現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ちょっとだけS2000を彷彿!? 新型シビック 6MT車は最後のホンダらしい「純エンジン&MT」かもしれない!!!

ここから本文です

ちょっとだけS2000を彷彿!? 新型シビック 6MT車は最後のホンダらしい「純エンジン&MT」かもしれない!!!

掲載 更新 54
ちょっとだけS2000を彷彿!? 新型シビック 6MT車は最後のホンダらしい「純エンジン&MT」かもしれない!!!

 新型シビックの受注における6MT車の割合は3割を超えているのだという。

 意外と思うかもしれないが、シビックはもともとモータースポーツ色が強いモデル。かくいう筆者も鈴鹿サーキットで開催されていたスーパーシビックレース(1983年)がレースデビューだった。

系譜の終焉!! NSXタイプS試乗から見えてきたこれからのホンダスポーツとは

 その後もGT-Rが走ったグループAレースではクラス3でカローラとメーカーの威信を賭けたワークスの戦いを繰り広げたのだ。そんな歴史があるからタイプRなるモデルが生まれ、今もなおシビックエンスーの心をつかんで離さない。

 さて、筆者自身は2ペダルがあたりまえのこの時代に、もう一度6MTに注目してもらいたい。欧州に行けば、いまだに3ペダルのMT車が走り回っているのだ。それを見るたびに日本人大丈夫か? と思う。

 手足がそれぞれ別々の動きをしてドライブするMT車は、脳を刺激し、手足も良く動かす。血液循環は2ペダル車の比ではない。地方に行けばMT車の軽トラックを我が物顔に走り回る元気なお年寄りを見ることがあるが、健康を考えれば迷いなくMT車だ。

 ということで、今回はその新型シビックの6MTモデルにスポットを当ててインプレッションしてみよう。

文/松田秀士、写真/池之平昌信

【画像ギャラリー】本文未収録写真あり!! 新型シビックの6MTモデルを写真で見る

■迫る電動化の前で希少な純エンジン+MTの魅力

2021年8月に発表された新型ホンダ シビック。純ガゾリンエンジンとMT車の組み合わせは当代が最後となるのか!?

 よく考えると、もしかしたらホンダの純エンジン+MT車というジャンルでは、今回の新型シビック6MTモデルが最後になるのかもしれない。

 というのも、ホンダは将来の電動化を宣言しているし、さらに2022年にはシビックのe:HEVモデルがラインナップされるらしい。もう一方のCVTモデルの完成度も高かっただけに純ガソリンエンジンモデルの行方が気になる筆者である。

 筆者の考える良いMT車の条件を先に記しておこう。まずシフトストロークが適度にショートであること。シフトストロークが長すぎるのはもちろんNGだが、逆に短すぎるのも問題。ストロークが短すぎると、左右間のセレクターとの距離感が整合せず、シフトミスを誘発しやすい。

 また、シフトノブを左右に動かした時(セレクター)の、自然に止まる位置を決めるリターンスプリングの強さと停止位置が自然であること。5速から4速にシフトダウンするときに、このリターンスプリングが強すぎると4速を飛び越えて2速に入れてしまいオーバーレブ→エンジンブローという危険性もあるのだ。

 他にシフトを入れるときのシフトゲートの剛性感。もうひとつ付け加えるとクラッチペダルの重さとストロークも重要。特にストロークはシフトストロークと絶妙にリンクする。シフトストロークが短ければクラッチペダルストロークも短いのが望ましい。

■新型シビックの6MTはS2000を彷彿とさせる!?

剛性の高いボディと適度に締まるサスペンションでコーナリングが気持ちいい。タイプRが出てきたら……という願望(妄想?)を抱いてしまう

 さて、これらのことを念頭に置き、新型シビックの6MTモデルに試乗してみよう。まず走り初めに必ず踏み込むクラッチペダルが軽い! ちょっと軽4輪のよう。

 まぁRSモデルではないわけだし、実用性を考慮してのことだろう。このため比較的ショートストロークのシフト操作とシンクロしない部分もあったが、ペダルストローク自体が長すぎず短すぎずちょうど良い長さなので慣れてしまう。

 シフトそのもののフィーリングは、シフトした時のゲートのカッチリとしたわかりやすい剛性感が好ましい。スコンと入るのと、いま何速ギアに入っているのかがわかりやすい。

 しばらくギアホールドで走っていて、アレ? いま何速に入っているんだっけ? というときにも、スッとシフトノブに手を置いただけで何速ギアなのかわかる。これが本当の剛性のあるMTだ。

