そんなにたくさん売れたわけじゃない。でも、何年経ってもみんなが覚えている。今回は意外に高値な日産パイクカー第3弾の日産 フィガロ。登場から30年を経ていまだ愛される、ガイシャの雰囲気が漂う一台だ!!
※本稿は2023年12月のものです
文/小沢コージ、写真/奥隅圭之
初出:『ベストカー』2024年1月10日号
発売当時の抽選倍率20倍以上!? イギリスでアイドル的人気に!! 「日産フィガロ」は今こそ味わい深いパイクカーだ!!
■あのクラプトンも持ってたって知ってた?
1991年に販売を開始した日産 フィガロ。Be-1、パオに続く日産パイクカー第3弾として登場した
まさかこんなことになっていたとは。そう、バブル期に一世風靡した日産パイクカー第3弾のフィガロよ(商用エスカルゴも入れると第4弾)。パイクは「尖った」の意味で当時の日産が生み出した一連のレトロカーたちだ。
丸目コンパクトのBe-1に始まり、SUV風のパオと来てフィガロへ続くわけだが、オープンにもなる2ドア4座クーペボディと、少々オーバーデコレーション気味のインテリアやスイッチ類が当時はややわざとらしく見えたもの。
ところがどっこい、今見るとどうでしょ? ヤレたホワイト内装やメッキがヤケにいい味出してるじゃないの!
マジメな話、MGとかオースチンなんかの古いイギリス車のようで、フィガロは1989年の第28回東京モーターショーに初出展。限定2万台で3回に分けて抽選され、初回の8000台の枠には21万件、2回目の6000台の枠には13万件の申し込みがあったとか。さすがはバブル期!
しかしその後中古は海外に輸出され、なかでも同じ右ハンドルのイギリスで大人気に。セレブ系ではエリック・クラプトン、噂じゃエルトン・ジョンやオアシスのノエル・ギャラガーまで所有していたらしい。
事実、今も英語でザ・フィガロ・ショップと検索すると専門店が出てきて在庫車やパーツ、カスタム&レストア情報が出てくる。フィガロが懐かしの英国車っぽく見えるのは世界共通感覚なのだ。
■内装も英国車っぽい!?
今回、小沢もフィガロに強いマニアック店、栃木のガレージ・コヌマさんに行って驚いた。ほかでは安くてボロいのもあるがコチラではちゃんと整備したものが200万円前後で売られ、探せばもっと高値のタマもある。世界で価値が認められている証拠よ。
今回撮影させてもらった走行9万キロのタマもレストア寸前の整備がなされ、エンジンはヘッドカバーのカチャカチャ音を直し、ミッションはオイル交換してコントロールボディのソレノイドセンサー交換まで。
シートももともとは米国シートン社の革製だが当然コノリーレザーで張り替え。ダッシュボードもヒビ割れなので作り直し、CDチェンジャーも中身取り替えてブルートゥース接続できるようになっているとか。要は完璧にレストア技術が確立しているわけ。
面白いのは、中身は1980~1990年代に活躍した初代日産マーチだってことで、古いは古いんだけど本当の1950年代の英国車ほどボロくはない。パーツも調達しやすく安心だ。
インテリアは全域クリーム色の樹脂で覆われ、操作系はレトロデザインのトグルスイッチだったり、メッキのツマミだったりする。正直、ディズニーランドちっくな1990年代のレトロデザインで、本当の英国調クラシックカーとは違うんだけどそこが可愛い。
■ドッカンターボで中身はマーチ……実は壊れにくい英国車!?
中身は初代FFマーチのはずなのに……なぜかクラシックな英国車のようなほどよいヤレ感。ステアリングフィールも、ちょっとジャガー的!
エンジンをかけると独特のアイドリング振動がほどよいクラシックカー感。実際はマーチターボ用の1L直4ターボなので言うほど壊れないし、それでいていまどき珍しいドッカンターボで面白い。
当時の3ATも今のオートマとは比べものにならないくらいに滑るし、遊び感覚で一杯だけどそのユルさがほどよいクラシックカー感。
天井を見ると、今のオープンカーほど可動ルーフと内装材のパッキンがよくできてないから雨ジミができてるし、大雨が降ったら多少は入ってきそう。でもそこがまたセミクラシックカーっぽくていい。
ハンドリングも基本1980年代の国産FFそのもので、しかもオープンボディなので剛性は低い。しかしその細身の樹脂ステアリングもあってなぜかタッチはかつてのジャガー風。
エンジンパワーもわずか76psと非力で、トルクも薄いんだけど、車重が810kgしかないので予想外に元気に走る。
いろんな意味で、ほどよくいまどきなクラシックカー。当初のレトロ感にほどよく現実感が加わっている。こんな風にニッポンのレトロカーを楽しめる日が来るとはねぇ(笑)。
■シート張り替えにレストア当たり前ですから
以前のWill Viに続き、フィガロを提供してくれたマニアックなクルマバカの味方、栃木のガレージ・コヌマさん。正直Willと年式約10年違いとは思えないヤレの違いだが「中身は1980年代から作られていた初代マーチですから古さが違います」とか。
Kozzi評価
・タイムスリップ度:★★★★
・レア度:★★★
・お金かかりそう度:★★★★
・乗って楽しい度:★★★
乗ると予想以上のクラシックカー感! 張り替えたコノリーレザーに作り直したダッシュボード。マーチのターボも想定外に楽しい!
日産 フィガロ 懐かしスペック
・カテゴリー:コンパクト2ドアオープン
・全長×全幅×全高:3740×1630×1365mm
・ホイールベース:2300mm
・車両重量:810kg
・エンジン:1L直4 OHCターボ横置
・最高出力/最大トルク:76ps/10.8kgm
・ギアボックス:フロア3速AT
・駆動方式:FF
・サスペンション:前 マクファーソン式/後 4リンク
・国内累計販売:約2万台
・開発テーマ:歌劇『フィガロの結婚』
・ベース車:初代マーチ
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ベースはFIAT500C位で、300万円位でできないかな。