シエンタ 「ずっと」売れ続けている
text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
【画像】そもそもシエンタ、どんなクルマ? 過去のモデルも見てみる【ディテール】 全141枚
コアなクルマファンからしてみれば、あまり話題に上がることも多くないであろうトヨタ・シエンタ。
現在販売されているモデルは2015年7月に登場した2世代目であるが、昨年の8月、9月と月間販売台数ランキングの1位を記録するなど、コンスタントに売れ続けている車種である。
このシエンタ、ボディサイズこそコンパクトであるが、両側スライドドアを備えた3列シート車として若いファミリー層を中心に支持を集めている。
現行モデルからはハイブリッド仕様も用意されたことで盤石の地位を築いている。
2018年のマイナーチェンジ時には3列目シートを省き、2列目シートを倒すことで2mを超える荷室長を実現した「FUNBASE」という5人乗りのグレードを追加。
昨年にはグランピングなどのアウトドアレジャーを楽しむユーザーに向けた「グランパー」という特別仕様車をリリースするなど時代の流れを上手く組み上げた。
陳腐化しない取り組みが続けられているのも人気の秘訣と言えるだろう。
しかし、そんなシエンタにも一時期、モデル消滅の危機があったことをご存知だろうか?
それは初代モデルが登場して5年後の2008年のことである。
後継の登場 一旦は生産終了していた
現在は2世代目となるシエンタ。初代モデルは2003年に登場した。
こちらも現行モデルと同じく5ナンバーのコンパクトサイズで両側スライドドアを持った3列シート車というパッケージングは不変だった。
いっぽうフロントに丸目タイプのヘッドライトを備えるなど、やや可愛らしいルックスがウリとなっていた。
初代モデルも決して不人気モデルというわけではなかったが、2008年に同じくコンパクトクラスの3列シート車であるパッソセッテが登場する。
こちらはコンパクトカーのパッソがベースとなったモデルだ。シエンタに対してスライドドアを持たないという点に違いがあるものの、その分価格を安く140万円台~と安価に設定。
より幅広い層を取り込もうとしていたのだ(なお、パッソと兄弟車関係にあるダイハツ・ブーンと同じく、パッソセッテの兄弟車としてブーンルミナスが存在していた)。
当初はシエンタも併売していたものの、2010年夏にはシエンタの生産を終了し、同クラスの車種をパッソセッテ1本に絞った。
本来であればこれでバトンタッチが完了し、シエンタはお役御免となるハズだった。
が、ここで大きな誤算が発生していた。
それはパッソセッテの販売が思った以上に伸び悩んでいたということだ。
なぜパッソセッテ、販売不振に陥った
パッソセッテが販売不振に陥った要因はいくつか考えられるが、最も大きく影響したのが、パッソセッテリリース直後にスタートした「エコカー減税」だろう。
これは、環境対応車(エコカー)を購入するときに自動車重量税・自動車取得税が減税、または免税となる措置。車種によっては最終的な支払額で数万円~数十万円ほどかわってくる。
自動車は決して安い買い物ではないため、この差額はバカにできないものと言える。
しかし、パッソセッテはなんとこのエコカー減税の対象車種とならなかった。
せっかくスライドドアなどを廃して戦略的な低価格戦法に打って出たにもかかわらず、減税対象のライバル車と支払総額では大差ない形になってしまったのだ。
支払い総額に大差ないのであれば、装備が充実しているライバル車にユーザーが流れるのは当然のことで、パッソセッテの販売は低迷を極める。
そこで昨年夏に生産を終了していたシエンタをマイナーチェンジして2011年6月から再び販売することになったのである。
このマイナーチェンジでシエンタはしっかりエコカー減税対象車種となり、2015年の2代目登場まで12年も続いたロングセラーモデルとなった。
一方のパッソセッテはわずか3年2か月で販売を終了してしまった。しかし、パッソセッテの存在がなければ現在のシエンタの快進撃もなかったわけで、メーカーとして胸中複雑に違いない。
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みんなのコメント
もし、CVT、スライドドアであったら違ってたかもしれない。当時は誤算が多すぎたんだよな。パッソセッテだけじゃなく、ハリアーもそう。ハリアーも終了しレクサスブランドに移行したけど価格が上昇しすぎて売れない。結局2.4Lのグレードを残したままで販売継続。
経営戦略的に失敗しすぎてたのは否めない。