定員8名の高級なディフェンダー
text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
ランドローバーから新しいディフェンダーが発表されたのはご存知だろう。3ドアの90と5ドアの110とがラインナップされているが、2021年、定員8名のディフェンダー130が追加となる見込みだ。
今年初めにAUTOCARでは一度報じているが、130は2020年末に発表され、発売は2021年が予定されているようだ。
これまで90や110といった数字はホイールベースを指していたが、130となっても110とホイールベースは変わらないとのこと。コストの掛かるプラットフォームの変更は必要ないことになる。
そのかわりリアオーバーハングを拡大し、8名が座れる空間を確保。全長は5.1mに達し、ディフェンダー110よりも342mm長くなる。巨大なBMW X7と比較しても、50mm短いだけだ。
ディフェンダー130の存在は正式にはまだランドローバーは認めていないものの、内部では既に「プレミアム・エクスプローラー」として共有されているらしい。旅行好きな、大人数のアクティブな家族向けのクルマを目指しているという。
メルセデスAMG G63を追撃
ディフェンダー130はプライスレンジもかなり引き上げることになるだろう。ハイエンドな4輪駆動モデル群を構築したいというランドローバーの野望の元で、メルセデス・ベンツGクラスに並ぶような、収益率の高いオフロードモデルとなるはず。大型SUVの人気が高い中国やアメリカで、強い支持を獲得することになるに違いない。
一方で超ハイスペック版も、ランドローバーのスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)が開発中。これまで数多く生み出されてきた、特別なレンジローバーから発想を得たクルマが生まれる可能性が高い。
これらのモデルによって、最新のメルセデスAMG G63が地位を築いた、超ハイパワーで高価格の4輪駆動モデルでの支持を狙うことが可能となる。
また、ディフェンダーには複数の派生モデルの噂があるが、ピックアップトラックは量産計画から外されたようだ。ランドローバーとしては、充分な開発予算の見通しを立てることが難しかったのだろう。
そもそも、通常のディフェンダー110や追加となる130でも充分な積載能力を保持しており、あえてルーフを外す必要性はないと判断したとも考えらられる。ちなみにランドローバー・ディフェンダーの初期型には、ピックアップ・トラックが存在していた。
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