■フルモデルチェンジから3年経過した今もスズキ「スペーシア」が売れ続ける理由とは?
軽ハイトワゴンのなかで、ホンダ「N-BOX」に次いで人気を集めているのが、スズキ「スペーシア」です。
全国軽自動車協会連合会によると、スペーシアの2020年上半期における販売台数は6万5323台で、軽自動車全体で2番目の販売台数を誇っています。
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スペーシアの初代モデルは2013年に登場し、標準モデルの「スペーシア」、「パレットSW」の後継車として誕生した「スペーシア カスタム」、追加モデル「スペーシア カスタム Z」が展開されました。
その後、2017年にフルモデルチェンジを遂げ、2代目となる現行モデルが登場。初代モデルから引き継がれる「スペーシア」、「スペーシア カスタム」に加え、2018年にはSUVテイストを加えた派生モデルとなる「スペーシア ギア」も追加されます。
では、2017年のフルモデルチェンジ以降、スペーシアの販売動向はどのように変化しているのでしょうか。
フルモデルチェンジを遂げた2017年の販売台数は、11万3691台(6位)。2018年は15万8397台(2位)、2019年は15万9799台(3位)との結果です。
この数値からも、フルモデルチェンジから3年が経過する現在も、好調な販売台数を誇っていることが分かります。
では、なぜスペーシアは、今もなお人気が衰えることなく売れ続けているのでしょうか。スズキ販売店の担当者は、次のように話します。
「スペーシアのように背の高いトールワゴンは、軽自動車の中でも主力となります。さらに、スペーシアは高い安全性を誇るほか、燃費のいいハイブリッド車であるといった点からも多くのユーザーの支持を集めています。
高さがある分、広々とした居住空間を確保でき、スライドドア式で乗り降りもしやすいので、おもに家族連れや高齢者からのニーズが高い傾向にあります」
また、スズキ販売店によると、スペーシアよりもスペーシアギアのほうが好調な販売台数を誇っているといいます。
スペーシアギアは、現行スペーシアよりも1年遅れて登場し、販売から2年弱という新しいモデルという点も、多くの人から支持を受ける理由となっているようです。
また、いま流行りのSUVテイストが採り入れられているほか、全車にスズキの予防安全技術「スズキ セーフティ サポート」が搭載されていることで、より安全性の高いクルマとして展開されていることも、人気を集める理由のひとつです。
■標準、カスタム、ギア、どれが人気なのか?
いまもなお人気の絶えないスペーシアのグレードやオプションには、さまざまなものが展開されています。実際にスペーシアを購入するユーザーは、どんなグレードやオプションが選んでいるのでしょうか。
前出とは別のスズキ販売店の担当者は、次のように話します。
――スペーシアの人気のグレードについて教えてください。
スペーシアには、大きく分けて3つのグレードがあります。ベースグレードのスぺーシア、上級グレードのスペーシアカスタム、アウトドアテイストのスペーシアギアの3つです。
そして、スペーシアを購入した全体の約7割のユーザーが、カスタムとギアを選んでおり、スペーシアは約3割程度の販売台数です。
スペーシアギアが登場する前は、吊り目で横長の“ちょいワル顔”をしたスペーシアカスタムとスペーシアのみの展開だったため、スペーシアカスタムへの男性ユーザーからの人気が目立ちつつも、どちらかというとスペーシアの販売台数が伸びていました。
しかし、丸目のヘッドライトが特徴的なやわらかいデザインのスペーシアギアが登場したことで若い女性からの人気を集め、夫婦でクルマを検討される際も、スペーシアギアを選ばれる機会が増えるなど、3グレードの中で圧倒的に選ばれるモデルとなりました。
――スペーシアのなかで人気を集めているオプションは?
オプションは個々の目的によって大きく異なるため、一概にこれが人気とはいい切れないのが正直なところです。
スペーシアに限った話ではありませんが、フロアマットやドアバイザー、ETC、ドライブレコーダーといった基本的な装備に加え、9割近くのお客さまはカーナビを選ばれます。また、ボディコーティングも意外と多い印象です。
こうした必需品以外では、バックドアのエンブレム付近に付けるデコステッカーがあげられます。なかでも、クマが2体並んだデザインのものが人気を集めています。
このステッカーは、スペーシアカスタムとスペーシアギアのみに適用できるオプションとなっており、購入されるお客さまの大半がクマのステッカーを選んでいます。なぜ、クマが人気なのかは不明です(笑)
また、スペーシアギアを選ばれる人のなかには、趣味でアウトドアを楽しむユーザーも多いので、リアシートを倒したときに使うラゲッジマットなども人気です。
※ ※ ※
スペーシアシリーズには細かくグレードが設定されており、グレードによっても販売台数に差が出ているとスズキ販売店は話します。
「スペーシアは、GとXの2種類が展開されており、全体の約9割がXグレードを選んでいます。このグレードは、ある程度必要な装備が整ったうえでのパッケージ価格となっているため、求めやすい価格帯であることが大きな理由です。また、Xグレードは両サイド電動スライドドアであることも、選ばれている理由のひとつです。
スペーシアカスタムとスペーシアギアは、ノンターボモデルとターボモデルの2種類が用意されており、ターボモデルのほうが販売台数を伸ばしています。
街乗りメインのセカンドカーとして利用する場合はノンターボでも十分ですが、家族みんなで遠出をする際に、ターボモデルの方がパワーがあるため選ばれているようです」
※ ※ ※
フルモデルチェンジから3年が経過したいまもなお、根強い人気を誇るスペーシアは、燃費や安全性といった観点から多くのユーザーに親しまれています。
また、2018年に登場したスペーシアギアの登場により、丸目の可愛らしいヘッドライトデザインが若い女性ユーザーの心を掴んだことで、好調な販売台数を伸ばす後押しをしているようです。
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