現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダ新型「コンパクトミニバン」登場! 新旧モデル乗り比べで分かった「4WDの進化」とは? 新型「フリード」雪上試乗してみた!

ここから本文です

ホンダ新型「コンパクトミニバン」登場! 新旧モデル乗り比べで分かった「4WDの進化」とは? 新型「フリード」雪上試乗してみた!

掲載 2
ホンダ新型「コンパクトミニバン」登場! 新旧モデル乗り比べで分かった「4WDの進化」とは? 新型「フリード」雪上試乗してみた!

■新型フリードの注目は「4WD性能」

「ホンダ」と「4WD」は昔から設定はありましたが、「レジェンド」や「NSX」に採用された独立モーター式の「スポーツハイブリッドSH-AWD」以外は、「積雪地域向けにとりあえず用意しました」と言ったシステムで、特に積極的なアピールはしていませんでした。
 
 しかし、2018年に登場した「CR-V」から方向転換を行ない、「ヴェゼル」、「ZR-V」などは4WDの存在を強くアピールしています。
 
 なぜ、今なのか? それは電動化パワートレインである「e:HEV」との組み合わせにより、今まで以上に強力な武器になったからでしょう。
 
 ここでは2024年6月28日発売されたばかりの新型フリードに搭載された、ホンダ“最新”の4WDについて紹介していきたいと思います。

【画像】「えっ…ドリフト!?」 これが新型「フリード」の実力です!(27枚)

 筆者(山本シンヤ)は同年2月、北海道にあるホンダ鷹栖プルーピンググラウンドで一足お先に試乗してきました。

 現在、ホンダが持つ4WDシステムは大きく2つあります。

 1つは軽自動車や「フィット」に搭載されるビスカスカップリング式4WD、もう1つが「フリード」をはじめ上のクラスまでカバーするリアルタイムAWDです。

 この2つの4WDシステムに共通するのは、プロペラシャフトを用いた“メカニカル”4WDである事です。

「電動化パワートレインなのに、なぜ?」と思う人もいるでしょう。

 ちなみにライバルの多くはプロペラシャフトを持たず、独立したリアモーターを搭載した「電動4WD」が主流となっています。

 実はホンダは仕方なくではなく、積極的にメカニカル4WDを選択しています。

 その理由は単純明快で、e:HEVとリアタイヤをプロペラシャフトで直結すると、高出力なモーターの駆動力を常に4輪に最適配分できるからです。

 加えて、電動4WDよりシンプルな構造にできるので、FFモデルとの重量差も最小限に抑えられると言う強みもあるのです。

 ちなみに新型フリードに搭載されるリアルタイムAWDはシステム的には先代と同じ、動力伝達機構に電子制御多版クラッチを採用したアクティブトルクスプリット式で、前後の駆動力配分はクラッチの締結力でコントロールします。

 ただし、従来モデルに対して後輪への駆動力を10%アップ。

 要するに、フロントタイヤへの依存度を減らす事で、より「曲がる4WD」を目指したわけです。

 加えて、この4WDをコントロールする頭脳を刷新。

 従来モデルではフロントの滑りを検知してリアに駆動を伝える「フィードバック制御」でしたが、新型ではフロントが滑る前から予測を行いながらリアに駆動を伝える「フィードフォワード制御」になっています。

 それに合わせて車両の状態をより詳しくセンシングすべく、従来のアクセル開度、車輪速、前後Gセンサーに加えて、ヨーレートセンサーとステアリング舵角センサーをプラス。

 その結果、ネーミングの通り「リアルタイム」に理想の前後駆動配分を可能にしています。

 更に内輪にブレーキを掛けヨー方向の動きを生み出し旋回をサポートするアジャイルハンドリングアシストやトラクションコントロールも統合制御し、車両挙動を総合的にコントロールしています。

■新旧比較で感じた「曲がり」の進化

 新型フリードの前に、従来型の4WDを確認します。

 もちろんFFよりは安心して走れますが、アンダーかと思ったらオーバーと挙動変化が大きく、VSAは常にピカピカ点灯。

 更に1モーターのスポーツハイブリッドi-DCDはアクセルを踏んでからのラグが大きい事もあり、駆動で曲がるのも難しく、他社のように「4WDで良かったね」と言う安心は感じられませんでした。

 続いて新型に乗り換えます。

 ちなみにFFモデルに対してリアルタイム4WDモデルの車高は15mmアップで、最低地上高は150mm。

 「日常+α」の使い方であれば十分なクリアランスでしょう。

 ノーマルモデルの「エアー」だとタイヤとフェンダーの隙間が気になりますが、アウトドアテイストがプラスされた「クロスター」は、むしろデザインのバランスは良いと感じました。

 同じコースを同じ速度、同じ操作を心がけて走らせてみて感じたのは、「スタッドレスタイヤ替えた?」と思うくらいグリップを感じる事、そして常に安定方向にクルマを導いてくれる事です。

