レクサスのボトムを支えてきたレクサスUX。登場から5年となっても販売の主力を占めている人気車種だが、2023年12月にマイナーチェンジを迎えた。ただ同じような車格のLBXが登場している以上、いったいどのような棲み分けをするのか。試乗から見えてきたその真意に迫ります。
文:渡辺敏史/写真:レクサス
もう地味とは言わせんぞ!! レクサスUXが「全車電動化」でLBXも引き立つ?? 試乗でわかったレクサスコンパクトの本気
■LBXとの差別化を明白にしてきた
UX300hは250hからのバージョンアップとなる
SUV……という括りのみならず、レクサス全体のラインナップにおいてボトムを担ってきたモデルといえばUX。登場から5年となる現在も販売の主力となるグレード「250h」は販売好調で、いちグレードながら23年4~9月の販売台数は6764台と全体でも38位、マツダ3やCX−30に肉薄している。
そんなUXに23年12月、大きなマイナーチェンジが施された。同価格帯にLBXという新たな面子が加わる中、立ち位置をより明確化、強化しようというのがその小さからぬ目的だろう。
今回のマイナーチェンジでは内燃機車のUX200がディスコンとなり、パワートレインはxEV、つまり電動ものに一本化された。その上で主力であるHEVの基本システムが社内で第五世代と呼ばれる最新のものに更新され、スペックが大きく改善されている。それに伴い、グレード名は250hから300hに格上げされ、BEVの300eとの2本立てとなった。
300hのパワートレインは250hと同じ、M20A-FXS型を軸にモーターを組み合わせて構成されている。2l4気筒のダイナミックフォースユニットをHEV用に最適化したそれはUXでの初搭載以降、直近ではプリウスなどにも採用され、都度リファインを受けてきた。
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■パワーユニットの存在感がスゴイ
出力向上で乗り味もワンランクアップした印象
新しいUXではその成熟を成果として受け取るかたちで制御系や搭載バッテリーなどが見直され、エンジン本体としては出力が152psと6ps向上。そして、そのエンジンと組み合わせられる駆動用モーターのアウトプットも113ps/206Nmと4ps/4Nmほど向上している。
システム出力は184psから199psと15ps増強され、米国仕様のデータで比べればFFモデルの0~60マイル加速は8秒と、従来から0.2秒短縮している。
また、AWDモデルではリアモーターが600Vの昇圧対応となり、出力が7psから41psと大幅に向上した。0~60マイル加速は7.9秒と従来型比で0.5秒短縮、パワーの違いが瞬発力にもはっきりと現れるかたちだ。UX300eは23年3月にマイナーチェンジを受けてバッテリー容量を72.8kWhに増強、航続距離を512km(WLTCモード値)に大きく伸ばしている。
高まった商品力はそのままに、今回のマイナーチェンジでは電池の適正な管理のために冷暖機能を加えて温度を理想値に近づけることで、急速充電の受容性を向上させている。数字的には充電時間を従来型比で25%短縮しているというから、体感できるほどユーザビリティは向上しているはずだ。
シャシー回りではラジエターサポート部やロアバック部などに補強が加えられ、剛性が向上している。今まで開口部のスポット増しなど部分的に手が加えられてはいたが、全グレードを通して骨格に手が入ったのは今回が初めてだ。それにあわせてサスやパワーステアリングもチューニング変更を受けた。
■12.3インチモニターで内装もいいぞ
シフト周り、モニターに大きな意匠変更があった
また、加速度センサーからドライバーの運転意図を読み取り、パワートレインの応答性やブレーキバランスなどを最適化することでスポーツドライビングのみならず運転しやすさや乗り心地の良さにも寄与する加減速制御が新たに盛り込まれた。これらは下山テストコースでの走り込みが大いに反映されているという。
新しいUXを走らせたのは、その下山テストコース。一応プロトタイプという触れ込みながら、見た感じはほぼ市販スペックという仕上がりだ。その内装回りではメーター回りが12.3インチの液晶パネルとなり表示情報量が増えたほか、シフトレバーが電気式となり、センターコンソール回りがスッキリしたのがわかる。
250hから300hへの進化のほどはと乗り込んでみると、まずもって乗り心地や静かさといった快適性方面の項目が随分とリファインされていることが伝わってきた。UXの試乗自体が久し振りだからかと、コースの傍らにあった従来型の250hを無理繰り乗せてもらい比べてみたが、進化の幅は著しいとまではいわずともはっきりと体感できる。
微舵からじわりとゲインが立ち上がり、上屋の無駄な動きが減って挙動がすっきりした、この辺りはシャシー周りの剛性強化による効果も大きいのだろう。
FFとAWDの動きの違いは、ちょっとしたコーナリングでも実感できる。後輪がきちんとグリップしながら踏ん張っていく感覚は、これまでのe−Four物件では得られなかった第五世代HEVならではのものだ。
FFの側もサラサラと向きを変える軽快感が特徴的だが、雪路などではAWDの蹴り出しは操る楽しさとしても際立ってくるはずだ。
初出時の300eは高速域での連続的な入力にリア側の接地感が追いつかずバタバタと跳ねるような足捌きが気になっていたが、新型では下山テストコースの過酷な路面をしっかりとトレースしながら走ってくれた。
これもシャシー剛性の向上と、それに伴う足回りの再チューニングによって得られた成果だろう。価格や航続距離という点においても、レクサスのラインナップ中で最も実践的なBEVとして存在価値が高まったように思う。
今回の動的なブラッシュアップは、ライバルに対峙する上でもLBXを迎える上でもあるべきものだったのだろう。このマイナーチェンジで、UXははっきりと鮮度を取り戻した。枯れるどころか、今が頂点という気さえする。
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みんなのコメント
なにか古めかしさみたいなものが出てきた