現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「一時はブームだった4WSを改めて検証!?」誰もやらない奇天烈メカニズムを再考する!【ManiaxCars】

ここから本文です

「一時はブームだった4WSを改めて検証!?」誰もやらない奇天烈メカニズムを再考する!【ManiaxCars】

掲載 更新 51
「一時はブームだった4WSを改めて検証!?」誰もやらない奇天烈メカニズムを再考する!【ManiaxCars】

トヨタですらモノにできない4輪操舵は必要なのか?

カレンXSツーリングセレクション[ST207] 対 カリーナED Gリミテッド4WS[ST183]

「一時はブームだった4WSを改めて検証!?」誰もやらない奇天烈メカニズムを再考する!【ManiaxCars】

1980年代半ばから90年代後半に、スズキ以外の全国産車メーカーがなんらかの形で市販車に搭載したメカニズムが4輪操舵システム。メーカーによって呼び方は色々だったが、ここでは最も一般的な呼称だと思われる“4WS”で話を進めよう。

この機構、要はステアリング操作に合わせて後輪にも適度な舵角を与え、より小回りを利かせたり高速レーンチェンジ時の安定感を高めたりと、目指すところは一緒だった。

ただし、4WSにはひとつ問題が。理論としては素晴らしいのだが、ステアリングを操作するドライバーの感覚と実際のクルマの挙動に、どうしてもズレが生じてしまうことだ。そこをどうやって埋め合わせるかが、4WS開発の歴史だったと言ってもいい。

そんな4WSのイメージが強いメーカーはホンダ、日産、マツダあたりだが、もちろんトヨタも黙ってはいなかった。とりわけ力を入れていた車種が2世代に渡って4WSを採用したST18/20系。トヨタのそれは車速やステアリング舵角に応じて、後輪の切れ角や方向をECUで制御する。

今回、取材車両として用意したのはST207カレンXSツーリングセレクションと、ST183カリーナED Gリミテッド4WSの2台だ。

まずはセリカのノッチバッククーペ版といえるST207カレンXSツーリングセレクションから。

搭載エンジンはハイメカツインカムの3S-FE型。吸気系に縦型細径インテークポートを、排気系にはデュアルエキゾーストマニホールドを採用することで、実用的な回転域で最大トルクが得られるようにセッティングされている。

運転席を取り囲むようなデザインがスポーティなインテリア。XSツーリングセレクションは本革巻きステアリングホイールが標準装備となる。

スピードメーターを中心として左側にタコメーター、右側に水温計と燃料計を配置。タコメーター内にはデュアルモード4WSのインジケーターも確認できる。

スポーティな走りにも対応するため、ショルダーサポートを採用したファブリック地のスポーツシート。座面は高さ調整に合わせて前後に最大10mm移動する。

続いて、初代と同じくスタイリッシュなセンターピラーレスハードトップボディを持つST183カリーナED Gリミテッド4WS。

エンジンはスポーツツインカム3S-GE型を搭載。最高出力165psを6800rpmで発生する高回転志向のエンジンで、4速ATとの組み合わせでも痛快な走りを楽しませてくれる。もちろん、速さも申し分なしだ。

エアコン吹き出し口まで含めた横長メーターパネルと、エアコン操作部が手前に突き出たデザインが特徴のダッシュボード。

スピードメーターとタコメーターが並び、右側に油圧/水温計、左側に電圧/燃料計のコンビメーターが配置される。こちらもタコメーター内にデュアルモード4WSのインジケーターが。

スポーツグレードらしく、大きく張り出したショルダー&ニーサポートを持つシート。ホールド性が高く、長時間座っていても疲労は最小限に抑えられる。

この2台に限らず、低速域では後輪を逆位相、高速域では同位相というのが4WSにおける基本中の基本だけど、スイッチ操作で通常走行とスポーツ走行それぞれに適した制御を切り替えられる世界初のデュアルモード4WSとされ、バック時にはキャンセルも可能というのが新しかった。

これがデュアルモード4WSのスイッチ。写真はST183カリーナEDだけど、ST207カレンにも同様のモノが装備される。まず左が、後輪操舵を通常時に適した制御、あるいはスポーツ走行時に適した制御に切り替えるスイッチ。右はバック時に違和感がないよう4WSをキャンセルするスイッチだ。

試乗した2台は世代こそ違うけれど4WSのフィーリングは同じ。少なくとも通常モードで街乗りしただけでは、テールが不可解な動きを見せる4WS特有の挙動は感じられなかった。

同じ4WSでも、交差点を曲がるたびにお尻がムズムズするプレリュードの機械式やセンティア/MS-9の電子制御式よりはマトモな仕上がりだと思う。それと、試乗した2台はバック時に4WSをキャンセルできるのが画期的。実は車庫入れで思った以上に巻き込んでしまうのも4WSの難点だったから、それを解消できるだけでも気が楽になる。

すっかり過去の遺物だと思ってた4WSだが、調べてみたらレクサスの一部車種に搭載されているらしい。どうやらトヨタはまだ諦めてないようだ(笑)。

■カレンXSツーリングセレクション
車両型式:ST207
全長×全幅×全高:4490×1750×1310mm
ホイールベース:2535mm

トレッド(F/R):1510/1480mm
車両重量:1190kg
エンジン型式:3S-FE
エンジン形式:直4DOHC
ボア×ストローク:φ86.0×86.0mm

排気量:1998cc 圧縮比:9.5:1
最高出力:140ps/6000rpm

最大トルク:19.0kgm/4400rpm
トランスミッション:4速AT
サスペンション形式:FRストラット
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ:FR195/65R14

