■ボーイング787-8型機の前に新型「レヴォーグ」がずらり
2020年10月15日に、スバルから新型「レヴォーグ」が発表されました。日本にジャストなワゴンとして開発されたレヴォーグは2014年に初代モデルが発売され、新型は初のフルモデルチェンジを受けた2世代目。
【画像】新型「レヴォーグ」が小さく見える! 飛行機と大きさのギャップが半端ない(35枚)
実質的に日本におけるスバルのフラッグシップモデルとなり、新型では高速道路の渋滞における手放し運転を実現する「ハンズオフ機能」を設定するのをはじめ、同社の最新技術が多く搭載されているのが注目すべき特徴といえるでしょう。価格は310万2000円から409万2000円(消費税込、以下同様)です。
スバルによると、先行予約期間となる8月20日から10月14日までに受けた予約台数は8290台と好調なスタート。
ハンズオフ機能などを組みこんだ高度運転支援システム「アイサイトX(エックス)」はフル液晶のメーターパネルや11.6インチと特大のセンターインフォメーションディスプレイとセットで「EX」系のグレードに搭載されています。
非装着車に対する価格差は38万5000円。先行予約を受けた車両のうち、じつに93%が選んでいるというからユーザーからの関心も高いようです。
そんな新型レヴォーグの発表会は今回、コロナ禍ということもあり多くのメディア関係者を招待して開催するのではなく、YouTube配信によるオンラインイベントとなりました。
それ自体は昨今増えているパターンですが、異例だったのが会場。なんと飛行機の格納庫でおこなわれたのです。
会場となったのは、成田空港脇にある「JAL成田Aハンガー」。かつて大型機の主力だったボーイング747-400型機が2機収容できることを前提に作られたこともあり、延床面積は1万2583平方メートルと広大な空間です。
当日はボーイング787-8型機の前に3台の新型レヴォーグを置いて発表会が進められました。
ところで、どうしてスバルは新型レヴォーグの発表会場にここを選んだのでしょうか。そこには、新型レヴォーグと航空会社に共通のテーマがあるからといいます。
スバル広報部は「新型レヴォーグは最高水準の安全性を実現するという目標があり、また移動の自由も味わって欲しい。それらは航空会社と共通するテーマです。そこで、JALの協力を得て航空機とのコラボとなったのです」といいます。
また、同社取締役社長の中村知美氏は「移動する楽しみを提供するという意味でも、スバルとJALは共通する」とも説明しました。
■新型コロナ禍での発表会ならではの苦労も
しかし、それだけではありません。
この発表会がオンライン中継され、多くの人が見ることのできるイベントだったことも影響しているようです。
スバル広報担当者は「多くのファンに見ていただけるよう、特別なことをしたいと考えました。一般的な新車発表イベントにはない、興味深く見てもらえるような映像を提供したい。そこで航空機の格納庫での開催としました」と教えてくれました。
さらに、航空機とスバルは切っても切れない関係にあるといえます。
まず、スバルのルーツは1917年に設立された「中島飛行機」という航空機メーカーです。そして現在でも同社には航空機部門である「航空宇宙カンパニー」が存在。
なにを隠そう、発表会場に置かれたボーイング787型機の機体の一部(中央翼と呼ばれる左右の主翼をつなぐ胴体下の部分)は全機体分をスバルが製造しているのですから縁は深いのです。
また、JALとスバルはこれまでもコラボを実施。
そのひとつがドイツのニュルブクリンクでおこなわれる24時間耐久レースの参戦車両をJALが旅客機で運搬したことです。今回もオンライン中継終了後に新型レヴォーグを787に積み込むデモンストレーションもおこなわれました(787型機の貨物室は車両も積載できる構造になっています)。
※ ※ ※
新型コロナウイルスの影響を受け、各自動車メーカーは発表イベントも「ニューノーマル」に対応したスタイルを模索しています。
そのひとつの形として開催された今回のイベントは、空港関係施設というだけあって厳しいセキュリティに加え、場所柄、登壇者以外はすべての人がヘルメット着用を求められるなど取材する側としても異例なものでした。
新型コロナウイルス感染対策として会場へ入れる人数にも制約を受け、現場に入って対応するスタッフの人数も絞られるなど、スバル側も試行錯誤のイベントだったようです。
しかし、スバルファンにとっては非常に興味深い催しとなったのではないでしょうか。発表会の様子は同社の公式YouTubeチャンネル「SUBARU On-Tube」で見ることができます。
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