出品車両は44台目にデリバリーされたモデル
2023年11月25日、RMサザビーズがドイツ・ミュンヘンで開催したオークションにおいてBMW「3.0CSL」が出品された。今回はいくらで落札されたのか、同車について振り返りながらお伝えしよう。
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M4をベースに50台のみ生産
BMWにとって、そもそも「Coupe、Sport、Lightweight」を意味していた「CSL」の称号が特別な価値を持つものであることは、BMWのファンにはお馴染みのことだろう。現在では最初のCoupeはCompetitionの意をも兼ねる。
そのCSLの名が初めて掲げられたのは1971年に発表された「3.0CSL」で、これは当時の「3.0CS」を大幅に軽量化して完成した、当時のツーリングカー選手権に参戦するためのホモロゲーションモデルだった。
翌1972年には、この3.0CSLはさらにエアロダイナミクスを向上させるために、巨大なリアウイングなどを装備した、バットモービルのニックネームすら与えられたシリーズ2へと進化。BMWのモータースポーツ史において欠かせない存在になった。それはBMW自身にとってももちろん同様のことだった。
それを証明したのが、2015年に初代3.0CSLをオマージュしたコンセプトカー「3.0CSLオマージュ・コンセプト」の誕生だった。その姿を見た者は、誰もが将来それが限定車であれプロダクションモデルとして再デビューするだろうという希望を持ち、そのニュースがミュンヘンのBMWから届くのを心待ちにした。
その夢が現実になったのは、BMWの子会社であるM社が創立50周年を迎えた2022年。祝福のためのモデルとして新型3.0CSLは、50台の限定車として発売されたのだ。
現代に復活を遂げた3.0CSLのメカニズムは、基本的には「M4」と共通だ。すなわちフロントに搭載されるエンジンは、3Lの直列6気筒ツインターボ。注目の最高出力は553ps、最大トルクは550Nmと発表されたが、この最大トルク値は「M4コンペティション」や「M4CSL」と比較すると100Nmも低い数字になる。これは3.0CSLが6速MTを組み合わせることがその理由とされ、MTから出力されたトルクはMデファレンシャルを装備した後輪にのみ伝達される仕組みとなっている。
30人のチームが1台1台をハンドメイドした3.0CSL
エクステリアも、バットモービルの雰囲気をオマージュしたデザインだ。もちろん現代の最新技術を用いてデザインされた、エアロダイナミクスを最適化したデザインで、1970年代の雰囲気と現代のテクノロジーの両方を味わえる造形が楽しめる。ボディカラーは初代CSLからの伝統を受け継ぎ、アルペン・ホワイトをベースに、ブルー、パープル、レッドのストライプを施したもの。
リアウイングの「M Power」の文字や、リアエッジの縁取りは、カーボン素材を未塗装とすることで描かれる。さらにボディサイドとルーフには、M社の50周年を意味する50の数字が入るが、これら一連のボディペイントには、じつに6700時間もの時間が必要だったという。
専用デザインのキドニーグリル、イエローが採用されたヘッドランプ、よりその存在が強調されたホフマイスターキンク(Cピラー部の造形)には、BMWのエンブレムもレイアウトされている。フロント20インチ、リア21インチのセンターロック・ホイールはミシュラン製。このモデル用に専用開発されたことは、サイドウォールに「50」のマーキングがあることからも容易に理解できる。
BMWのディンゴルフィング工場で30人のチームが1台1台をハンドメイドした3.0CSL。今回RMサザビーズのミュンヘン・オークションに出品されたのは、50台の生産枠のうち44台目にデリバリーされたモデルだ。ほかのモデルと同様に、アルペン・ホワイトのボディカラーに特徴的なライン。ブラックのアルカンターラ・インテリア、アルカンターラ・ステアリングホイール、M4と同じMカーボンシートなどで仕上げられたモデルとなっている。
落札価格は驚異の101万7500ユーロ(邦貨換算約1億6480万円)。わずかに33kmという走行距離もあってか、事前に落札価格が高騰することは容易に想像できたが、よもや今回のオークションで、1973年式のフェラーリ「365GTS/4スパイダー」、そして1957年式のメルセデス・ベンツ「300SLロードスター」に続く落札価格を記録しようとは。誰もが驚きを隠せなかった瞬間だった。
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