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ルノー・アルカナ Eテック(1) 長期テスト 手頃なクロスオーバー・クーペ

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ルノー・アルカナ Eテック(1) 長期テスト 手頃なクロスオーバー・クーペ

比較的手頃なクロスオーバー・クーペ

自動車市場に新しいカテゴリーが誕生した瞬間は、意外と冷笑されることが多い。1990年代にスズキが投入した、X-90というモデルをご記憶だろうか。タルガトップの2シーターSUVだ。

<span>【画像】クロスオーバー・クーペ ルノー・アルカナ 兄弟モデルのキャプチャーと比較 全68枚</span>

残念ながら、そこからフォロワーが誕生することはなかった。しかしスポーティなルックスのSUVという考え方は、われわれの記憶に残ったようだ。

2007年、BMWはX6を投入する。少し不格好で、実用性は二の次のSUVという存在に戸惑う人も多くいたが、蓋を開けてみれば成功と呼べる支持を集めた。

クルマを選ぶ時、荷室の大きさは重要な尺度になるが、それだけではない。ルックスやイメージは、もっと大きな評価軸になることも多い。その結果、クロスオーバー・クーペは新たなトレンドを生み出した。特に上級ブランドの間で。

新しく長期テストに加わったルノー・アルカナは、これまでのモデルとは少し違う。まず、デザインが良い。筆者の感覚では、過去最もスタイリッシュなクロスオーバー・クーペだと思う。

さらに値段も手頃と呼べる範囲にある。英国価格は2万5300ポンド(約384万円)からで、この分野を得意としてきたプレミアム・ブランドのモデルとは、明らかに価格帯が異なる。

アルカナはルノーとしては初めて、全モデルがハイブリッド化されていることも特色。エントリーグレードでも、電圧48Vの(スターター・ジェネレーター)ISGを搭載したマイルド・ハイブリッドになる。

SUVは燃費が悪い、というイメージ向上にもつながるだろう。

1.6L自然吸気4気筒+電気モーター

今回長期テストにやってきたアルカナは、Eテック145と呼ばれる仕様。48psの駆動用モーターとISG、1.2kWhの駆動用バッテリーが組み合わされた、より本気度の高いハイブリッドだ。

このアルカナなら、駆動用バッテリーの充電量が充分あれば、市街地など穏やかな環境を電気モーターだけで走行できる。ただし、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のように、長くは走れない。

アルカナの荷室フロアの下には、より大きな駆動用バッテリーを載せられそうな空間がある。ルノーはもう一手、打ってくるのではないだろうか。

電気モーターとペアを組むのが、1.6L自然吸気4気筒ガソリンエンジン。最高出力は94psを発揮する。駆動用モーターとともに知的な4速ATに結合され、フロントタイヤを駆動し、エンジンで駆動用バッテリーの充電も可能としている。

高度なシステムだが、EVモードで市街地を流していて充電量が足りなくなると、エンジンが突然始動。高回転で働き始め、平穏な走りを不意にそがれる。エンジンの力が伝わるまでに一瞬のためや、クラッチが滑るような印象も感じられるようだ。

その短い時間を除けば、システムはシームレスに機能するといえる。ダッシュボードにはバッテリーの充電量を表示でき、効率的な運転を支援。下り坂ではシフトセレクターをBに倒すことで、回生ブレーキを強く効かせることもできる。

後席空間は充分 荷室容量は小さめ

ルノー・アルカナがベースとしているのは、中型SUVのカジャーより小さなキャプチャー。ヘッドライトなどの造形が似ていることで、わかるかもしれない。

全長は4568mmあるが、1821mmとやや狭めの全幅とドライビングポジションから、運転すると見た目よりひと回り小さなクルマという印象を受ける。だが、ホイールベースはキャプチャーから伸ばされ、車内空間は明らかに大きい。

ルーフラインはテールに向けてなだらかに傾斜しているものの、リアシート側の頭上空間も充分。実際は後席の頭上辺りまで、ルーフはフラットに伸びている。

リアシート側にも独立したエアコンの送風口が付いており、子どもたちも快適に過ごせるだろう。色が変わるアンビエントライトはオシャレだが、リアドア側まで伸びていないのが残念。

荷室は広大とは呼べないにしろ、形状は実用的だし、充分な容量はあるといえる。ただし、長期テスト車の場合はオプションのスペアタイヤが装備され、フロアが持ち上がっている。ルーフラインと相まって、ステーションワゴン級の容量はない。

実際にどれだけの荷物を載せるかどうかで、実用性の感じ方は変わりそうだ。アルカナのクーペ風スタイリングにハマるのか、通常のワゴンボディのクロスオーバーに心が動くのか、今後数ヶ月で確かめてみたい。

セカンド・オピニオン

わたしはルノー・アルカナの見た目が好きだ。最初は少し驚いたけれど。インテリアは、ダッシュボードやドアパネルなどの処理が好印象。

ただし膝より下側には、硬質なプラスティック製の部品もふんだんに使われている。パッケージングは優秀とまではいえず、荷室容量の小ささは残念なポイントの1つだと思う。 Will Williams(ウィル・ウイリアムズ)

テストデータ

テスト車について

モデル名:ルノー・アルカナ Eテック・ハイブリッド145 Sエディション(英国仕様)
新車価格:2万8600ポンド(約434万円)
テスト車の価格:2万9800ポンド(約452万円)

オプション

ザンジバル・ブルー・メタリック塗装:650ポンド(9万8000円)
ブラックルーフ:300ポンド(4万5000円)
スペースセイバー・スペアタイヤ:250ポンド(3万8000円)

テストの記録

燃費:20.9km/L(WLTP値)
故障:なし
出費:なし

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みんなのコメント

2件
  • 少しはカルロスゴーソ顔から脱却が始まったみたいだが、まだまだゴーソ臭がする
  • これでタイ製を押し付けられた
    日本の日産車がどれだけ遅れてるのか
    分かったでしょ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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