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クルマの加速にルール無し? 最高速度制限は複数存在も! 加速制限が明確にないのはなぜ?

掲載 更新 20
クルマの加速にルール無し? 最高速度制限は複数存在も! 加速制限が明確にないのはなぜ?

■最高速度は一般道では60km/h、高速道路では120km/h…加速のルールは?

 クルマを運転するうえで、制限速度を厳守しなければなりません。また、高速道路など速度域が高い場所では、決められた速度以上で走行しなければいけない最低速度というものも存在します。
 
 そうしたなかで、加速に関しての制限というものはあるのでしょうか。

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 現在、日本の道路交通法では標識などによる規制がない限り、基本的に一般道路では60km/h、高速自動車国道では100km/hを最高速度と設定しています。

 近年では、一部で80km/hを最高速度としている一般道路や、120km/hを最高速度としている高速自動車国道も存在するなど、交通実態に即した法改正もおこなわれていますが、欧州におけるアウトバーンの一部地域のように、最高速度無制限の公道は存在していません。

 制限速度を超えて走行すると、速度超過いわゆる「スピード違反」による検挙の対象となり、超過の度合いによっては「一発免停」になってしまうことはよく知られています。

 一方、制限速度内における加速については、それほど話題になることがありません。

 その反面、近年ではスポーツモデルや、電気自動車(EV)などが、その性能をアピールするために0-100km/h加速のタイムなどを公表する例が見られます。

 このように、加速力はそのクルマの性能を表す重要な要素のひとつとなっていますが、もし仮に、圧倒的な加速性能を持つクルマで制限速度までフル加速をおこなった場合、何らかの違反になる可能性はあるのでしょうか。

 実際のところ、道路交通法上では加速の速さ自体に明確な制限はありません。

 しかし、道路交通法第70条には、「安全運転の義務」が規定されており、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と明記されています。

 緊急回避などといった特別な事情がない限り、急加速をおこなうことは「他人に危害を及ぼす」運転ととらえられる可能性が高く、悪質な場合は検挙対象となってしまうと考えられます。

 また、道路交通法第71条の「運転者の遵守事項」における「正当な理由がないのに、著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で、自動車若しくは原動機付自転車を急に発進させ、若しくはその速度を急激に増加させ、又は自動車若しくは原動機付自転車の原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させないこと」という部分に抵触する可能性も少なくありません。

 そのほか、急加速によって道路上にタイヤ痕などを残したことで、被告人が器物損壊罪に問われた例もあります。

 正当な理由のない急加速は法に触れる可能性が高く、絶対におこなうべきではありません。

■加速性能は分かりやすいアピールポイントのひとつ

 一方で、前述の通り、加速性能をアピールすることがあるのも事実です。その理由について、とある自動車メーカーの自動車販売店の担当者は次のように話します。

「加速性能は、そのクルマの性能をアピールするうえで、現在もっともわかりやすいポイントのひとつであるからだと思います。

 その加速性能自体は、日常生活のなかで実際に体感できるものではありませんが、同じ価格帯や、スペックの近いライバルが存在する場合、数値で表しやすい加速性能は、どちらがより優れているかを判断しやすいポイントになります」

 また、自動車業界に詳しい専門家は、次のように指摘します。

「エコカー全盛の昨今、多くのエンジンがダウンサイジング化(=小排気量化)しており、国産車だけで見ても、排気量が3リッター以上のエンジンを搭載しているクルマは数えるほどになりました。

 もちろん、技術は進歩しているためパワーやトルクは十分ではありますが、排気量や気筒数の数字が小さくなってしまうことで、チープなイメージを持たれてしまうことは少なくありません。

 エンジンの小排気量化はすなわち軽量化でもあり、燃費の向上に加えて軽快なハンドリングや加速性能の向上にも寄与します。

 0-100km/h加速は、エンジンの小排気量化によるメリットのひとつでもあり、各ブランドにとってもアピールしやすいという事情があるのではないでしょうか」

※ ※ ※

 クルマの良し悪しは、数値で表されるスペックだけで決まるものではありませんが、定量的な数値はそのクルマの性能を評価するうえで重要であることはいうまでもありません。

 エンジンの小排気量化や電動化が進む昨今、加速性能は各ブランドにとってアピールポイントのひとつとなっているようですが、公道での急加速は非常に危険であるため絶対にやめましょう。

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