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どうせなら新車のようにしたい! いすゞマニアが考える現代流ピアッツァの乗り方に痺れた!

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どうせなら新車のようにしたい! いすゞマニアが考える現代流ピアッツァの乗り方に痺れた!

今では乗用車生産から撤退してしまったいすゞ自動車だから、若い世代だとトラック・バスの専業メーカーと思われている人がいるかもしれない。実はいすゞは1993年まで自社で乗用車を生産しており、その後もSUVのほかホンダからのOEM供給を受けて乗用車の販売を続けてきた歴史がある。いすゞの乗用車生産はヒルマン・ミンクス時代を除けば31年以上続いた歴史があり、その中でも特筆すべき存在の一つがピアッツァだ。名車いすゞ117クーペの後継モデルとして開発され、1979年のジュネーブショーにジウジアーロがデザインした「アッソ・デ・フィオーリ」が出品された。このデザインを継承して1981年に発売されたのがピアッツァで、ショーカーと変わらぬスタイルを実現したことが世界中から評価された。当初は国内でドアミラーが認可されなかったためフェンダーミラー仕様だったものの、1983年に認可されたことを受け本来の姿にされた。その後、1991年まで10年間も作り続けられたことでわかるよう、先進的なスタイルは全く色褪せることがなかった。

ジウジアーロがデザインした流麗なスタイリング。発売時から魅力的だったピアッツァは1983年のドアミラー採用時のほか1984年にマイナーチェンジを受けるが、長きにわたりスタイルに大きな変更はなかった。だが、搭載されるエンジンには変遷があり当初はジェミニ用を1.9リッターに拡大した4気筒DOHCを採用したが、1984年にはアスカ用2リッターをベースにインタークーラーターボを採用してグロス表記180psを発生するターボモデルを追加。2種のエンジンラインナップだったものの、これは後にターボ仕様のみとされ1987年からは出力表記をネット値150psへ変更している。またピアッツァにはヤナセ向けのピアッツァ・ネロやドイツのチューナーが足回りの変更や装備の充実を図ったイルムシャーなどが追加された。そして1988年、ジェミニへ一足先に設定されたハンドリング バイロータスがピアッツァにも追加されることとなる。

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ヘッドライト点灯時はライトカバーが跳ね上がる。当時いすゞは長くGMとの提携関係が続いていた時期であり、同時にGMと提携関係にあったイギリス・ロータス社が足回りのセッティングを行ったのがハンドリング バイロータスだった。イルムシャーにはレカロ製が装備されたフロントシートには独自に開発した専用シートが与られ、フルホイールカバーだったイルムシャーに対してハンドリング バイロータスにはBBS製アルミホイールが採用された。同グレードはヤナセ仕様のネロにも設定された。ちなみにネロは1984年以降、角形4灯式ヘッドライトが与えられたことがいすゞ版との外観上での識別点になる。

純正のBBSアルミホイールを履く。ハンドリング バイロータス専用エンブレム。テールランプ脇にもフロントフェンダーと同じエンブレム。最終年の直前である1990年にはハンドリング バイロータスにリミテッドが追加された。外観は通常モデルと変わらずデカールが追加されただけだが、内装には部分皮革シートが与えられたことが特徴。今となっては非常にレアなグレードだが、8月21日に行われた東京旧車会に同グレードが現れた。しかも遠目に見ても抜群に程度が良いとわかるくらい輝いている。東京旧車会はいすゞ車を専門に扱うイスズスポーツで結成された東京GT倶楽部が主催するため、毎回多くのいすゞ車が参加する。とはいえ、これだけ程度の良いピアッツァはそうそう見られるものではない。早速そばにいたオーナーにお話を聞くこととした。

小型扇風機を追加しただけでノーマルのインテリア。走行距離は驚きの5万キロ台!オーナーは59歳になる渡辺浩二さんで、聞けばピアッツァのほかにベレット1600GTRや117クーペXEも所有するいすゞマニアだった。さらにホンダS800やDR30スカイラインなどもお持ちの旧車好きとのことで、年代を問わず古いクルマが大好きな方。それだけにこだわりがあるのだろうとピアッツァについて質問すると、やはりイスズスポーツで購入されたとのこと。購入の決めては走行距離で、なんといまだに5万キロ台でしかない驚きの状態。そのためエンジンやミッションに問題はなかったものの、内外装が年式なりにくたびれていた。そこでイスズスポーツに内外装をすべて手直ししてもらってから納車されることにしたそうだ。

ダッシュにつくウッドパネルはリペアされた。張り替えられたシート。運転席にはヤレ防止のためマットを敷く。外装は全塗装することになったが、困るのがエンブレムやデカール。エンブレムは形が残っていれば修復することも可能だが、デカールは一度剥がしたら二度と使えない。ところがいすゞから部品供給があるわけもなく、全塗装するとデカールがなくなってしまうことも多い。そこで渡辺さんがどうしたかといえば、すべてのデカールをデータ化して複製することとしたのだ。今では旧車、特に80年代車を中心に広く一般化した手法で、人気車種ならインターネットを中心に複製されたものが販売されているケースもある。だがピアッツァにそのような例はなく、自ら製作することを決めイスズスポーツに依頼したのだ。同時に内装は前後シートだけでなくドアライナーやダッシュボードなどすべてを張り替えてある。全塗装とデカールの複製を決めた段階で「どうせなら全部やろう」と決めたそうなのだ。生産終了から30年が経つものの、いまだに色褪せないスタイリングであるピアッツァらしく、新車のような輝きで乗りたいとの思い。予算的にも大変な金額になるだろうが、専門店のイスズスポーツでもこれだけの作業を行うため契約から納車まで1年半を要したという。

エンジンはオーバーホール不要だった。走行距離が伸びていないためオーバーホールする必要のなかったエンジンだが、新車のようになった内外装に合わせて剥がれがちな結晶塗装部分を新たに塗り直している。これだけキレイな外装なのにボンネットを開けたら・・・ということがないよう徹底して程度の良さにこだわったのだ。1年半待っただけの甲斐あり抜群のピアッツァができあがったわけだが、これでエンジンのオーバーホールが必要だった場合、さらに納期に時間がかかったことは言うまでもない。オーナーの心意気と同時にイスズスポーツの技術力に脱帽といった出会いだった。

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みんなのコメント

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  • 80年代、いろんなメーカーからいろんな車種が出されて車好きには楽しい時代でした。
    景気も良く、車の価格も普通のサラリーマンでも頑張れば手の届く価格で、若者でもローンを組んで良い車を買えた時代でした。
    この先、あんな時代は来る事は無いのかと寂しく思います。
  • コクピットは特徴のある車だった
    また乗りたいなぁ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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