現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダ新型「PCX」の狙いは何か? 125ccスクーターにもトラコンが搭載される時代に【太田安治の2021年モデル乗り味予測】

ここから本文です

ホンダ新型「PCX」の狙いは何か? 125ccスクーターにもトラコンが搭載される時代に【太田安治の2021年モデル乗り味予測】

掲載 更新 42
ホンダ新型「PCX」の狙いは何か? 125ccスクーターにもトラコンが搭載される時代に【太田安治の2021年モデル乗り味予測】

ホンダのベストセラー原付二種スクーター「PCX」がフルモデルチェンジを果たした。欧州で11月10日に発表され、2021年に日本でも発売される予定だ。新型はトラクションコントロールの装備など充実の進化を遂げている。新たなPCXが目指す目的とはいったい? 月刊『オートバイ』のメインテスター太田安治氏が考察します!

新型PCXは排ガス規制の変わり目でクラス最高峰モデルとしての価値を高めた
原付二種に区分される小型スクーターの開発は、「近所への足代わり」が大きな前提条件だ。現実的な走行距離は最寄りの駅や商店までなら数キロ、通勤通学でも片道10km以下がほとんどだろう。乗車時間が短かければ、取り回しやすさや低価格という要素が優先されて快適さや高級感は二の次。スクーターとはそういうものだと思っていただけに、2010年にPCXが登場したときは驚いた。

カワサキが5台の新型車を発表&日本で販売する2021年モデルまとめ

ゆったりしたライディングポジションにスムーズそのものの加速特性、所有感を満たしてくれる装備で、クラスを越えた上質な仕上がり。「おお、ゴージャス!」などと口走ってしまったほど(笑)。

とはいえ価格もゴージャスだったので売れ行きは限定的と思われたが、250ccスクーターに比べれば半値に近く、高速道路に乗る必要がない近距離移動中心のユーザーにお買い得感を与え、今に至るまでセールスは好調に推移している。

2014年、2018年とモデルチェンジを行って完成度を高めたにも関わらず2年でモデルチェンジとなったのは、排ガス規制EURO5対応という大きな壁を越えるためだ。新開発エンジンは現行モデルに対して約0.5馬力アップで、ピークパワーの差は体感できないだろう。

しかしわざわざホンダがエンジンを新設計したのだから、発進加速のフィーリングは向上していると見る。燃料噴射や点火タイミングといった電子制御技術は日進月歩。そしてホンダはAT変速のセッティングが実に巧みだ。

やや意外だったのはトラクションコントロールの装備。このパワー、キャラクターなら必須ではないだろうが、AT変速モデルはゼロ発進からスロットル全開で加速するケースが多いだけに、濡れた路面、道路表示ペイント、砂の浮いた部分で威力を発揮するはず。ABSを装備していれば、トラコン機能を追加しても大幅なコストアップにならないことも採用した理由の一つと推察する。

納得しやすい改良がリアタイヤの小径化。これまでの14インチから13インチに変更することでタイヤ外径が小さくなり、車体との隙間が広がる。そのスペースを使ってシート下のラゲッジ容積を大きくできたというわけだ。

小型スクーターの需要はヨーロッパから日本、そして現在はアジア全体へと広がり、ユーザー層も多様化している。「同じクラスの中で一番高級なやつ」を求めるユーザーに訴求するモデルとして、PCXの存在感がさらに高まったことは間違いない。

