はじめに Sクラスがフルモデルチェンジ
text:Kazuhide Ueno(上野和秀)
【画像】ベンツ新型Sクラス、アウディS8、BMW 7シリーズ【高級セダン比較】 全177枚
諸元情報には欧州仕様値を含みます。
メルセデス・ベンツの企業スローガンである「Das Beste oder nichts(最善か無か)」を象徴するのがSクラスである。
常に最先端を行くテクノロジーを積極的に取り入れ、自動車界に多大なる影響を与え続けてきた。
メルセデス・ベンツSクラスが属するセグメントは、BMW 7シリーズやアウディA8など、各メーカーが威信をかけて送り出した強豪がひしめく激戦区でもある。
そのSクラスが8年ぶりにフルモデルチェンジされ、7代目となるW223系へ進化を遂げた。ヨーロッパでは昨年から販売開始され、日本でも1月28日より発売となった。
新型Sクラスは官能的純粋さを追求したデザインとされ、人間を中心とした最新デジタル技術や、高度な安全運転支援の追求など、 メルセデス・ベンツならではの先進さが特徴だ。
最先端の3Dコクピット・ディスプレイやAR(拡張現実)技術を用いたヘッドアップ・ディスプレイなどが用意され、対話型インフォテインメント・システムの「MBUX」も第2世代に進化している。
それでは、日本へやってきた待望の新型Sクラスについて、詳しくみていこう。
Sクラス新型 外観
新型Sクラスのエクステリア・デザインは、プレスラインを減らし彫刻的な面で構成される。
シンプルながら存在感を放つスタイリングは、メルセデス・ベンツの新たなデザイン・トレンドを示す。空力も突き詰められ、cd値は0.22まで向上。
ラジエーターグリルはSクラスの伝統に則り、横基調で構成される所謂エレガン・スグリルを採用する。グリルは上下方向に薄くされ、その頂には「スリーポインテッド・スター」のボンネット・マスコットが備わる。
造形的にはラジエーターグリルを一段飛び出させることにより、Sクラスにふさわしい重厚感を与えている。
リアデザインはトランクフードまで伸びる横長の三角形テールランプが、Sクラスの新たなアイデンティティに。サイドのキャラクターラインから続き、テールランプ上部を左右に通るクロームラインがボディをワイドに見せてくれる。
細かな部分ではメルセデス・ベンツ初の格納型ドアハンドルが採用された。
キーを検知するとボディ面から自動でせり出す。乗降時以外は、ボディ面に格納されスタイリングの邪魔をしない。
Sクラス新型 内装
新型になって最も大きく変化を遂げたのがインテリアだ。
「人間中心の最新技術」をテーマに、最先端のディスプレイ技術が意欲的に採用されたことに注目したい。
デザインについても最新の「ラグジュアリー」を再定義し、デジタルとアナログの調和が図られた。上質なレザー、ウッド、アルミで構成され、豪華さと安らぎを感じさせる仕立てとされている。
ドライバー正面の12.3インチのワイド・ディスプレイには、速度計を始めとする走行に必要な情報を表示。各種情報を立体的に表示する3Dディスプレイをオプションで選ぶこともできる。
中央に位置する縦型12.8インチの有機EL(OLED)センター・ディスプレイには、ナビなどの表示のほか操作機能も集約。これによりスイッチ類を減らし、シンプルなインテリアに仕上げられた。
後席には世界初となる「SRSリアエアバッグ」が、ロングボディ仕様にオプションで用意される。また室内の静粛性を追求し、ボディシェル内に遮音発泡材を採用し遮音性能が大幅に改善された。
Sクラス新型 シャシー
諸元情報には欧州仕様値を含みます。
新型Sクラスには、Sクラスの先代(W222)、Eクラス(W213)、Cクラス(W205)で使用されていたMRA1プラットフォームの発展型となるMRA2プラットフォームが採用された。
これまでと同様に「ショート」と「ロング」の2種類のシャシーが用意され、ショートのホイールベースは、欧州仕様では3106mmとなり、W222に比べて71mm延長された。
日本仕様のショートボディの標準仕様は、全長が5180mm。先代と比べて25mm長くなっている。
ロングは、欧州仕様のデータになるが、ホイールベースは110mm延長された3216mmとなり、全長は5320mmに。
サスペンションはフロントに4リンク、リアはマルチリンク式で、エアマティック・ダンパーを組み合わせる。
注目の新機構としては、後輪操舵システム「リア・アクスルステアリング」がある。
