2021年F1第9戦オーストリアGPの予選でホンダ製パワーユニット搭載車の4台が、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のポールポジションを始めトップ7までの位置を占めた。これは今季のみならず、2チーム供給体制になった2019年以降最高の予選結果だった。それでもホンダF1田辺豊治テクニカルディレクターは、「まだ予選。大事なのはレースです」と、すでに日曜日に向けて気持ちをフォーカスさせていた。
今回の予選はレッドブル・ホンダの2台が1、3番手を占め、メルセデス勢が4、5番手に後退したところも今までと違う点だ。それ以上にマクラーレンのランド・ノリスがフロントロウを獲得したことは大きな衝撃だった。ノリスは優勝争いにも絡んでくるのか。田辺テクニカルディレクターがいみじくも言うように、レースでの彼の戦いぶりは「シーズンの今後の力関係を占う意味でも興味のあるところ」だ。
レッドブル・ホンダのフェルスタッペンが3戦連続ポール、僅差でノリスが2番手。角田は自己最高グリッドから決勝へ【予選レポート/F1第9戦】
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──2チームともに、初日の好調を維持したのではないのでしょうか?
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):先週のデータを解析して、初日、2日目とやってきたわけですが、まだまだやることは多いです。コンディションなども1週間前と大きく違います。とはいえ、予選ではホンダ車4台がトップ7の位置を占めることができました。
(マックス・)フェルスタッペンは3戦連続のポールポジションを獲得、(セルジオ・)ペレスも今回は予選できっちりと結果を出し、3番グリッドといういい位置からレースを戦えます。アルファタウリの2台は予選ではちょっと苦労していましたが、最終的に(ピエール・)ガスリー、角田(裕毅)が6、7番手につけました。
ただ、いつも言っていることですが、まだ予選です。大事なのはレースですし、先週とは違うタイヤコンパウンドということでいろいろなことが起こりうる。雨の可能性もありますが、ホンダはあらゆる状況を想定して対処できるようにしていますし、チームもドタバタしないように準備を進めています。
──トップ7に4台が入ったという結果にもかかわらず、やるべきことはまだまだ多いとのことですが、具体的にはどんなところでしょうか?
田辺TD:どこかひとつということではなく、いろいろな領域です。車体とパワーユニット両方ですね。初日フリー走行が終わってデータを解析し、さらにフリー走行3回目の終了後に予選設定をきちんと決めて臨み、あくまで結果としてはよかったということです。
■マクラーレンは中団チームから抜けてきた感がある
──同じサーキットでの2週連続開催ですが、対メルセデスという観点では先週の予選でコンマ2秒だった差が、今回はコンマ3秒まで優位が広がっています。その点はどう評価していますか?
田辺TD:コンマ数秒の差を付けることができました。その位置関係自体は変わっていません。(メルセデスの)巻き返しを警戒していたなかで、それは防げました。
タイム差の違いに関しては、タイヤを含めたコンディションの違いや、レースに向けてのセッティングも考慮する必要があるでしょう。ドライビングの良し悪しもあります。ですので、1週間前からさらに差が開いたなど、そういう話はまったくないと思っています。
──今回はレッドブル・ホンダとメルセデスの間に、マクラーレンのランド・ノリスが入りました。フェルスタッペンは自分のスリップストリームを使われたと言っていますが、それがなかったとしてもマクラーレンの好調さは際立っていた印象です。レースに向けて、ノリスは警戒すべき存在ですか?
田辺TD:マクラーレン、特にノリスはこのところ素晴らしいパフォーマンスを見せています。中団チームと呼ばれていましたが、そこから抜けてきた感があります。そして今回はフェルスタッペンに並ぶフロントロウを獲得しました。決勝レースに向けては、楽しみといいますか、シーズンの今後の力関係を占う意味でも興味のあるところです。
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