが剽悍なムードを醸し出す。この赤いラインとGTIのバッジは、初代ゴルフGTIから続くフォルクスワーゲンのGTIのアイコンといえる。
外観ではボディのサイドの下のほうにハニカム型の意匠のデカールと数字の25が目をひく。ブラックの18インチのホイールと、渦巻き型のスポークからチラリと見えるブレーキの赤いキャリパー、215/40R18の極太扁平サイズのタイヤからなる足もともまた只者ではない感を漂わせる。
フロントのドアを開けるとサイドシルに“ONE OF 2500“とあって、これが限定モデルであることを訴えている。25という数字は若いひとにとってのほうが印象的かもしれない。筆者も子どもの頃、25年後なんて想像もできないはるか未来のことだった……。
前述したように、レザーのシートはブラックが基本で、そこに赤のアクセントが入っている。赤と黒。絵に描いたようなスポーティさである。7速DSGのシフトレバーは最近のスイッチ式ではなくて、昔ながらのいわゆるシフトレバーで、クラシックな趣きを感じさせる。そのレバーの近くの丸いスターターのボタンを押す。すると、ガソリン・エンジン特有のヴァフォンッ! という爆裂音を発して、2.0リッターの直4直噴ターボが目を覚ます。
内径×行程=84.0×90.0mmのロング・ストローク型で、ターボなのに12.2の高圧縮の1984cc直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボは、最高出力207ps/4600~6000rpmと最大トルク320Nm/1500~4500rpmを生み出す。アイドリング時でも排気音をボーボー轟かせ、いかにも高性能エンジンであることを主張する。内燃機関は温暖化の元凶。であるとしても、やっぱりいいなぁ……と、筆者なんぞは思っちゃう。
乗り心地はちょっとコツコツする。15mmローダウンした専用サスペンションは硬質で、引き締まっている。でも、可変ダンピングっぽいストローク感があって、不快感はゼロ。とってもよい。靴底は硬くてかっちりしている。だけど、クッションが効いていて直接的なショックは伝えない。そういう感じ。精度が高くて、かっちりしたつくりの高剛性ボディ。というのはフォルクスワーゲンの伝統であると同時に、ドイツの工業製品の伝統でもある。
クラシックの雰囲気さえ漂うエコ、ノーマル、スポーツとある、いわゆるドライブ・モードをスポーツに切り替えると、乗り心地が引き締まる。ノーマルでも引き締まっているので、じつはあまり違いがわからない。
それより印象的なのはエンジンである。7速のデュアルクラッチ式トランスミッション、フォルクスワーゲンでいうところのDSGがギアを1段下げて回転数を1000rpmほど上げて、活発なエンジンをより活発な態度に改める。減速時のダウンシフトにはブリッピングが自動的に入って元気ハツラツ、威勢がよくなる。
今回は都内限定、街乗りのみの試乗だったけれど、とりわけ強調しておきたいのはフツウに走っていても軽快感があることだ。それはたぶん、車重が1310kgにとどまっているからで、これはたとえば現行ゴルフGTIの1430kgより120kgも軽い。つまり、実際の軽さが運転感覚に軽さをもたらしているのである。
そのボディを、207psと320Nmの2.0リッター直噴ターボが、0~100km/h加速6.5秒の加速性能を与えている。ポルシェの「マカン」が2.0リッター直4ターボ、265psで、0~100km/hが6.4秒だから、それよりはちょっと遅いものの、速すぎないこともまたポロGTIの魅力だ。遠慮なくアクセルを全開にできる。それもスポーツカーの魅力だから、である。
というわけで、Edition 25を含むポロGTIは、初恋にも老いらくの恋の対象にも好適だと筆者は思う。いまやもうクラシックの雰囲気さえ漂う。
ホットハッチの太鼓判です。
文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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