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【スバル360でアメリカ4000kmを激走】国沢光宏のグレートレース参戦記その4

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【スバル360でアメリカ4000kmを激走】国沢光宏のグレートレース参戦記その4

 エンジンに不安を抱えつつも3日目が開始

グレートレースも3日目に突入。今日も天気がいいが、気温は低くて過ごしやすい。昨晩遅くまで続いたスーパーメカニック・喜多見さんによるキャブのオーバーホールも無事に終了し、エンジンは過去最高の状態になった! そろそろ全開でいくぜ!! と思ったところ、なんと初日にトラブルとなり、処置を行なった燃料コックが振動で外れてしまった。そのため、急遽、固定する処置を行ない、再びスタート!

【スバル360でアメリカ4000kmを激走】国沢光宏のグレートレース参戦記その1

今日のコースは、テネシー州チャタヌーガを出発し、同じくテネシー州のマーフリーズボロという街でランチ。その後、ケンタッキー州のボーリンググリーンを目指すという、約400kmのルートとなる。ちなみに、テネシー州とケンタッキー州はタイムゾーン(アメリカは国内で時差がある)が州内でわかれており、今日は途中で時間がマイナス1時間となり、明日は再び、プラス1時間になるというルート。ややこしい!

さて前半のレグ1~3は、とうもろこしや大豆畑などが広がる高原地帯。アップダウンの激しい山道、空気が薄い標高1000m級の高原など、そもそもパワーの少ない上にエンジンに不安のあるスバル360にとっては、厳しいシチュエーションである。

しかもコ・ドライバーがルートを把握するために配布されるコマ図も、前日より難易度がアップ。「ほかの車両のコ・ドラとも、今日は難しかったね~なんて話していました」と小島さんがいうように、ミスコースをして彷徨うクルマが続出!!

そんな厳しい状況のなか、レグ1が規定時間+16秒、レグ2が規定時間+23秒と、まずまずの成績を収めた国沢号。しかもレグ1は1時間45分くらい走る長い競技区間だったのにも関わらず、誤差が16秒というのは凄い! 小島さん(もちろん国沢さんも)、頑張った! ただ、やはり2時間近くの長い競技区間となったレグ3は、1分40秒遅いという結果に……。これについては、どこで遅れたのかがわからないという。

そして、やっぱり何かが起こる国沢号。昨日と同じように、高速でエンジンが息つきを起こす症状が再発する。喜多見さんの分析によると、高速走行では多くの燃料が必要になるうえに、道が平坦なので、燃料がエンジンにうまく落ちてこないのではないか、とのこと(スバル360は燃料タンクがエンジンの上にあり、自然に燃料がエンジンに入っていく仕組み)。これについては、燃料コックを交換することしか根本的な解決策はないが、交換用パーツはなし。様子を見ながら走っていくしかない……。

さて読者のなかには「どうして日本でもっとちゃんと整備してこなかったの?」と思っている人もいるかもしれない。しかし、このスバル360を国沢さんが入手したのが2月。4月には船でアメリカにクルマを送らなければならなかったため、暑い時期にテストができていないのだ。また消耗パーツを交換しようにも、スバル360のパーツは専用品ばかりで、高価になってしまっているものや入手できないものも多い(アメリカの古いクルマは共有パーツが多い)。そのため、故障したときのことを考えると、簡単にはテストできないのだ。ただスペア用エンジンを1個、持ってきているので、最悪の場合、そちらに載せ替えか!?

 なんとサーキットも! トラブルはあるも3日目も無事完走

マーフリーズボロで遅めのランチを手早くすませた国沢さんと小島さん。後半のレグ4/5はそれぞれ17秒と23秒、規定タイムより早いという結果になったが、不調を抱えるなかでは上出来といえるだろう。

そして今日の最終地点、ボーリンググリーンのゴール地点に行く前に、NCM(National Corvette Museum)モータースポーツパークという場所に行くように、コマ図に記されていた。じつはボーリンググリーンにはシボレー・コルベットの組み立て工場があり、コルベットのミュージアムのほか、サーキットなどを備えた施設があるのだ。

サーキットに入る前に、なぜか誓約書にサインを求められる。そして促されるまま進むと、コースに入って一周してから出てください……との指示。なんとサーキットを1周してからゴール地点に向かうというルートになっているのだ。ただし移動区間のため、成績には関係なし(笑)。思わぬところで国沢号がサーキットデビューを果たしたのだ。

再びエンジンの不調に見舞われた国沢号だが、3日目もなんとかゴールまで到着。いつものように歓迎を受け、いつものようにホテルに戻り、いつものように喜多見さんによる出張整備がスタート。今日は主に足まわりや駆動系パーツを中心としたメンテナンスを行うとのこと。緩んでいるところがいくつもあったということで、やはりこの時代の日本車が短期間で長距離を走るというのは過酷なことなのだ。

9日間に渡るグレートレースも、全体の3分の1が終了。1000kmくらい移動してきたから、東京から福岡までと同じくらいの距離を走ってきたことになる。明日からはいよいよ中盤戦。インディアナ州のフランクリンまで向かうことになる。不調でデイリタイアする参加車も出てきているなか、果たして国沢号は生き残ることができるのだろうか!?

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