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ヤマハ「SR400」最終型登場!! そもそもどんなバイクだった? 40余年の軌跡をさらりと振り返る

掲載 更新 7
ヤマハ「SR400」最終型登場!! そもそもどんなバイクだった? 40余年の軌跡をさらりと振り返る

■本当にファイナル!? 受け入れるしかない3度目の正直……

 ヤマハのロングセラーモデル「SR」は、1978年の誕生以来多くのファンに支持されいるオーソドックスなスタイルのネイキッドモデルです。シンプルな車体構成は大きく変えず、過去には環境規制の影響を受けて生産終了、そして復活した経緯があります(しかも2度)。

【画像】ヤマハ「SR400」の軌跡を画像で振り返る(20枚)

 そして2021年、3度目の生産終了で“ファイナルエディション”と銘打った最終モデルが発表されました。ここで長きにわたって現行モデルとして在り続けた「SR」の軌跡を、初期型「SR500」「SR400」の登場からサラリと振り返ってみましょう。

■はじまりは前輪19インチ、排気量は2種類あった

 1978年に誕生した「SR400」(排気量399cc)は、「SR500」(排気量499cc)と同時に発売され、ここからロングセラーモデルの歴史がはじまります。

 オフロードモデル「XT500」(1976年発売)をベースにオンロードスポーツモデルとして設計されSRは、空冷単気筒エンジンを搭載し、フレームの一部がオイルタンクを兼ね、前輪19インチ(+ディスクブレーキ)、後輪18インチのワイヤースポークホイール、2本のリアショック、バーハンドル、カウルをまとわないネイキッドスタイルなど、シンプルな車体構成が特徴です。

 登場の翌年には7本スポークのアルミ製キャストホイール、俗称「大八車(だいはちぐるま)」を装備する「SP」仕様や、職人の手による「サンバースト塗装」にタンクの「音叉マーク」など、手の込んだ特別仕様車なども登場しました。

■前後18インチホイールにドラムブレーキの組み合わせ

 登場から早くも7年が過ぎた1985年式から2000年式まで、「SR400」と「SR500」は前輪が19インチから18インチとなり、ブレーキは前後ともドラムブレーキを採用します。

 燃料タンクは側面に丸みを持たせて容量を12リットルから14リットルへ増加、耐久性を向上させたエンジンなどのほか、メーターも含め変更点は多く、フロントフォークには「フォークブーツ」が採用され、よりクラシカルなイメージになりました。

 1985年は、ヤマハからSRと同様に空冷単気筒エンジンを搭載するスポーツモデル「SRX400」(排気量398cc)と「SRX600」(排気量608cc)が誕生し、それら「モダン・シングル」や「ビッグ・シングル・スポーツ」と呼ぶSRXに対して、SRは「クラシック・シングル」という方向性が明確となりました。

 やがて「バイクらしいバイク」という、もはやスタンダードモデルの代表格として定着し、そこまでの製品になると、逆にメーカーとしては大きな変更を加えることはできず、ほぼ毎年カラーリングを変えながら、細かな改良などを積み重ねていきます。

 そして排ガス規制の影響により、「SR500」が2000年の販売をもってラインナップから姿を消し、以降は「SR400」のみになります。

■フロントブレーキはディスク式に、最初の生産終了は「一時的」

 2001年より「SR400」のフロントブレーキは、1984年以来のディスクブレーキ装備となりました。ちなみに初期型では前輪の左側にブレーキディスクが装着されていましたが、この時代から右側となります。

 排ガス規制に適応した「SR400」は、対策として適正な燃料供給などを可能にする高性能なキャブレターと、A.I.S(エア・インダクション・システム)を採用したため、不完全燃焼ガスを再びエアクリーナーボックスへ送り戻すパイプがエンジンの左側面(シリンダー側面)に装備され、それまでの見た目とは違った印象となります。

 さらに盗難抑止機構イモビライザーの標準装備、騒音規制にも対応するなど、2001年式以降は環境対策を中心に現代化が進むとともに、もはや恒例となる台数限定の特別仕様車でファンを魅了します。

 しかし生誕30周年を迎えた2008年式を最後に、新しい排出ガス規制に適合させるための準備期間として、一時生産を終了します。2007年末時点で累計販売台数は12万台を超えていました(SR500含む)。

■フューエルインジェクションの採用で復活、走り出す前の「儀式」が容易に

 一時生産終了から復活した2010年モデルより、燃料供給方式をキャブレターからF.I.(フューエル・インジェクション=電子制御式燃料噴射装置)に変更し、環境性能へ配慮するとともにエンジンの始動性も向上させました。

 再登場したSRを、ヤマハは「スタンダード」や「普遍」、「本質」、「オーソドックス」、「原点」などのキーワードを謳い、メーターパネルやサイドカバー、エンブレムなどを新作とし、伝統とモダンの融合、クラシックな雰囲気を演出し、シンプルな車体構成や造形美、単気筒エンジンならではの走行フィーリングなど、SR本来の変わらぬ魅力を伝えています。

 新たな仕様で再スタートしたものの、またしても環境規制の壁に阻まれます。「二輪車平成28年排出ガス規制」に適合させるべく開発に注力するため、2017年に2度目の「生産終了」となり、ラインナップから姿を消します。

 当時のヤマハ公式サイトでは、生産終了と同時に「後継モデルの開発に取組んでおります。(発売時期は未定)」と明言しており、その言葉のとおり、翌2018年に再登場します。

■2度の困難を乗り越え、SRデビュー40周年を迎える

 2018年に2度目の復活を果たした「SR400」は、排出ガス規制対応のためのエンジンのECUとそれに伴う電装類のレイアウトや排気系を変更し、キャニスターの追加(エンジン左前方の黒い茶筒)、灯火器類の法規対応などといった仕様変更で再登場しました。

 ヤマハのライトウェイトスポーツらしいハンドリングも維持され、心地よい鼓動感のビッグシングルエンジン、シンプルかつ美しいスタイリング、キックスターター方式など、1978年の発売以後、熟成と進化を重ねた「SRらしい」個性も、もちろん健在です。

 また、恒例となる特別仕様車、誕生40周年を記念した「SR400 40th Anniversary Edition」が限定500台、価格69万1200円(消費税10%込み)で発売されました。

■2021年モデルで本当にファイナル、そして最後の特別仕様車も!!

「Final Edition(最終版・完結編)」として登場した2021年型の「SR400」にもまた、特別仕様車「Limited(限定)」が同時発売となります。

 限定1000台の「SR400 Final Edition Limited」は、これまでもSRを彩ってきた特殊な技術、職人の手作業による美しい塗装などが施され、ヤマハの美しきモノ創りが投影されています。

 なお「SR400 Final Edition」の国内における年間販売計画は5000台、カラーバリエーションは「ダークグレーメタリック」と「ダブルパープリッシュブルーメタリック」の2色設定です。

※ ※ ※

 3度目の生産終了で姿を消すことになったSRですが、それを惜しむよりもむしろ、いままでよく続いてくれたと感謝する声も聞こえてきそうです。環境規制に対応して対策部品を追加、もしくは名前だけ残してエンジンもフレームも異なる、まったくベツモノとして残るより、SRはSRのまま、多くのファンに支持されるバイクとして記憶に残ることでしょう。

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みんなのコメント

7件
  • 当時、限定解除して初めて乗った大型がSR500だった。
    楽しかったなぁ。

    500の新車が手に入るなら、また乗りたい1台。
  • 初めて乗ったバイクがSRでした。
    長い間お疲れ様でした。ありがとう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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