223万円の中間グレードがコスパ高い!! 残クレより通常ローン!? トヨタ アクアの最新バイヤーズガイド

　2021年から販売を続ける、現行型の2代目アクア。良品廉価な先代と異なり、クルマとしての質を大幅に向上させた人気モデルだ。登場から約2年半が経過するも、販売台数は衰えを見せない。「いい」クルマのアクアを、さらに良くする買い方がある。グレード選択から支払い方法まで、アクア購入時のポイントを深堀していこう。

文／佐々木 亘、写真／トヨタ

■人気のグレードはZだが……

変わらぬ人気のトヨタ アクア。最も人気のグレードは最上級のZだが、一つ下のGグレードも捨てがたい

　アクアで最も人気を集めるグレードは、最上級のZだ。購入者の約4割が選択している。車両本体価格は2WDモデルで240万円。専用エクステリアと10.5インチのディスプレイオーディオを装着するのが特徴だ。

　購入ターゲットがアクアだけなら、この選択は悪くない。アクアだけで比較すれば、Zグレードが、お得感が高いし満足もできる。ただ、一つ下のGグレードも捨てがたい。

　アクアのZとGの主な差は、Bi-Beam LEDヘッドランプ＋LEDのターン＆クリアランスランプの装着（Gは2灯式のLEDヘッドランプ）と、ディスプレイオーディオのインチ数（Zが10.5インチ・Gが7インチ）だ。ヘッドランプユニットが11万円、ディスプレイオーディオは3万8500円でアップグレードできる。

　アクアGの車両本体価格は223万円（2WD）であり、Zとは17万円の差がある。おおむねヘッドランプとディスプレイオーディオの差（14万8500円）が、価格差のほとんどを占めており、この装備が必要か否かでグレード選びが変わってくるのだ。

　もしもアクアとヤリス・フィット・ノートあたりで比較検討している場合は、アクアのZグレードだと、他車との価格差が気になるところ。自身の中で購入ターゲットが絞り込めない時には、ぜひアクアをGグレードで選択肢に加えてみると、その差がハッキリするはず。

　アクアの広さや走りの良さ、質の高さはGグレードでも十分に堪能できる。人気の上ではZだが、比較検討するならGがベスト。

　高額なLEDヘッドランプと大型ディスプレイオーディオは選択せず、浮いたお金でアドバンストパークなどの駐車支援の安全装備を手厚くする方が、ハイクラスコンパクトのアクアらしいと思う。

■支払いは払い切りを基本にせよ

2022年11月の一部改良と同時にGRスポーツも追加された

　支払方法では、流行りの残価設定といきたいところだが、ここは手堅く「払い切る」方法を選んでほしい。

　人気モデルのアクアなのだが、リセールバリューはそれほど高くない。ディーラーの残価率では、3年残価ローンで50％を切ることも。リセールバリューなら、ヤリスの方が少し上の存在になる。

　アクア購入の前提条件となるのが、ある程度の長期保有を見通すこと。残価設定ローンは使わず、3年（長くとも5年）の通常ローン（払い切り）を利用したい。もちろん、現金一括払いもOKだ。

　もしも、短期間の保有予定という場合には、ローンや現金払いは使わずに、KINTO（サブスク）を利用する方が無難。アクアで3年の残価設定を使うと、契約満了時にローンの残りを車両価値が下回ることが多くなる。

　少なくとも車両価値が残債を大きく上回るケースがほとんどないため、短期保有なら手放し時に手出し金の無いKINTOの方が安心だ。

　Gグレード選択と、保有予定期間に合わせた支払方法を選びが、多方面に「いい」クルマであるアクアの買い方。他のコンパクトカーとは大きく違う、安定感のある乗り味を、ライバル並みのお値打ち価格で、ぜひ体感してほしい。