アルトやジムニーに加え、ワゴンRやKei、エブリイワゴンで強さを発揮してきたスズキ。1990年代は圧倒的に軽自動車のイメージが強かったが、最近はそうでもない。2024年に日本デビューを飾った乗用車のフロンクスも好調!! スズキはもはや軽自動車だけのメーカーではないが、その変化の契機は、3台クルマたちによってもたらされたものだった!!
文:佐々木 亘/写真:ベストカーWeb編集部
軽自動車だけは大間違い!! メッチャ良い[スズキ]の乗用車3選
【画像ギャラリー】オートサロンでお披露目!! [ソリオ]の顔がド派手フェイスになった!!!!!(13枚)
■欧州車テイストの足はここから始まった
150万円台という軽自動車並みの価格で販売された
カルタスやエスクードの登録車があるにはあったが、やはり軽自動車がメインだったスズキの1990年代。しかし21世紀になると、スズキのクルマづくりは大きく変化する。
そのきっかけを作ったのが2001年登場のエリオだ。全長4230mmで全幅1690mmとボディサイズはそこまで大きくないが、前後席ともに広々した空間がウリだ。
ミニバンのゆとりある居住性とセダンの走行性能、そしてステーションワゴンの使い勝手を融合させたクルマと謳われており、スズキの欧州戦略車だったエリオ。いいとこ取りの全部乗せは、中途半端に終わる印象が強いのだが、エリオは内装と足回りにしっかりと個性を作り、らしさを残している。
ヘリボーン調の生地を使ったシート表皮は心地よく、欧州向けモデルなだけにシートもどっぷりと大きい。コクピットは近未来を予感させるデザインで、スピードメーターがデジタルなのもよかった。
プラットフォームは新開発で、硬めの足回りはハードなスポーツ走行用ではないが、ワインディングロードを駆け抜けるにはいいセッティングで、運転する楽しさがある。スズキの登録車が一気によくなったのは、エリオ以降。質よく乗って楽しいクルマが、ここから続々と生み出される。
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■世界のスズキへと一気に押し上げた至極の1台
グッドデザイン賞をはじめ、様々な賞を受賞したZC11S型スイフト
スズキの歴代登録車ナンバーワンは何かと言われたら、このクルマを挙げる人が多いであろう。2004年に登場したZC11S型スイフトだ。軽自動車ベースだった先代から、プラットフォームは一新。デザインと走行性能を欧州で磨き上げ、世界戦略車として魅力あるコンパクトカーに仕上げた。
特にコンパクトカーらしからぬ剛性感がスイフトの大きな武器だ。ステアリングとサスペンションの剛性アップが、心地よい操作性と安定したコーナリングを生み出す。曲がるたびに楽しいクルマとは、まさにスイフトのこと。
26の国と地域で様々な賞を獲得し、世界にスズキの名が轟くきっかけともなった。現在もこの系譜は受け継がれ、リアルスポーツコンパクトのスイフトスポーツも大人気だ。
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■ワゴンRの名を外し日本を代表するファミリーカーに
2011年よりワゴンRから完全に独立
スズキの登録車をファミリー向けに定着させたのは、2011年登場のソリオだろう。元は大きなワゴンR(ワゴンRワイド、ワゴンR+、ワゴンRソリオ)だったが、当代から新プラットフォームを採用し、後席ドアが両側スライドドアとなる。
2015年のフルモデルチェンジでは新開発プラットフォームを採用し、主要構造や部品のレイアウトを全面刷新。剛性・静粛性が飛躍的に向上した。マイルドハイブリッドを搭載した力強い走りと共に、広くて快適な居住性能がファミリー層のハートを鷲掴みにする。
現在では、スイフトとともにスズキの稼ぎ頭になっており、令和のスズキはスイフトとソリオのイメージが強い。近年のスズキは、軽自動車「も」売っているメーカーになった。小型SUVのフロンクスも好調で、ますますスズキの登録車は勢いに乗っていくだろう。
小さなクルマを真面目に作り上げてきたスズキは、長い年月をかけて大きなクルマの活躍する未来を切り開いた。今後も、魅力的なスズキの登録車に期待したい。
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みんなのコメント
それでもライバル車が売れるのは盲目的なひとが多いから。