ユルユルに伸びて外れたら一大事!
近年のバイクのチェーンはとても丈夫に作られています。多少メンテナンスを怠っても切れてしまうようなトラブルは滅多にありません。とはいえ、大排気量車なら100馬力以上のパワー(スーパースポーツ車なら200馬力超え)を後輪に伝えており、アクセルを戻した時にはエンジンブレーキが効くため、逆方向にも大きな力が加わります。
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そのためチェーンは、ほんの少しずつですが徐々に伸びていきます。もし長い期間、張り具合のチェックをしなかったらどうなるでしょう?
加減速のたびにたるんだチェーンがガシャガシャと音を立て、スイングアームやフレームなどに接触して傷をつけたり、当然ながら加減速時のショックも大きくなります。そして最悪の場合はスプロケットからチェーンが外れてしまうこともあります。もちろん走れなくなるし、ともすれば外れたチェーンが絡まって後輪がロックしてしまうこともあり、走行中なら転倒する危険もあります。
チェーンが“縮む”こともある!?
メンテナンスを怠ると、チェーンが伸びて張りがユルくなることは、なんとなくイメージできると思います。それでは張りがキツくなり過ぎたらどうなるでしょうか?
……と言われても、チェーン交換やタイヤ交換時などに張り過ぎていなければ、チェーンが自然に“縮む”ことなどあり得ないように感じます。が、じつは気付かないうちにチェーンの張りがキツくなることがあるのです。
それはメンテナンス不足(清掃や潤滑)や劣化によって、チェーンが錆びたり泥が詰まることでピンの部分が固着してスムーズに動かなくなり、チェーンが真っ直ぐに伸びなくなるからです(専門的にはこの症状を「キンク」と呼ぶ)。すると結果的にその部分の長さが短くなるため、張りがキツくなってしまいます。
そしてチェーンが張り過ぎていると、リアサスペンションの動きが悪くなります。スポーツバイクの多くは、アクセルを開けた時に後輪を路面に押し付けるように、リアサスペンションが伸びる方向に動くよう設計されています。この構造により、カーブを立ち上がる時にアクセルを開けると、後輪がしっかりグリップして安定して加速することができます。
概念図を見ると解りますが、サスペンションが縮むときにエンジン側と後輪側のスプロケット軸の間隔が広がります。というコトは、その変化に対応するだけのチェーンの張りの緩さ=「アソビ」が必要になります。
そのためチェーンが張り過ぎているとサスペンションがスムーズに縮むことができなくなってしまいます。そうなると路面の凹凸を吸収できず、スリップしやすくなって非常に危険です。
したがって、チェーンは緩み過ぎていても、張り過ぎていても良い状態とは言えず、適正な張り具合を保つ必要があるのです。
張りのチェックは、意外と簡単
チェーンの張り具合のチェックは難しくありません。ギアをニュートラルに入れてサイドスタンドでバイクを立てた状態でチェーンを指で押し上げ、どれくらいチェーンにたるみがあるかを見ればOKです。
適正な張り具合(たるみの量)は車両によって異なりますが、多くの場合はスイングアームやチェーンカバーに貼られたステッカーに表記されています(車種ごとのハンドブックにも記載アリ)。
指で押し上げるのは、エンジン側のスプロケット軸(カバーで隠れているので大体でOK)と、後輪側のスプロケット軸の真ん中あたりです。そしてタイヤを回して40~50cmほど動かして、何カ所かチェックしてみましょう。
張り具合の調整は、バイクショップに依頼
チェックして緩かったり張り過ぎていたら「チェーンの張り調整」が必要になります。とはいえ、昔のバイクは車載工具で調整できる車両もありましたが、近年の、とくに大型車の場合だと、かなり大型のサイズの工具が必要なことや、車種専用の特殊工具が無いと調整できない場合も多々あります。
それに近年のバイクは車載工具がほとんど付属していない場合も多いので、工具やメンテナンス用品を揃える必要がある上に、張り調整の作業自体の難易度も相応に高いので、バイクショップに依頼するのが得策でしょう。
なのでユーザーは、チェーンの張り具合のチェックを行なうことが肝心です。快適かつ安全に乗るために、洗車の際などに合わせてチェックすることをオススメします。
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みんなのコメント
チェーンの張り調整は重要。
それ以上に清掃と潤滑も。
これは自分で簡単にできるしね。
腹もな!