ホンダのコンパクトミニバン「ステップワゴン」のフルモデルチェンジが来春に迫っているようだ。既に公式ウェブサイトでは、ガソリン/e:HEVともに「一部タイプ・カラーが選べない場合がある」旨の注意喚起がなされており、現行モデルは生産体制の縮小が始まっている模様。そこで、次期型の進化の方向性を予想してみたい。
まず、標準モデルと、スポーティ感が強めのフロントマスクやエアロパーツを奢った上級版「スパーダ」というラインナップは、新型も踏襲するだろう。ホンダにとってステップワゴンはまとまった台数が見込める重要なモデルだけに、リピーター層の取り込みを考えても、既存モデルで好評を得ているところを変えてくるとは考え難い。
ボディサイズについては、現行ステップワゴンの場合は全幅が1700mmを下回るものの、全長が4700mmを超えて3ナンバーサイズとなっている。つまり現時点ですでにメーカーは5ナンバー枠にはこだわっていない。その上で最大のライバルである次期「ノア/ヴォクシー」が全幅1700mmを超えてくるとなれば、ここは同じように全幅を若干拡げ、対抗してくる可能性が高いだろう。
エクステリアについて、これまでに撮影されたスパイショットから伺えるのは、新型がスクエアなフォルムを維持すること。ボクシーなフォルムはステップワゴンの伝統でもあり、さらに比較的コンパクトな車体で室内スペースを確保するにはスクエアなボディ形状がベストと判断されたようだ。また、従来モデルのセリングポイントだった縦横両方に開く「わくわくゲート」は、従来モデルとは異なりオプション装備になるかもしれない。このほか、ワイド感を強調したフロントグリルや縦型のリアコンビネーションライトなどは、ステップワゴンのアイコン的なデザインは受け継がれる可能性が高そうだ。
パワーユニットについてもハイブリッドとガソリンの2本立てが継続される見通し。現状ではガソリン車にはライバルに比べトルクフルかつ自動車税も安い1.5Lターボユニットが採用されており、ここは営業サイドもキャリーオーバーを期待するのではないだろうか。
最後に価格についてだが、250万円台から始まるノアなどのライバルに比べて現行ステップワゴンはやや高価な270万円台がスタートプライスとなっており、さらなる値上げは厳しいところ。一方で安全機能はさらに充実するのは必至でコストアップは避けられない。このあたりをどう折り合いつけてくるか。まずは次期「ノア/ヴォクシー」の出方を見て、競争力ある価格設定を図ってくるのではないだろうか。
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