シフトのカッチリとしたフィーリングは「入った」感が分かりやすく、適度な剛性感でギア位置も感覚的に感じ取れる

 かつてS2000のMTがそういうMTだった。FRだからエンジン縦置きの後ろにギヤボックスが連結されていて、ちょうどシフトノブがほとんどリンケージを介さずに直接ギヤを動かしているダイレクト感。

 それゆえシフトストロークは世界中のどのスポーツモデルよりも短かった。筆者の経験のなかでS2000より短かったのは、F3000マシンやグループCカーといった純レーシングカーぐらいだ。

 話を戻そう。この新型シビックではFFゆえにエンジンは横置き。シフトはワイヤーでエンジンの隣にマウントされるギアボックスと連結されている。それでいてこのショートシフトで剛性感はよくできているといえる。

■「このままタイプRが出てきたら…」と思わせるどコーナリング性能

最近のスポーツモデルが忘れかけているクルマ本来の操る楽しみが植えつけられていた、というシビックの6MT。タイプRよりあらゆる意味で手軽な点でも希少といえそうだ

 1.5Lターボエンジンは、クランクシャフトやオイルパンの剛性アップをおこない余計な振動を抑えたとのことだが、高回転域に至ってもストレスなくスムーズに回る。ただ、アクセルオフによってシフトダウンする時の高回転域からの回転落ちは少しダルイ。

 このモデルがRSなどといった尖ったグレードではないのだから、当然といえば当然なのだろう。しかし、このようなちょっとしたことが感じ取れるのもシャシー、ボディ、サスペンションの剛性感が非常に高いからだ。

 遮音性にも配慮したことから、走行中のキャビンは耳障りなロードノイズもガタピシもなく、とても快適。しかもボディがガッシリしているので、サスペンションの動きが良く感じ取れる。

 そのサスペンションは適度に締まりが効いていて、ストローク初期の適度な緩さで路面の凸凹を凌ぐ。とはいっても50km/h前後の速度域ではスポーツモデルだと言いたげに路面状況をつぶさに伝えてくる。

 最初は想像していたよりも硬いと感じたけれども、走り込むうちにその印象は薄れ、逆にタイヤのグリップ感を直に感じ取れることに感心。タイプRのようなハードサスペンションではないのに、このダイレクトなフィーリングは好印象だ。

 それもこれもボディ剛性が大きく貢献している。そして何よりもコーナリング。とにかくコーナリングの限界速度が高い。コーナーでいじめてみたが、バンプストッピングラバーにいつの間にかタッチして、大してロールもせずにイン側のタイヤグリップも有効に使ってコーナリング。

 その速度がとても高く、ターンインからエグジットまで修正を必要としない、狙いすましたステアリングワーク。不必要なくらいステアリングを切り込んでフロントタイヤをこじっても、アンダーステアはじわじわと発生。さらにリアタイヤのグリップが高く、限界域でも安定したコーナリングを見せてくれる。

 このままタイプRが出てきたら、どれほどのコーナリングを見せるのだろう! そんなことを予感させる新型シビック6MTの試乗だった。電動具を伴わない純エンジンと6速MT。今後希少であることは間違いなく、そこには最近のスポーツモデルが忘れかけているクルマ本来の操る楽しみが植えつけられていた。

【画像ギャラリー】本文未収録写真あり!! 新型シビックの6MTモデルを写真で見る

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
カー・アンド・ドライバー
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
ベストカーWeb
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
ベストカーWeb
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ルーミー/トール受注再開! 現行は2027年まで販売ってどうよ!? 3年も生き延びるってマジか!? ビッグマイチェンは2025年!
ベストカーWeb
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
全車[EV]化計画を撤回!? ベンツもボルボもEV化減速してるけど…[ホンダ]はどうするん? 
ベストカーWeb
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ホンダが激カッコいいSUV発表! [アキュラADX]みたいなクルマが日本にも必要だろ!
ベストカーWeb
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース

みんなのコメント

54件
  • S2000オーナーとして比較されて悲しい
    運転を楽しむ感性があるなら、是非多くの人に『本物』に乗ってみて体験して欲しい
    個人的には実際に乗って比べてみたい気もする
  • グズグズ言ってるヤツはまず乗ってくれ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

344.9430.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0438.0万円

中古車を検索
シビック (ハッチバック)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

344.9430.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0438.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村