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新型フェアレディZは果たして増産されるのか!? 増産されればユーザーには吉報だが、真偽のほどは? 

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新型フェアレディZは果たして増産されるのか!? 増産されればユーザーには吉報だが、真偽のほどは? 

 新型フェアレディZの6MT仕様をオーダーしてすでに内金もディーラーに支払った国沢光宏氏に、突如として8月に販売会社の日産東京販売から「抽選になりました」とのハガキが届き、落選したという記事の一報と二報を8月、ベストカーWebで立て続けにお届けした。

 その後、一部メディアから「新型フェアレディZが増産される」という怪情報が流れた。この増産情報、これを「真実」と思い込んだ一部のディーラーから、問い合わせてきたユーザーに流れた情報だったことのようだ。この件を日産広報に問い合わせたものの、増産については全否定している。果たしてどのようなことなのか、ここまでの情報をお伝えしたい。

新型フェアレディZは果たして増産されるのか!? 増産されればユーザーには吉報だが、真偽のほどは? 

文/国沢光宏、写真/国沢光宏、日産、ベストカー編集部

■日本での割り当てが増産で増える!?

日本での2022年度の割り当て台数は500台だが、それが増産されるという情報が一部ディーラーで流れている

 騒音規制やCAFE(企業平均燃費)の強化により、エンジンだけで走るスポーツモデルの絶版が秒読みになっている。今やスポーツモデルは「ほぼ」すべて入手難という状況になってきた。9月1日に正式発表された新型シビックタイプRも例外じゃなく、早くも事実上のオーダーストップになっているようだ。

 そんななか、前述のとおり同じくオーダーストップになっている新型フェアレディZが増産になるという情報が一部ディーラーで流れている。

 その情報によれば、「日本向け2022年度分生産は500台だったものの、650台増産されて倍以上の1150台生産される。それにより受注を再開する可能性ある」というもの。本当なら朗報だ。

 ということでさっそく調べてみた。とはいえ、最初から引っかかるのが「2022年度分で500台」という台数。2022年9月~2023年3月までの半年で500台って少なくないか?

 拡大解釈すると日本向けのフェアレディZの生産台数は1年間で1000台ということになる。シビックのタイプRの場合、日本向けで年産5000台規模。それすら2万台超の受注を受けて納期4年といわれています(ラインに余裕のある寄居工場で生産される新型シビックタイプRは増産を考えているらしい)。それと比べても新型フェアレディZ年産1000台って少なすぎる。

■日産広報サイドは増産を全否定しているが……

国沢氏に届いた日産東京販売からの新型フェアレディZの抽選を告げるハガキ。開いた中に記載されたQRコードから抽選サイトに行き、国沢氏は外れている

 日産広報に聞いてみると驚いたことにこの件に関する情報をまったく持っていない! 新型フェアレディZの生産計画台数すらわからないという。日産広報、社内の情報を持っていない? 辛いですね~。

 ということで新型フェアレディZを生産する栃木工場の生産キャパシティと生産車種を調べてみた。まず生産キャパシティだけれど、年間30万台規模。国内の自動車工場としちゃ最大級だ。

 生産している車種はアリア、シーマ、フーガ、スカイライン、GT-R、新型フェアレディZ、Q50、Q60の8車種。このうち、シーマとフーガ、スカイラインについちゃ生産が終了する。Q50とQ60で年間2万台程度。GT-Rは手作りなので少数。となればアリアと新型フェアレディZの工場ということになります。アリア、どのくらいの台数を作るのだろう?

 日産の計画によれば初年度3万台。2年目はその倍として6万台。年産30万台の栃木工場だから24万台も余力ある。なのに、新型フェアレディZの日本向けが500台など最初からありえないだろう。

 日産はアメリカ向けの販売目標も発表していないため推測になってしまうけれど、Z34型の先代フェアレディZを発売した2009年で年間1万3000台。ただ、先々代型のZ33を発表した2003年は3万6000台ほど売れている。

 2003年は日本向けを含め5万台くらい作ったと思う。新型ファアレディZも世界5万台規模としてアメリカ90%の日本10%なら5000台。奇しくも新型シビックタイプRと同じくらいの台数になる。年間5000台なら月間400台少々。文頭に書いた「2022年度で500台」とケタが違う。ということで、一部ディーラーなどで流れている情報は大いに怪しいと考えていい。

■基本的に新型Zも徹底的に米国市場優先……

新型フェアレディZの心臓部であるV6の3Lツインターボエンジン。ターボそのものも簡単には増産できないのだが……

 ここまで読んで「情報は2022年度で500台じゃなく、2022年度は月産500台の間違いじゃないか?」と思うかもしれない。確かに伝言ゲームになりがちなスクープ情報ならあり得る。そのうえで月産500台が1150台と2倍以上になることはあるのか? 

 前述のとおり、新型フェアレディZの世界生産台数を5万台としよう。栃木工場の生産台数を5%増やせば5万5000台。

 増えた5000台をすべて日本向けに回すことで1万台になる。この件、フェアレディZを担当した田村宏志さん(日産ブランドアンバサダー)に聞いたのだけれど、可能性ほぼないとのこと。とにかく徹底的にアメリカ市場優先らしい。

 考えてみたら折しもの超円安。アメリカで1台5万ドルは1ドル110円なら550万円。直近の1ドル140円だと700万円になる、収益を考えると増産するにしてもアメリカ優先ですワな~(泣)。

 そもそも新型フェアレディZは開発のスタート時点で経営陣から「あまり売れない」と判断され、生産台数計画も売れなかった時のため大幅にコストダウンされてしまったようだ。部品の手配などを含め(エンジンに使われるターボだって増産できない)、簡単じゃないと聞く。といったことをすべて認識したうえ、私は日本向けも若干の増産が行われると期待しています。

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みんなのコメント

43件
  • 日産はユーザーに対して、もう少し真摯に対応すべきではないでしょうか。
    出来る出来ないの判断をちゃんとして、ちゃんと伝えて欲しいですね。
  • とある販社では今年度ではなく来年度に入ってくることが確定している台数はたった14台とのことです。
    現場の方々は頭を抱えています。
    日本軽視でノープランすぎる日産なんて本当に信用できない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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