文:太田安治

こんな記事も読まれています

BMWの中型ロングツーリングスポーツ『F 900 XR』が大胆マイチェン、3kgの軽量化を達成
BMWの中型ロングツーリングスポーツ『F 900 XR』が大胆マイチェン、3kgの軽量化を達成
レスポンス
コラピント「メカニックたちに心から感謝。レースに出られるようクルマを作り直してくれた」:ウイリアムズ F1第22戦決勝
コラピント「メカニックたちに心から感謝。レースに出られるようクルマを作り直してくれた」:ウイリアムズ F1第22戦決勝
AUTOSPORT web
レインボーブリッジ通れません! 「グランドサイクル東京」開催で首都高も一般道も交通規制を実施。【道路のニュース】
レインボーブリッジ通れません! 「グランドサイクル東京」開催で首都高も一般道も交通規制を実施。【道路のニュース】
くるくら
トヨタが新型「RAV4!?」公開! タフ感アップな「カクカク」デザイン採用! 斬新「RAV-X」が示すのは最上級「本格モデル」や新開発「ターボエンジン」か? 米に登場の新モデル何を意味するのか
トヨタが新型「RAV4!?」公開! タフ感アップな「カクカク」デザイン採用! 斬新「RAV-X」が示すのは最上級「本格モデル」や新開発「ターボエンジン」か? 米に登場の新モデル何を意味するのか
くるまのニュース
航続距離700kmの商用バン 72時間で水素ステーション設置も ルノーの水素燃料電池プロジェクトとは
航続距離700kmの商用バン 72時間で水素ステーション設置も ルノーの水素燃料電池プロジェクトとは
AUTOCAR JAPAN
周冠宇「久しぶりにトップ10近くで戦えた。僕のペースで可能な最善の結果」:キック・ザウバー F1第22戦決勝
周冠宇「久しぶりにトップ10近くで戦えた。僕のペースで可能な最善の結果」:キック・ザウバー F1第22戦決勝
AUTOSPORT web
マグヌッセン「1ストップは間違った選択。ミディアムはグレイニングが酷かった」:ハース F1第22戦決勝
マグヌッセン「1ストップは間違った選択。ミディアムはグレイニングが酷かった」:ハース F1第22戦決勝
AUTOSPORT web
スバル「レガシィ アウトバック」国内販売終了へ! 最後のモデル“30周年特別仕様車”はどんな仕様?【新車ニュース】
スバル「レガシィ アウトバック」国内販売終了へ! 最後のモデル“30周年特別仕様車”はどんな仕様?【新車ニュース】
くるくら
“300万円”以下で買える! 最新「ハリアー」に大反響! 「ディーゼルターボ」搭載&まさかの“ランドローバー”と共同開発ボディ! 精悍顔の「ミドルSUV」インド仕様がスゴイ!
“300万円”以下で買える! 最新「ハリアー」に大反響! 「ディーゼルターボ」搭載&まさかの“ランドローバー”と共同開発ボディ! 精悍顔の「ミドルSUV」インド仕様がスゴイ!
くるまのニュース
確認する方法はある? バイクの納車状況
確認する方法はある? バイクの納車状況
バイクのニュース
ストロール「1周目から無線が使えなくなり、コミュニケーションを取れなかった」:アストンマーティン F1第22戦決勝
ストロール「1周目から無線が使えなくなり、コミュニケーションを取れなかった」:アストンマーティン F1第22戦決勝
AUTOSPORT web
ついにトヨタ「新型セリカ」開発へ 副社長が復活宣言 MR2にも期待膨らむ
ついにトヨタ「新型セリカ」開発へ 副社長が復活宣言 MR2にも期待膨らむ
AUTOCAR JAPAN
「ハコスカ」にAT車があった!? 3台の日産GC10型「スカイライン」を乗り継いできたオーナーは、なぜ懐かしの「RSワタナベ」を選んだ?
「ハコスカ」にAT車があった!? 3台の日産GC10型「スカイライン」を乗り継いできたオーナーは、なぜ懐かしの「RSワタナベ」を選んだ?
Auto Messe Web
スタンレー電気と三菱電機モビリティ、次世代車ランプの合弁会社を設立
スタンレー電気と三菱電機モビリティ、次世代車ランプの合弁会社を設立
日刊自動車新聞
新型「フォルクスワーゲン・パサート」発売!ボディサイズを拡大、最先端技術を数多く導入
新型「フォルクスワーゲン・パサート」発売!ボディサイズを拡大、最先端技術を数多く導入
LE VOLANT CARSMEET WEB
ブリヂストン EV時代に備えて大径タイヤの増強計画 270億円を投資
ブリヂストン EV時代に備えて大径タイヤの増強計画 270億円を投資
Auto Prove
スズキが本気で「高級車」を提案!? 美しすぎるデザインの「超ワイドボディ」採用! 全幅“約2メートル”のド迫力「フラッグシップ」予感させた兆とは
スズキが本気で「高級車」を提案!? 美しすぎるデザインの「超ワイドボディ」採用! 全幅“約2メートル”のド迫力「フラッグシップ」予感させた兆とは
くるまのニュース
【ダカールラリー2025】トヨタGAZOOレーシングは万全の6台体制で参戦
【ダカールラリー2025】トヨタGAZOOレーシングは万全の6台体制で参戦
Auto Prove

みんなのコメント

42件
  • 街乗りメインの通勤車だからこそ安全装備は十分過ぎる位が良い
    マンホールや横断歩道など峠道なんかよりよっぽど危険な個所があるし人の飛び出しなどの遭遇も多い。
    多少高くなるのは安全を買うんだと思えば安いもんだ
  • トラクションコントロールなんか必要ない。 値段が高くなるだけ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村