「ゴーイチマル」で親しまれて今でも人気車
数ある昭和の名車の中でも特別な存在感を放っているのが「ゴーイチマル」こと3代目となるダットサン510型「ブルーバード」です。旧型のボリューム感あるスタイリングから一転して、シャープなラインにシンプルな面で構成された軽快感あふれる3代目のスタイリングは、当時、スーパーソニックラインと呼ばれ好評を博しました。そんな510型ブルーバードに乗る山下研志さんに愛車にまつわる話をお聞きしました。
三男はダットサン「510ブルーバード」だけで30台以上所有! 一家全員で合計100台近くの旧車がある瀬尾一家とは…お気に入りの愛車をお見せします!
モータースポーツで大活躍した510ブル
ダットサン510型「ブルーバード」は、軽量、高剛性のモノコックボディに効率に優れた4気筒エンジンを搭載し、現代国産乗用車の原点として注目された。ほかのメーカーのサスペンションがトラック譲りのリジットリーフだった時代に4輪独立懸架サスペンションを採用し、フロントがストラット、リアはセミトレーリングアームによってスポーツ走行性能を高めた。
実際、この510型ブルーバードのモータースポーツにおける活躍は凄まじく、北米プロダクションレースはもちろん世界ラリー選手権においても、クラス優勝、チーム優勝の2冠をサファリラリーで獲得するなどの快挙を成し遂げている。
そんな510型ブルーバードは、今も昔も根強いファンに支えられている。ここで紹介する山下研志さん(55歳)もそのひとりで、購入したのは今から31年ほど前のこと。友人たちの影響もあって旧車に乗りたくなり、自身の年齢に近い1972年式の510型ブルーバードを購入した。
31年前に35万円で購入
これまでの愛車歴は日産330型「セドリック」からはじまり、430型セドリック、「アベニール」、「プリメーラ」、「セレナ」、Y11型/Y12型「ウイングロード」からの510型ブルーバードという流れ。たくさんある昭和のクルマから510型ブルーバードを選んだ理由は、「友人たちがスカイラインに乗っていたので、それ以外の車種を探した結果がコレになった」ということだった。ちなみに、今から31年前の510型ブルーバードの購入価格を聞いてみると、驚くことに35万円だったという。まったくもって今では信じられない金額だ。
510型ブルーバードには進化の歴史があるが、山下さんの愛車は1970年9月に登場した1800ccのスリーエスで、「最強の1800SSS」と呼ばれたモデルである。この年に登場したブルーバードは1971年8月にフルモデルチェンジが行われ、たった1年で610型ブルーバードが登場した。山下さんの510型ブルーバードの年式は1972年式ではあるが、この年はちょうど510型ブルーバードが車種整理という形でニューモデルの610型ブルーバードと併売していた時期にあたる。したがって、販売が重なり合った時期の最終モデルというわけだ。
軽快に乗れるクルマに仕上げる
走りの510型ブルーバードだけに、山下さんの愛車はより軽快感を求めてストリートチューニングを施している。エクステリアはチンスポイラーの追加、ホイールをワーク製エクイップに交換している程度だが、エンジンはオーバーホール時にヘッドチューンを施し、ハイカムを組んだユニットを製作して搭載。そのエンジン仕様に合わせるためサスペンションも強化し、オリジナル車高調キットにピロアッパーマウント、調整式ピロテンションロッドを装着。ブレーキも強化しキャリパーを片持ちから純正流用の対向4ポットキャリパーに交換している。
今後の予定について山下さんに聞くと、
「もうこれ以上はイジる必要がないので、これからはコンディションをいかにキープさせていくかが課題です。直せる箇所は悪化する前に早めに処置を施し、大切に乗り続けます」
ということだった。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)
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みんなのコメント
尤も、ずっと乗ってきたならそういうのとは
また違うかもしれないけど。
愛車は大事にしなきゃね。