 この辺りはフィードフォワード制御で駆動力配分をより緻密にコントロールできている証拠と言えます。

 リアの駆動力アップで余裕ができたフロントのグリップ感は、「曲がれるかも」ではなく「曲がれる」と思える安心感を生みます。

 そして、そこからアクセルONでリアを僅かに巻き込みながら旋回していく様は、まさに「駆動で曲がる」を実感できます。

 この辺りは「リアルタイムに四輪を駆動」が活きています。

 加えて、高応答かつトルクフルなのにスムーズなフィーリングのe:HEVとのマッチングも良く、意のままのコントロールが「誰でも」「楽に」「安心して」できました。

 ちなみに他社のように四駆を声高らかに主張せず、あくまでも黒子のようにそっと背中を押す制御なので、「グイグイ曲がる」ではなく「自然に曲がる」イメージです。

 そういう意味ではドラマチックではありませんが、ミニバンのキャラクターを考えれば正しいと思います。

 ただ、リアの駆動トルクをもう少し上げられると、「フリード・アブソルート」は夢じゃないかもしれません。

 更に雪道での不安要素の1つである登坂路での発進も試してみました。

 従来モデルはアクセルONで左右に振られてしまったのに対して、新型は何事もなくスッと発進。

 この辺りはフィードフォワード制御で始めから後輪の駆動が掛かる事が強みになっています。

 また、雪道で走らせていて4WDと同じくらい驚いたのは、「視界の良さ」から来る安心感でした。

 新型フリードは最新ホンダデザインに則った水平基調でノイズレスなインパネ周りやガラスエリアの広さ、左右の資格の少なさ、そして目線の高さが効いています。

 普段より慎重になる雪道での走行でも、負担が減る、緊張感が減るので、結果的に安全運転になると言うわけです。

 そろそろ結論に行きましょう。

 かつては「ホンダの4WDは雪に弱い」と言われる事もありましたが、「新型フリード×リアルタイム4WD」の組み合わせは、その汚名を返上できるポテンシャルが備わっています。

 酷暑の中で冬の話をするのもアレですが、ウィンターシーズンの強い武器になるのは間違いないので、今から注目しておいてほしいです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
くるまのニュース
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
市川團十郎がF1日本GPの公式アンバサダーに! F1文化に“新たな風”を吹き込むことを目指す
motorsport.com 日本版
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
[かわいい]見た目して超[ホット]!! スズキ[アルトラパンSS]今買うのアリ説
ベストカーWeb
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
追突事故を避ける「2秒ルール」ご存知ですか? あおり運転にならず割り込まれもしない、ほどよい安全な車間距離の保ち方をお教えします
Auto Messe Web
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
「足が長くて」スタイリッシュな新型SUVが2024年内に正式発表か!?DSオートモービルズの電動化戦略が新たなステージ
Webモーターマガジン
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
都内の“旧式小型バス大活躍”路線ついに廃止へ 「リエッセ」と運命を共に 西武バス
乗りものニュース
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
ディーゼルトラックをEVへ改造、国内初の量産予定車が完成 ヤマトモビリティが発表
レスポンス
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
FIAがフロア摩耗に関する取り締まりを強化。フェラーリ、メルセデス等に加え、抜け穴を指摘したレッドブルも修正
AUTOSPORT web
頭文字Dの次なる遠征先は豊田市駅前? ラリージャパン2024はイベント盛りだくさん/WRC写真日記
頭文字Dの次なる遠征先は豊田市駅前? ラリージャパン2024はイベント盛りだくさん/WRC写真日記
AUTOSPORT web
優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
優れたラリードライバーならF1でもきっと戦える! 8度のWRC王者オジェは確信「ファンも見たいと思っているはず」
motorsport.com 日本版
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
新車150万円台で「5速MT」あり! イチバン安い「普通乗用車」どんなモデル? 「国産ダントツ安価」でも装備は必要十分! めちゃ“リーズナブル”な「トヨタ車」とは
くるまのニュース
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
“熊本~東京1300km” 電気自動車でも快適に移動できる「裏ワザ」とは? 新型「タイカン クロスツーリスモ」で体感! ポルシェらしい走りと遊び心に触れる旅
VAGUE
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
[15秒でニュース]メルセデスAMG、初の電動SUVを市販化へ
レスポンス
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
軽自動車の6MT!! 2020年登場ホンダ[N-ONE RS]の中古ってどうなん
ベストカーWeb
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
車両火災対策で「消火器」を積むなら「種類」に注意! 場合によっては人体に有害なものも存在する!!
WEB CARTOP
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
エンツォフェラーリへ通じる「DNA」 マセラティMC20 長期テスト(2) 車重を測ったら1710kg
AUTOCAR JAPAN
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
アプリリアの新型スポーツバイク『RS 457』、日本上陸 85万8000円
レスポンス
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
100kg軽い車重580kgのベーシック軽[新型アルト]が2026年に登場!? 軽量化と48Vスーパーエネチャージで勝負!!! 燃費は30km/L到達か!?
ベストカーWeb

みんなのコメント

2件
  • hss********
    SH-AWD使わないって勿体無いよね。
    コストを考えるとフリードには難しいかもしれないが、新型プレリュードや次期タイプRに搭載されたら話題になりますね。
  • ********
    所詮デザインもコンセプトもデリカパクリ
    フロントはマヌケロボット🤖顔

    ホンダってポンプ式低性能生活四駆のイメージしかないから、

    ちゃんとしたアウトドア系ミニバンを買うなら引き続きデリカ買うだろうね


    なんと言ってもいろは坂、碓氷峠でエンスト故障する欠陥ハイブリッドで有名になったホンダイだから、情弱以外は避けるでしょう


※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

250.8343.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0389.9万円

中古車を検索
フリードの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

250.8343.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0389.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村