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日産ジューク 1.0DiG-T DCTへ英国試乗 一新で実力向上 日本未導入の2代目

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日産ジューク 1.0DiG-T DCTへ英国試乗 一新で実力向上 日本未導入の2代目

エンジンは1.0L 3気筒ターボガソリンのみ

2代目へモデルチェンジしたジュークは、欧州の日産ディーラーへ待望の活気を与えてくれたようだ。先代が売られていた2019年より、新型コロナウイルスの流行のなかで2代目が登場した2020年の方が、販売は好調だったほど。

<span>【画像】日本未導入の2代目 日産ジューク 欧州の競合モデルと比べる キックスも 全140枚</span>

初代日産ジュークは、コンパクト・クロスオーバーの代表的なモデルの1つだった。2代目では熟成度を増し、初代にも通じる特徴的なルックスと、上質なインテアリアを獲得している。

正直なところ、従来の日産ジュークはドライビング体験が素晴らしいとはいえなかった。操縦性はコンパクト・クロスオーバーとしてはシャープで、活発なパワートレインを備えていたが、乗り心地が目的には合致していなかったと思う。

しかし2代目の開発にあたり、エンジニア部門はデザイン部門と充分に協議を重ねたのだろう。的確な方法で優れた結果を残せるクルマへと、ジュークを煮詰めてきている。

英国で売られる2代目ジュークに搭載されるエンジンは、今のところ1機種のみ。1.0L 3気筒ターボガソリンで、最高出力は113psを発揮する。ディーゼルエンジンの投入予定はなく、ニスモ仕様も計画されていないようだ。

ニスモまでとはいわずとも、よりパワフルなガソリンエンジンを望む人は多いはず。ハイブリッド版が登場すればCO2の排出量を減らせ、メーカーとしての肩の荷も少しは軽くなるはずだ。

運転支援システムなど装備も充実

目下、ジュークに用意された選択肢といえば、トランスミッションとトリムグレードだけといえる。以前試乗したジュークに載っていた6速MTは、軽快で滑らかに変速でき、しっかりと決まる感触が心地良かった。

今回の試乗車は、7速デュアルクラッチAT(DCT)版。クラッチ操作が必要なくなるぶん、1500ポンド(約23万円)ほど英国価格は高くなる。

フォルクスワーゲンTクロスやフォード・プーマなどのライバルも、DCTを採用している。トルクコンバーター式ATよりCO2の排出量で有利で、滑らかな変速も得られることから、このクラスでは近年の主流となっている。

トリムグレードは、テクナと呼ばれるもの。上位に位置し、エントリーグレードと5100ポンド(約78万円)の差がある。

このテクナには、見た目もカッコイイ19インチのアルミホイールに、ボーズ社製の8スピーカー・サウンドシステム、インテリアのアンビエントライト、シートヒーターなどが装備される。

運転支援システムも充実。360度カメラにドライバー監視、ブラインドスッポット・モニター、アダプティブ・クルーズコントロール、駐車支援と車線維持支援、移動物体検知などの機能が搭載される。

筆者が試した限り、駐車支援システムは良く機能し、アダプティブ・クルーズコントロールと車線維持支援システムも有用だった。フロントガラスのヒーターも備わり、ガラスが凍結するような寒い朝にはありがたい。価格上昇分の内容は備えていえるといえる。

エンジンとDCTは高い速度域で好印象

1.0L 3気筒エンジンは、低回転域では力不足が否めない。だが中回転域から5000rpmくらいまでは調子良くパワー感が高まる。高速道路の速度域でも、粘り強くクルマを進めてくれる。

7速DCTは、滑らかな走行フィーリングと合っている。速めのスピードでも的確に、気づかないほど自然に変速をこなしてくれる。

今回、トルクコンバーター式ATを搭載したヴォグゾール・モッカと乗り比べてみたが、ジュークの7速DCTの方が質感では上。シフトレバーのデザインがMT用のレバーのようで、印象も良い。

加えて燃費も良好。高速道路と市街地を複合的に走らせた今回は、15.4km/Lという数字が得られた。カタログ値からも大きく離れてはいない。

だたし、低速域での振る舞いは今ひとつ。ロータリー交差点での合流時など、少し強めの加速を求めると若干もたつく場面がある様子。MT車の走り出しでも似たような素振りは見られたから、トランスミッションが理由ではないのかもしれない。

大きなアルミホイールは見た目が良いものの、狭い縦列駐車などはガリ傷が心配で慎重になりがち。そんな場面では、7速DCTのギクシャクした挙動も感じられた。

もっとも、近年のクルマはWLTP値での燃費を稼ぐために、低速域が苦手なケースが少なくない。トランスミッションは筆者ならMTを好むが、MTでもDCTでも、好きな方を選んで良いだろう。

初代より明らかに高い競争力

モデルチェンジした2代目ジュークは、コンパクト・クロスオーバーのリーダー的存在とまではいえないものの、初代より高い競争力を獲得したことは間違いない。

確かに、スポーティさではフォード・プーマがカテゴリーでのトップ。運転のしやすさでも、ライバルモデルには及ばないかもしれない。それでも、ジュークは他にはない独特の魅力を備得ていることも事実だ。

日産ジュークが、英国で人気を集めている理由は充分に理解できる。毎日の通勤の相棒としても、充足度の高いモデルになってくれるだろう。

日産ジューク 1.0 DiG-T 114テクナ DCT(英国仕様)のスペック

英国価格:2万5800ポンド(397万円)
全長:4210mm
全幅:1800mm
全高:1595mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:11.8秒
燃費:16.1km/L
CO2排出量:138-141g/km
車両重量:1224kg
パワートレイン:直列3気筒999ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:113ps/5000rpm
最大トルク:20.4kg-m
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

12件
  • なんと言おうが、キックスより2代目ジュークのほうが売れてたと思う人ー!日本に合うとか、それ以前にキックスはダサすぎる。
  • 結局キックスぜんぜん売れてないから。
    その結果がすべて。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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