さまざまな仕様のモデルがありふれていてわかりにくい
ドライブ中のアクシデントはいつ発生するかわからない。そんなときに役立ってくれるのが、ドライブレコーダー(ドラレコ)だ。最近はあおり運転対策として装備する人が増えており、その目的もあって人気なのは後方の状況も捉えられる前後2カメラ型。加えてドラレコ本体を中心に、全周囲を捉えられる360度型も人気を呼んでいる。とはいえ、人気が高いだけにそれらは機種数も多い。そのなかからどう機種を選べばいいのか、そのポイントをお伝えしたい。
ドラレコも場合によってはNG? 無意識に違反しがちなカスタム5選
画質は最低でもフルHDを選んでおきたい!
ドラレコを選ぶときにまず重視すべきはその画質だ。これは捉えた映像から、相手車両や周囲の状況を判断するのには欠かせないスペックと言っていい。そのひとつの判断基準が、記録解像度がフルハイビジョン(フルHD)であることだ。これは映像の解像度が1920×1080(約207万画素)であることを指し、ドラレコのほとんどはこの画素数か、これを上まわる画素数を備えている。なかには4Kとして3840×2160(約829万画素)もの高画素化を実現しているドラレコもある。この画素数が高いほど、高解像なドラレコとなるわけだ。
ただ高画素化すればそれだけデータサイズは大きくなり、データとして扱いにくくなることも知っておきたい。もともとセンサーサイズが小さいドラレコにあって解像度を高めれば、画素当たりの輝度は下がる。そのため、暗所ではノイズが出やすくなるといったデメリットにもつながりやすいこともある。それを踏まえると必要以上に高解像度は求めるのではなく、フルHDのスペックを備えていれば実用上は十分と考える。
解像度として注意したいのが360度型で得られる解像度だ。このタイプは超ワイドな魚眼レンズを使って全周囲を撮影するため、一部分を切り出すとどうしても解像度は低くなってしまう。その意味で360度型は、解像度よりも全周囲の撮影を重視したい場合に選ぶべきものと考えたい。
横方向からの衝突などは画角が重要に
事故は真正面で起きるとは限らない。そこで重要なのが、ドラレコが撮影できる画角の広さだ。当然ながら広ければ広いほど撮影できる範囲が広がり、例えば横方向から近づいて来る車両や歩行者などの状況も捉えやすくなる。前後2カメラ型では左右が撮影できないので、できるだけ広い画角の機種を選ぶといいだろう。目安としては水平画角が100度以上、垂直画角が55度以上のものを選びたい。
もっと広い画角を捉えたいなら、全周囲を捉えられる360度型の選択肢もある。全体の解像度は下がるものの、左右の様子までもしっかり捉えることができ、窓越しでトラブルに遭ったときでも対応できる。ただ、乗車中の様子も同時に記録されることは知っておこう。
また、最近は車内用カメラを組み合わせる機種も登場している。これに後方カメラを組み合わせれば360度型に近い範囲を捉えられ、なおかつ映像も高解像度のまま撮影できるメリットも合わせ持つ。少し高額ではあるが、万全を期したいなら選択肢となるだろう。
暗所での撮影に有効なF値や各種映像処理機能も大事
カメラのF値についてはどうか。これは数値が低い方が明るいレンズであることを指す。小さなセンサーで撮影するドラレコだけに、このレンズの明るさは暗い場所での撮影に大きく貢献することになる。とくにノイズの発生が抑えられるメリットは大きい。また、この特性を活かすためにも暗所特性に優れたセンサー(ソニー「STARVIS」など)との組み合わせがベストになるだろう。
ドライブ中はさまざまなシーンに出会う。たとえば逆光下では黒つぶれが、トンネル出口付近では白飛びが発生しやすくなる。これは人間の眼も同じだ。そこで役立つのが「WDR(ワイドダイナミックレンジ)」や「HDR(ハイダイナミックレンジ)」機能だ。これらは明るさを自動調整して、明暗差のついた見やすい画像にするもの。映像を正確に捉えるべきドラレコでは、欠かせない機能となっている。
いずれも機能的に同じ効果を持つが、強いて違いを言えばHDRはソフトフェアを使った画像補正であり、WDRはイメージセンサーなどカメラ部で行う補正機能となる。効果としてはHDRの方が大きいが、これを頻繁に行えばハード側の負荷が大きくなり、状況によっては処理が追いつかず低レートの映像(画質が悪い)となってしまうこともある。一方でWDRはカメラ側で補正してしまうため、ハードとしての負荷は低いが補正範囲は限界があり、結果としてHDRに比べて補正幅は小さめとなる。
最近はこれらの機能を謳わずとも、カメラとしてのダイナミックレンジ能力を高めることで黒つぶれや白飛びを上手に抑える機種も登場している。その意味では使ってみないとその効果はわからない、というのが正直なところだ。
最近増えているLED信号機への対応も重要
ドラレコのLED信号対策も重要なポイントだ。LED信号は電源周波数の影響によって、目ではわからない速さで点滅を繰り返している。これが影響してドラレコには点滅(チラツキ)現象となって記録されてしまう。そのフレームレートは少し前まで大半が30Hzで記録されていたから、電源周波数が50Hzの東日本では影響がなかったものの、60Hzの西日本では完全同期する状況が頻発。信号が点灯しない“無信号”状態で記録されていた。
そこで最近はドラレコの記録フレームレートを、27.5Hzなどに若干ずらして撮影した映像を記録するのが一般的となっている。これにより東日本/西日本ともLED信号の点滅と同期しなくなり、無信号状態は回避できるようになったのだ。ただ、一部機種では今もなお東日本と西日本で切り替えを要求するドラレコも残っているので注意したい。
簡単に手動録画できる機種は万が一の際も安心
最後に操作系について。ドラレコはエンジンをONすれば自動的に記録を始めるため、操作系についてはそれほど気にする必要はない。ただ、手動で記録したいシーンに遭遇したときに、操作がわかりにくいと記録できないままで終わってしまうこともある。そうした事態を招かないためにもワンタッチで記録できるよう、専用ボタンを用意している機種を選びたい。また、ドラレコでは静止画で記録できる機種も数多いが、これも簡単な操作で撮影できるかを確かめておくといいだろう。
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みんなのコメント
メーカーや販売店も、いい加減変な売り込みは止めないと、騙されたってなるよ。
トヨタの1300OHVエンジンがすぐ思い付く。
360度はそのままサブロクターンでしょ。
こうなったら一種の病気だ