駐車支援システムの実用性は格段に上がっている
クルマで出かけると重い荷物が運べるし、雨の日も猛暑の日も快適な空間で移動できていいですよね。最近は感染症予防のためにも、積極的にクルマで出かけるという人も多いと思います。そうするとチラホラ聞こえてくるのが、「やっぱり車庫入れが苦手! なんとかして~」という心の叫び。あまり慣れていない駐車場や、混雑していたり通路が狭かったりすると、とくに駐車の難易度が上がってしまいますよね。
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でも近頃は、クルマに任せておけばカンタンに手早くバックでの駐車が完了する、賢い機能がコンパクトカーや軽自動車にも搭載されるようになりました。「昔ちょっと試したことあるけど、あれってぜんぜん使えないじゃん」と思った人? それは何年前の記憶でしょうか? 最新モデルの駐車支援システムは、ひと昔前のものよりも格段に実用性がアップしているんです。今回はそんな最新システム搭載モデルをご紹介したいと思います。
1)トヨタ・ヤリスの「アドバンスト・パーク」
まずは、今年2月に発売されるや人気沸騰中のトヨタ・ヤリスに搭載されている、「アドバンスト・パーク」という駐車支援システム。白線で区切られた駐車スペースへの車庫入れ支援はもちろん、なんと世界で初めて「白線のない駐車スペース」のメモリー機能が採用されて、自宅や職場などの駐車スペースをヤリスに記憶させることで、駐車支援が可能となっているシステムなんです。
駐車したい場所を選んでスイッチを押すと、ハンドルとアクセル、ブレーキをクルマが制御してスルスルと駐車を完了してくれます。白線のないスペースに停めたい場合は、初回にそのスペースを登録する操作が必要ですが、2回目からは画面上で選択するだけで同じ場所に停められるようになります。自宅の駐車場が斜めになっていたり、道幅が狭いなどで「ここに停めるのを手伝って欲しいのに」と思っていた人には朗報! これがあれば、安心して出かけられますね。
2)ダイハツ・タフトの「スマートパノラマパーキングアシスト」
次は、ダイハツ・タフトに搭載されている「スマートパノラマパーキングアシスト」です。これはタントから搭載された駐車支援システムで、操作がほぼ2アクションと簡単でわかりやすく、動作も素早いのが特徴。というのも、ダイハツ車のユーザーにアンケートをとったところ、こういう駐車支援システムを使ってみたけれど、使い方が複雑でよく分からないという人や、動作が遅くて後ろのクルマを待たせてしまうのがイヤ、という「結局使えない」という意見が多かったんだそう。そのため、とにかく操作をカンタンに、手早く駐車が完了することを重視して開発したとのことでした。
実際に試してみると確かに、停めたい駐車枠の前に横付けすると、瞬時に白線を検知してくれて、「この駐車スペースに駐車しますか?」と表示されたら「はい」をタッチし、画面上のブルーのエリアに障害物がないことを確認して「はい」をタッチしたら、すぐにクルクルとハンドルがまわりながら動き出します。音声と画面のガイドにしたがって、アクセル、ブレーキ、シフトは自分で操作することで、素早く駐車が完了するようになっています。車庫入れが苦手な人は、いちばん最初のクルマの角度やハンドルの切り具合がよく分からない、という人が多いので、そのいちばん難しいところをサポートしてくれるのが嬉しいですよね。何度もやっているうちに、コツがつかめそうな気もします。
狭い道でのバックを自動で行ってくれるクルマも!
3)BMW1シリーズの「リバース・アシスト」
続いて、ちょっと変わった機能が搭載されているBMW1シリーズ。それは「リバース・アシスト」といって、35km/h以下で走行した道の直近50mを随時、自動的に記憶していて、ドライバーが必要な時に記憶したルートに沿って、自動でハンドル操作をしてバックしてくれるという機能なんです。
なのでこれは、車庫入れそのものをサポートしてくれる機能ではないのですが、ではどんな時に必要かというと、たとえばホテルやレストランの駐車場に入っていったら満車で、Uターンするスペースがない時。バックで出ていくのってけっこう気を使いますよね。そんな時に、この「リバース・アシスト」の出番なんです。ボタンをタッチするだけでハンドル操作はクルマが担当してくれるので、ドライバーはアクセルとブレーキの操作をすればOK。これならアタフタせずに済むので心強いですよね。そのほか、狭い道で前からクルマが来てしまって、どちらかがバックしなければすれ違えない時などにも、役立つと思います。
4)メルセデス・ベンツAクラスの「アクティブパーキングアシスト」
そしてもう1台、輸入車からはメルセデス・ベンツAクラスの「アクティブパーキングアシスト」。これは並列駐車でのサポートもさることながら、感心したのは縦列駐車のサポートが素早く賢いということです。
これは駅にお迎えに行って道端で待機する際などに便利で、約35km/h以下で走っていると、超音波センサーが縦列駐車に最適なスペースを見つけて教えてくれます。「ここにしよう」と思ったら、画面に表示されている「P」マークをタッチすると、自動でハンドル操作、速度コントロールとブレーキ、シフトチェンジをやってくれて、きれいにスペースに収めてくれるんです。これはクルマの左右どちら側でも検知可能。日本ではあまり、右側に縦列駐車をする機会は少ないかもしれませんが、東京なら大手町近辺の道路などに右側の縦列駐車スペースがありますので、左右が選べると助かりますよね。
5)日産リーフの「プロパイロットパーキング」
さて、最後は実用性の高さがピカイチだと思える、日産リーフの「プロパイロットパーキング」。クルマが検知した白線の駐車スペースを選択したら、あとは指1本でボタンを押し続けているだけで、ハンドル、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、最後のパーキングブレーキをかけるところまで、すべて自動でやってくれるのがリーフのすごいところです。しかも、リーフはEVで充電口がボンネットの先端にあるので、充電スポットでは前向きで駐車する場合も多くなります。なので、ちゃんと前からの駐車も自動でできるのが賢いのです。「自分で運転するより上手」と感動する人もたくさんいて、これは一度使ったらクセになりそうな便利さです。
というわけで、最新の駐車支援システムがすごいクルマたちをご紹介しました。最初から車庫入れが上手な人はあまりいないと思いますが、その先は、経験を重ねれば上手になる人と、はなっからセンスがなくて何度やっても下手なままの人と、二手に分かれる気がします。自分は後者だなと悟ったら、無理せずこうした最新機能に頼るのもひとつの手。苦手なところを助けてもらいながら、ぜひ快適なカーライフを送ってくださいね。
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