低速時は、前輪と逆位相で最大4.5度ステアして小回り性を実現。中高速時は、同位相で最大2.5度ステアし走行安定性を高める。
Sクラス新型 パワートレイン
日本にまず導入されるのはガソリン・エンジンの「S 500」と、ディーゼル・エンジンを搭載する「S 400 d」の2タイプとなる。
S 500には、最高出力435ps、最大トルク53.0kg-mを発揮するM256型3L直6ガソリン・ターボを搭載。
そこに22ps/25.5kg-mを発揮するISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせ、高い効率性と力強い加速を実現している。
S 400 dには、OM656型3L直6ディーゼル・ターボを搭載。最高出力330ps、最大トルクはディーゼルならではの71.4kg-mを発揮。
OM656型は排出ガスの浄化システムも万全だ。
排気は酸化触媒へ送られたあとアドブルーが添加され、sDPFとSCR触媒でさらに窒素酸化物処理能力を高めクリーンな排気を実現している。
なお、日本に導入されるSクラスのトランスミッションは9速ATの9Gトロニックで、駆動方式はすべて4WDの4マティックとなる。
Sクラス新型 装備
メルセデス・ベンツは最先端の安全運転支援システムを構築しているが、新型Sクラスではさらにアップデート。
レーダーセーフティ・パッケージの諸機能や、運転支援システムもより安全を高めるべくきめ細かにアップグレードされ、来るべく自動運転の時代に向けて着実に進化を遂げていた。
また、世界で初めて、AR(拡張現実)カーナビを有機ELディスプレイに加えて、フロントウインドウにも投影できるシステムが、オプションで選択できるようになった。
前面のウインドウに映し出すこのヘッドアップ・ディスプレイ機能は、約10m先の景色に重ねて、進むべき道路を矢印で案内。目線を逸らさず直感的に判断できる。
車両の前面に広がる景色はカーナビ画面にも映し出され、こちらでも進べき方向を矢印で示す仕組みだ。
対話型インフォテインメント・システムの「MBUX」も進化し、タッチスクリーンなどでも操作できるように。また、「MBUXインテリア・アシスタント」がロングに採用され、手のジェスチャーで様々な指令をすることが可能となった。
ロングにはブルメスター社の15スピーカー(アルゴリズムと2個のヘッドライナー内蔵スピーカー)と、710Wの出力を誇るハイエンド3Dサラウンド・サウンド・システムが標準装備となる。
ファーストエディション
新型Sクラスの発表を記念して特別仕様車の「S500 4マティック・ロング・ファーストエディション」が発売された。
S 500 4マティック・ロングをベースに、標準仕様とAMGライン仕様の2タイプを限定540台用意。
外装色はダイヤモンド・ホワイトとオブシディアン・ブラックの2色。内装色はブラックが基本だが、AMGライン仕様はシエナ・ブラウン/ブラックも選べる。
インテリアではダッシュボード、センターコンソール、ドアトリムにナッパレザーを用い、ルーフライナーはDINAMICAを。ウッドトリムには「ハイグロス・スレートポプラウッド」を採用。
後席にはリアエンターテインメント・システム、フットレスト付きエグゼクティブ・シートやリアエアバッグなどが標準で備わる。
アルミホイールは、標準仕様が19インチ・マルチツインスポーク・タイプ。AMGライン仕様では、21インチAMGマルチスポーク・タイプが組み込まれる。
Sクラス新型 価格/発売日
新型Sクラスの発売日は、1月28日。日本価格は、下記のとおりとなっている。
S 400 d 4マティック:1293万円
S 500 4マティック(ISG搭載):1375万円
S 400 d 4マティック・ロング:1678万円
S 500 4マティック・ロング(ISG搭載):1724万円
特別仕様車「S500 4マティック・ロング・ファーストエディション」の価格は標準仕様が1938万円、AMGラインは2040万円と発表された。
全モデルの日本仕様について、右ハンドル/左ハンドルを選ぶことができる。
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みんなのコメント
古臭いとか言ってる人がいますが、細部まで丁寧に作り込む技術が無いと見た目で誤魔化すだけだという事を教えさせてくれる車(メーカー)だと思います。