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たった14台のみ存在…マクラーレン「12C GTスプリント」が1300万円弱で落札! サーキットスペシャルとはいえバーゲンプライスに注目です

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たった14台のみ存在…マクラーレン「12C GTスプリント」が1300万円弱で落札! サーキットスペシャルとはいえバーゲンプライスに注目です

生産台数20台の予定が14台で打ち切りになったモデル

2024年12月1日にRMサザビーズがドバイで開催したオークションにおいてマクラーレン「12C GTスプリント」が出品されました。この出品車は、14台しか生産されなかったうちの1台で、新車でアラブ首長国連邦を拠点とするレース・チーム、ドラゴン・レーシングにデリバリーされたものでした。

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マクラーレン F1はあくまでもオンロード用だった

1994年にマクラーレンがロードカーの「F1」のデリバリーを開始すると、その圧倒的なパフォーマンスは世界のカスタマーによって証明されることになった。同時に発生したのが、マクラーレン F1をサーキットに投じようというプライベーターの動きで、F1GPをはじめとするこれまでのレーシング・ヒストリーを考えれば、マクラーレンのブランドバリューは誰もが認めるところであった。

しかしマクラーレン自身は、レース仕様のF1を製作し、それをレースに参戦させる計画を最初から持ち合わせていたわけではなかった。F1はあくまでもオンロードで究極の走りを楽しむための、ストイックなスーパースポーツであるというのが、開発時からF1に掲げられていたコンセプトだったからだ。その意味では1995年に発表された「F1 GTR」は、あくまでも特別な例だったのだ。

マクラーレンGTによって開発

だがF1をサーキットにと熱望する声が高まるなかで、結果的にマクラーレンは、自らそのコンペティションモデルを開発、そして製作することを決断する。1997年までル・マン24時間用のマシンを製作していたマクラーレンが、約7年ぶりに2005年、コンペティションモデルの開発に着手した理由は、安易なモディファイによる、十分な戦闘力も持たないモデルが、マクラーレンの名を背負ってサーキットに現れることを嫌ったためで、実際の開発と製作は、マクラーレンのレーシング部門であるマクラーレンGTに委ねられることになった。それがここで紹介するマクラーレン「12C GTスプリント」で、生産台数はわずかに20台の計画だったが、14台を製作したところでそのプロジェクトは終了している。

画期的なエンジニアリングが採用されたMP4-12C

12C GTスプリントのベースとなった「MP4-12C」は、あらゆる点で画期的なエンジニアリングが採用されたモデルだった。軽量なカーボンファイバー製シャシーのモノセルに始まり、リアミッドに搭載される3.8LのV型8気筒ツインターボエンジンと、7速SSG(DCT)。シャシーでは独創的なブレーキステアやプロアクティブ・ダンパーや電動油圧式ロール・コントロールなどの採用で、クラストップレベルのハンドリング性能を実現していた。

その第一印象から優れたエアロダイナミクスを感じさせるエクステリアデザインは、フランク・ステファンソンによるもので、「すべてのデザインは機能に従う」という哲学が徹底されていることも見た目にも明らかだ。330km/hという最高速により、それは商業的にも大成功を収め、2011年から2014年までの間に3500台が生産された。

MP4-12Cよりも明らかにアグレッシブな姿に

さて12C GTスプリントに話を戻そう。12C GTスプリントには、やはりそれに独特の仕様がある。基本的なシャシーやエンジン、ギアボックスはロードカーに等しいが、エンジンの最高出力は600psから616psに向上し、ブレーキステアなどの電子制御デバイスも、サーキットでの使用に最適化されている。さらにインテリアではLEDダッシュボードやコンペティションシート、さらにマルチポイントロールケージなど、レース仕様のミニマムな装備を採用。雰囲気としてはGT3マシンとロードカーのちょうど中間にあるフィニッシュが醸し出されている。

また外観では19インチのセンターロックホイール、スリックタイヤ、GT3を彷彿とさせるフロントバンパー、ラジエター、フロントスプリッター、ボンネット、フロントウイングルーバー、リアウイングの装着により、MP4-12Cよりも明らかにアグレッシブな姿となっている。

最初に生産された12C GTスプリントの個体

今回の出品車は、その14台しか存在しない12C GTスプリントの中の1台。新車でアラブ首長国連邦を拠点とするレースチーム、ドラゴン・レーシングにデリバリーされたものだ。シャシーナンバーの最後には「007」のナンバーが打刻されているが、実際には最初に生産された12C GTスプリントで、納車は2013年に行われている。それ以降レーシングチームに所有されたということもあり、メンテナンスは完全な状態。2022年には大がかりな整備も行われている。

幸運な次のオーナーを決めるオークションは、7万~9万ドル(邦貨換算約1048万~1347万円)と、やや控えめなエスティメート(予想落札価格)が示されて始まったが、落札価格も8万6250ドル(同1292万円)と、その範囲内で落ち着いた。これは12C GTスプリントがいわゆるサーキット専用車であるため、公道走行用の登録が不可能であることなど、さまざまな事情が影響してのことらしい。

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