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ステランティスが新開発 3.0L直6ツインターボエンジン「ハリケーン」 搭載モデルは年内発売予定か

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ステランティスが新開発 3.0L直6ツインターボエンジン「ハリケーン」 搭載モデルは年内発売予定か

ステランティス USAは2022年3月25日、ミシガン州アーバンヒル本社で次世代のパワーユニットとして新開発した3.0Lの直列6気筒ツインターボ・エンジン「ハリケーン」を発表した。競合他社の自然吸気V型8気筒やハイブーストの6気筒パワープラントよりも高いパワーとトルクを発生しながらより低排出ガスを実現したダウンサイジング・コンセプトのエンジンだ。

この新型ハリケーン・ツインターボ・エンジンは、ステランティスの新しいパワーユニットとして、2種類の仕様が展開できることを前提に、堅牢なベースアーキテクチャを備え、本質的に滑らかな走りを生み出す直列6気筒のレイアウトを選択し、最新の技術を投入している。

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出力では、スタンダード仕様は、クールドEGR(排気ガス再循環)を採用し、低燃費と406ps以上のパワー、610Nm以上という高い出力レベルとし、ハイパワー仕様では507ps、644Nm以上を発生させることができる。つまりこのハリケーン・エンジンはV8エンジンに匹敵する出力であると同時に15%以上の高い効率を実現している。

またこのエンジンは、2350rpmからレッドラインまでピークトルクの90%以上を維持する、広くフラットなトルクバンド特性を備えている。

ステランティスのパワーユニット・システム責任者のミッキーブライは、「ステランティスは、2030年までに電気自動車(BEV)の販売構成比を50%にすることを目指し、電動化におけるアメリカのリーダーになることを目指しています。内燃エンジンは、今後数年間はステランティスのポートフォリオで重要な役割を果たすことになり、我々は最もクリーンで効率の良いパワーユニットを提供することが顧客と環境に対する責務です。そしてこのハリケーン・ツインターボは、性能を犠牲にすることなく、燃費の向上と温室効果ガスの削減を実現する妥協のないエンジン」と語っている。

ステランティスは2030年までにCO2排出量を50%削減し、2038年までにネット・カーボンゼロを達成する方針としている。

ハリケーン・ツインターボの骨格は、ディープスカート式のアルミニウム鋳造ブロックと補剛用アルミニウム合金オイルパンで構成されている。鍛造スチール製クランクシャフトと鍛造スチール製コネクティングロッドからなる強固な回転部品を、クロスボルトで固定するスチール製メインベアリングキャップで固定している。シリンダーブロックは製造時にデッキプレートホーニング加工が施され、シリンダーボア形状の真円度を最適化し、燃費の向上を実現している。

高出力仕様のエンジンではアルミ鍛造ピストンはオイルジェット冷却式で、トップリングランドにアルマイト処理を施し、ピンにはダイヤモンドライクコーティング(DLC)を採用し低摩擦化。圧縮比は9.5で、91オクタン(アメリカではプレミアム相当)ガソリンを使用する。

標準仕様のエンジンでは鋳鉄製トップリングランドインサート付きアルミ鋳造ピストンを使用し、圧縮比は10.4:1。このエンジンはクールドEGRの採用により、エンジンのポンピングロスを大幅に低減させ、燃費を向上させている。ガソリンは91オクタンが推奨されている。

シリンダー部にはプラズマアーク・スチール溶射コーティングを採用したライナーレス構造で、低摩擦性能を実現。中央配置タイプの350バールの高圧燃料噴射システムは、標準仕様はシングル、高出力仕様はデュアルポンプを採用。

カムシャフトは吸排気ともにワイドレンジの可変タイミング機構としている。エンジン一体型のインタークーラーは水冷式で、標準仕様はシングル、高出力仕様はダブルで装備。なおこの水冷インタークーラーの冷却は専用回路を備えている。

またデュアル・エキゾーストマニホールドは水冷式でシリンダーヘッドに一体システムとして蓄熱を低減。3気筒ずつまとめたデュアル・エキゾーストマニホールドには低慣性・大容量のターチャージャーを装着している。過給圧は標準仕様で1.52バール、高出力仕様では1.8バールに設定されている。

オイルポンプはスカベンジ・ポンプも一体化させたチェーン駆動の連続可変容量式で、エンジンのトルク要求に合わせてポンプ出力を調整し、摩擦損失を低減。エンジン冷却水は大流量のボールバルブ式サーモスタットによる2系統独立式とし、冷却システムの機械的損失を低減させている。

この3.0Lのハリケーンツインターボ直6は、ボア・ストロークやシリンダー間隔などの設計上スペックは、全世界で生産されている2.0Lの直4ターボと共通にしたモジュラー化エンジンだ。アメリカでは現在、2.0Lの4気筒エンジンはジープ ラングラー、チェロキー、最近発売されたグランド・チェロキーに搭載されている。

ハリケーン・ツインターボ直6は、STLAラージ・プラットフォームとSTLAフレーム・プラットフォームを使用する車両向け、つまり北米における将来の主要な内燃パワープラントと想定されており、メキシコのサルティーヨ・エンジン工場で生産され、2022年中にこのエンジンの搭載モデルがデビューする計画となっている。

ハリケーン 3.0L 直列6気筒エンジン 主要諸元
・排気量:2993cc
・ボア・ストローク:84.0×90.0mm
・動弁系:中空カムシャフト/吸排気連続可変バルブタイミング 24バルブ ナトリウム封入式排気バルブ ローラーフィンガー式ロッカーアーム 油圧ラッシュアジャスター

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ステランティス 公式サイト

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みんなのコメント

3件
  • このエンジンでグランドナショナルの現代版の復活が良さそう
    売れるよ
  • ラングラーに載せて日本にもおこぼれを!392は期待していたが結局日本には導入されなかったからね。1000万ぐらいなら欲しい人は一定数いる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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