全日本モトクロスにレディスクラスが創設されたのは2000年のこと。それから20年が経とうとしているが、まだ数えられるほどしかチャンピオンを排出していない。それというのも、初代チャンピオン鈴木沙耶が2000年から2007年まで8年連続チャンピオンを獲得し、2代目の益春菜も2008年から2011年まで4年連続チャンピオン。それから中野(邵)洋子(2012、2013、2016)、竹内優菜(2014、2017)、安原さや(2015)、畑尾樹璃(2018)、本田七海(2019)……。
そんな偉大な先人たちが、誰一人として成し遂げられなかった全戦優勝でのチャンピオン。川井は全日本モトクロスレディスに新たな伝説を作ったのだ。
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3年ぶりの、あの場所に。
あれは2017年4月23日、場所はこの埼玉県オフロードヴィレッジだった。
それまで一度も表彰台に登ったこともなく、ゼッケンも14番だった選手が、いきなり優勝してしまった。それが、川井麻央だ。しかし川井はその後、3年以上優勝に手が届かなかった。
すっかり表彰台の常連となり、ゼッケン3をつけた川井が、再び表彰台のてっぺんに登ったのは2020年シーズンの開幕戦、SUGOでのことだった。確かに、新型コロナウイルスの影響で今年は大会数が少なく、全4戦。しかもSUGOが2回にオフビが1回、HSR1回という若干関東勢に有利なスケジュールと言えなくもない。
しかしそれでも。プレッシャーを振り払い、見事な全戦優勝で2020年チャンピオンを決めた川井の勇士を生で見たら、誰もが涙を禁じ得ないだろう。
ライバル、そしてチームメイトとのバトル……!
スタート、決して悪くなかった川井だったが、ランキング2位であり前年度チャンピオンの本田七海(ゼッケン1)をはじめ、久保まな、そしてチームメイトの小野彩葉らが前にいた。
ランキング2位の本田とのポイント差は11。たとえ本田が優勝しても、川井が7位以内に入ればチャンピオンは決定だった。しかし、川井は1周目でいきなり強敵、久保をパスして3番手に順位をあげ、さらに小野の追撃体制に移った。
レースをリードしていたのは、本田。ホールショットこそ僅差で小野に譲ったが、その直後にトップにたち、チャンピオンの背中を見せつけた。後ろに続くのは小野、そして川井。
久保も長らく優勝から遠ざかっているライダー。残念ながら今大会は終始4位でレースを終えた。
2周目、川井は早くも小野をパスして2番手に上がった。「チームメイトの彩葉(小野)も最近順位を上げてきていますが、まだまだライバルとは意識していません。敵は本田選手だけですね」とレース後に川井は答えてくれた。しかし、小野も確実にこの一年で急成長を見せている。来年、川井を脅かすのはこの小野かもしれないと思っているのは、僕だけじゃないだろう。
「ダサい走りだけはしたくなかった」
レース中盤の5周目、早くも川井は本田を捉え、一度はトップを走る場面も。しかしそこは本田が意地をみせ、再びトップを奪取。7周目には2番手の川井を6秒も引き離してみせた。
「守りに入る気は全くありませんでした。ダサい走りだけはしたくなかったんです。スタートで前に出られちゃったけど、まだ15分ある、と自分に言い聞かせました。一回トップに立ったのですが、本田選手に抜き返されてしまい、一回6秒差もつけられてしまった時は、ダメかもと思ったけど、最後までやりきろうと思って走りました」と川井。
正直、ラスト3周の川井の走りは、鬼気迫るものがあった。本田のラップタイムを5秒近く上回るタイムを叩き出し、ラストラップなどは1:40.527を記録。(参考までにIBのヒート1で優勝した阿久根芳仁のベストラップが1:33.508。川井のマシンが排気量の劣るCRF150Rだということを考慮すれば、十分だろう)
そして9周目、L1まで後一周というタイミングで、川井は本田を再びパス。そしてさらに加速。
そのままトップをキープし、優勝。この瞬間、全戦優勝のパーフェクト・チェンピオンが誕生した。
「常にチャレンジャーでいろ」心に響いた監督の言葉
「去年から走りは特に変えていないんです。ただ、去年までは良くて週に1回しか乗れなかったけど、今年は必ず週2回乗るようにしました。私はまだ車の免許を持っていないので、いろんな人に声をかけて車を出してもらって練習に行っていました。
東福寺監督には特にマシン面でのアドバイスをもらっています。自分のことを本当によくわかってくれている方なので、タイヤの選択なども的確な助言をくださり、信頼しています。特に今年の開幕戦で優勝した時には、自身の経験から「常にチャレンジャーでいろ」と助言をくださり、それが今でも心に残っていますね。
今、高校3年生なんですが、進学も就職もしません。アルバイトをしながらバイクに集中して頑張ろうと思っています。クラスはまだわかりませんが、オフシーズンにはフルサイズで練習もしていますし、IBクラスも視野に入れています。
ここオフロードヴィレッジは地元だし、3年前に初優勝したコースで、いろんな思い出があります。ここでチャンピオンを決めることができて良かったです」
なるほど、最終戦でみせた勝ちを諦めない川井の走りの裏には、偉大なV9王者、東福寺監督の言葉があったのだ。大会終了後にはHONDAのパドックにて大々的にチャンピオン・セレモニーが行われた。繰り返しになるが、大会数が少ないとはいえ、全日本モトクロスの歴史に名を残す全戦優勝。急成長した川井麻央の器は、もしかすると連覇を成し遂げた大先輩の鈴木や益にも匹敵するのかも知れない。
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