ピュアエレクトリックハイパーSUV「LOTUS ELETRE S(ロータス エレトレ S)」をテストドライブ!というのは少々大袈裟だが、舐めまわすように見て、触って、ほんの少し運転することができた。
ワールドプレミアから2年ほどがたち、いよいよ日本でもデリバリーされようかというところまできた。「ロータス初」ずくめの「ロータス エレトレ」って実際どうなの?
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「ロータス初」「ロータス初」ずくしな「ELETRE(エレトレ)」だが、車名が「E」で始まるのはロータスの伝統が受け継がれていて安心した。エレトレは、ロータス初のプレミアムライフスタイルパフォーマンス電気自動車という位置づけで、中国の武漢に新しく建設された最先端の施設で製造される。
・ロータス初の5ドアプロダクションカー・ロータス初のスポーツカーセグメントのモデル・ロータス初のライフスタイルEV・世界初の英国ハイパーSUV・最高出力:600hp~・350kWの充電時間はわずか20分、400km の走行が可能で、22kWのAC充電も可能・航続距離:600km・0-100km/h(0-62mph)加速:3秒以下
優れた空力特性ロータスと言えば独特なアイデアで構築された極めて優れた空力特性と軽量化だ。BEVは航続距離を伸ばすためにエアロダイナミクスを追求する必要があるのだが、この点においてはロータスの真骨頂だ。
フロントグリルからエアはボンネットに開けられた2つのインレットを抜ける。左右のフェンダーにもインレットがあり、タイヤハウスを抜けてフロントドアに抜ける。リアタイヤハウスからバンパーサイドにもエアが抜ける。ルーフ後端にはスプリットルーフスポイラーがあり、ガラスを流れる気流をアクティブテールゲートスポイラーに導き、速度に応じて角度が変わる。
ロータス エレトレはSUVというよりはクロスオーバーのフォルム。エクステリアエクステリアからロータスらしさを見るのは難しいが、「カッコイイ」のはロータスらしいと言える。競合となるのは名だたるスーパーSUVたちだ。
エレトレにはロータスが最も得意とするエアロダイナミクスを向上させるための仕掛けがあちこちにある。LOTUS ELETRE S(ロータス エレトレ S)
全長5,103mm全幅2,060mm車高1,630mmホイールベース3,019mmリアのラゲッジルームは十分に大きい。フロントにもスペースはありそうだ。とにかく長い、というのが印象で、従来のロータスとは似ても似つかないところだ。ホイールベースは3mを超えている!因みに初代ロータス エランは全長約3.7mだ。
インテリアドライバーズシートに着座するととても落ち着いた運転姿勢をとることができる心地よさをまず感じた。しかし、高級感漂うインテリアは、ハンドルにロータスのマークがなければ国産車ではないことがわかる程度。恐らくこのまま市販されるであろうと思われるが、嫌みの無いデザインには好感が持てる。ふんだんに使われたカーボンも大理石のような仕上げがされていたり、シートやトリムに貼られたレザーの赤も眩しくない品のいい色だ。よくできたヘッドアップディスプレイが装備されているのも好印象だった。
ロータス エレトレの運転席まわり。見やすいヘッドアップディスプレイがあればスピードなどを表示するモニターは小さい方がいいかもしれない。サイドカメラも違和感はない。エレトレの値段からすると、スイッチ類にもう少し高い質感があった方がいいかもしれない。ロータス初の5ドア、そしてSUVとなれば積極的に後席に座ってロングドライブも楽しみたい。ヘッドレストには「ACBC」の文字。運動性能エレトレには、高電圧配電システムが統合された、800vEVアーキテクチャが採用されている。バッテリーパックと電気モーターは地面に近くに搭載され、低重心を実現している。ロータスの優れたハンドリングが実現するわけだ。電気モーターは二つ、前輪、後輪をそれぞれが駆動する。システム出力は600hp、0-100km加速は2.9秒!最高速度は260km/hで制御がかかる。
パワーとパフォーマンス
パワー600hp / 608.3ps~バッテリー100+kWh最高速度260km/h0-100km/h 加速3.0 秒以下航続距離WLTP 600kmさすがにロングホイールベースのエレトレをコーナリングマシーンに仕立てるのは無理かもしれないが、サスペンションはリアに、5リンクサスペンション、標準装備にはエアサスペンションとコンティニュアスダンピングコントロール(CDC)が含まれている。アクティブライドハイト、アクティブリアアクスルステアリング、アクティブアンチロールバー、ブレーキによるトルクベクタリングがオプションで可能。これらハイテク装備が並ぶと否が応でもワインディングロードをこの巨体がひらりひらりとこなしていく姿を思い浮かべてしまう。さらに、ステアリング、ダンパー設定、パワートレイン、アクセルペダルのレスポンスを調整する4つのドライブモード(レンジ、ツアー、スポーツ、オフロード、インディビジュアル)が標準装備されるからどんなシチュエーションでも運転するのが楽しくて仕方ないだろう。
この「ロータス エレトレ S」はブロッサムグレーという名前で、見る角度、明るさによってパールホワイトからピンク、パープルまで変化する凝った塗料でペイントされていた。「ロータス エレトレ」猛烈なドライビングダイナミクスで魅了しつつ、これほどまでに万人に親和性の高いロータスはかつて存在しない。電動テールゲート、シートにはランバーサポート、ソフトで心地よいレザーアームチェアでくつろぎ、後ろには家族と子供のためのスペースがある。価格は23,320,000円。
高級SUVの世界でエレトレはどう戦っていくのか?メルセデス Gクラス、ポルシェ カイエン、レンジローバー、ベントレー ベンテイガ、ロールス・ロイス カリナン、ランボルギーニ ウルス、フェラーリ プロサングエ。競合ひしめく中で勝ち目はあるのか?存在価値はあると思うので、高級SUVを購入できて、ロータスをよく知らない人たちがどのような反応を示すのか楽しみである。従来のロータスファンに加えて、新しいロータスファンをどれだけ取り込めるのかがポイントか。とにかくたくさん売れて欲しい。
続いてロータス初の4ドアGT「LOTUS EMEYA(ロータス エメヤ)」が登場する。これはもう期待しかない!
最後になりましたが、貴重なエレトレのハンドルを握ることを快く許してくださったLCIの広報担当N様にはお礼を申し上げます。いつもありがとうございます!
Text&Photo:アウトビルトジャパン
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