■カリーナED Gリミテッド4WS
車両型式:ST183
全長×全幅×全高:4500×1690×1315mm
ホイールベース:2525mm

トレッド(F/R):1465/1430mm
車両重量:1320kg
エンジン型式:3S-GE
エンジン形式:直4DOHC
ボア×ストローク:φ86.0×86.0mm

排気量:1998cc 圧縮比:10.1:1
最高出力:165ps/6800rpm

最大トルク:19.5kgm/4800rpm
トランスミッション:4速AT
サスペンション形式:FRストラット
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ:FR195/60R14

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

●取材協力:アンティーク 愛知県安城市池浦町小山西72-4 TEL:0566-77-8500

こんな記事も読まれています

まさかの250万円スタート!? 新型フリード爆売れ確定!? 樹脂マシマシのクロスターもヤバい!!
まさかの250万円スタート!? 新型フリード爆売れ確定!? 樹脂マシマシのクロスターもヤバい!!
ベストカーWeb
アースカラーのボディとインテリアがおしゃれなトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
アースカラーのボディとインテリアがおしゃれなトヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
初代ヴェゼルのカップホルダー最強説!!  超絶使いやすかったのに…なんでやめたん!?
初代ヴェゼルのカップホルダー最強説!!  超絶使いやすかったのに…なんでやめたん!?
ベストカーWeb
新型フリードが2024年6月に発売! 歴代モデルの相場は現在どうなってる?
新型フリードが2024年6月に発売! 歴代モデルの相場は現在どうなってる?
グーネット
パナソニック カーバッテリー「カオスW1シリーズ」発売 アイドリングストップに耐える長寿命
パナソニック カーバッテリー「カオスW1シリーズ」発売 アイドリングストップに耐える長寿命
グーネット
ジープ「ラングラー」新型モデル発売!エントリーグレード導入&2種類の限定モデル設定
ジープ「ラングラー」新型モデル発売!エントリーグレード導入&2種類の限定モデル設定
グーネット
ランドローバー「ディフェンダー」2025年モデル受注スタート 標準装備をアップデート
ランドローバー「ディフェンダー」2025年モデル受注スタート 標準装備をアップデート
グーネット
DS4 ヒナゲシのような赤いボディカラーの特別仕様車「コクリコエディション」発売
DS4 ヒナゲシのような赤いボディカラーの特別仕様車「コクリコエディション」発売
グーネット
渋谷の空に新型ラングラーが現れた!【改良新型ジープ ラングラー アンリミテッド】
渋谷の空に新型ラングラーが現れた!【改良新型ジープ ラングラー アンリミテッド】
グーネット
フェラーリ499Pが好調キープか、FP1でワン・ツー。ランボルギーニとアルピーヌが続く/WECスパ
フェラーリ499Pが好調キープか、FP1でワン・ツー。ランボルギーニとアルピーヌが続く/WECスパ
AUTOSPORT web
不遇のイメージが色濃いR33スカイラインだが乗っていて楽しかったゾ! 所有していたからこそわかった[走り]の真実
不遇のイメージが色濃いR33スカイラインだが乗っていて楽しかったゾ! 所有していたからこそわかった[走り]の真実
ベストカーWeb
シェイクダウンは今季初出走のソルドが首位タイム。ヒョンデがトップ3独占/WRCポルトガル
シェイクダウンは今季初出走のソルドが首位タイム。ヒョンデがトップ3独占/WRCポルトガル
AUTOSPORT web
ガソリンを捨てきれない理由は[ハイブリッド車]のバッテリー寿命!? 延命術はあるのか?
ガソリンを捨てきれない理由は[ハイブリッド車]のバッテリー寿命!? 延命術はあるのか?
ベストカーWeb
ウェッズの人気ホイール「レオニス」に輝く新作登場! 繊細さの「FR」と躍動感の「MV」はトヨタ「アルヴェル」から軽自動車まで対応
ウェッズの人気ホイール「レオニス」に輝く新作登場! 繊細さの「FR」と躍動感の「MV」はトヨタ「アルヴェル」から軽自動車まで対応
Auto Messe Web
ポイントリーダーのマルティン、初日最速で予選へ。母国戦クアルタラロも奮闘10番手|フランスGPプラクティス
ポイントリーダーのマルティン、初日最速で予選へ。母国戦クアルタラロも奮闘10番手|フランスGPプラクティス
motorsport.com 日本版
新型ミニ・クーパー SEへ試乗 プレミアムでも「個性」は希釈? 本当の4代目はEVのみ
新型ミニ・クーパー SEへ試乗 プレミアムでも「個性」は希釈? 本当の4代目はEVのみ
AUTOCAR JAPAN
ニューウェイ離脱に「彼の役割は変わった」とレッドブル代表。チームは数年前から準備をしてきたと主張
ニューウェイ離脱に「彼の役割は変わった」とレッドブル代表。チームは数年前から準備をしてきたと主張
AUTOSPORT web
日産「フェアレディZ」が1-2フィニッシュ! SUPER GT第2戦富士GT500クラスは波乱の展開でした
日産「フェアレディZ」が1-2フィニッシュ! SUPER GT第2戦富士GT500クラスは波乱の展開でした
Auto Messe Web

みんなのコメント

51件
  • すっかり過去の遺物だと思ってた4WSだが、調べてみたらレクサスの一部車種に搭載されているらしい。どうやらトヨタはまだ諦めてないようだ(笑)。

    この文章で記者の能力がたかが知れてると思った。
  • いやいや、よく曲がったぞ。知らんと思うけど。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.0228.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0139.0万円

中古車を検索
カリーナEDの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.0228.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.0139.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村