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国産車よりお買い得!? 欧州ベストセラーSUV ルノー新型「キャプチャー」の走りはどう?

掲載 更新 14
国産車よりお買い得!? 欧州ベストセラーSUV ルノー新型「キャプチャー」の走りはどう?

■ダウンサイザーを意識して室内の質感も大幅に向上

 まだBセグメントのコンパクトSUVが少なかった2013年に世に出たルノーの初代「キャプチャー」は、全世界で170万台以上が販売されるほどヒットした。

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 やがて同カテゴリーがすっかり激戦区となっても、その立役者であるキャプチャーが2019年に2代目にスイッチするや、翌2020年の欧州での新車販売台数でSUVでは首位に立ち、全体の車種別でも7番目に名を連ねるほどの売れ行きを見せているというからたいしたものだ。そんな2代目新型キャプチャーが日本にやってきた。

 ルノーのデザイン担当役員、ローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏が手がけた、もともと評判のよかったスタイリングも、より際立った印象を受ける。緻密な面に巧みに直線を組み合わせた凝った造形のボディパネルに、各部に配されたシルバーのアクセントや、前後のCシェイプのランプなど、全方位どこから見てもスキがない。奇抜さを追求することなく、あくまで常識的ななかで、これほど目を引くスタイリングを実現したのも「さすが」というほかない。

 中身は全面刷新されていて、ルノー、日産、三菱の共同開発によるCMF-Bプラットフォームを採用し、ボディサイズは全長が初代比プラス95mmの4230mm、全幅がプラス15mmの1795mm、全高がプラス25mmの1590mm、ホイールベースがプラス35mmの2645mmとなった。

 少し小さくなった新型ルーテシアとは対照的に、全長が約10cmも拡大されたのは、「ジャストサイズ」という考え方による。最近ではCセグメントからのダウンサイザーが増えていることから、人や荷物を載せるときに不満のないよう、足りないところを補うためだ。

 おかげでフロントシートの座面長がプラス20mm、運転席と助手席の間隔がプラス15mm、後席のニースペースがプラス17mm、左右席間がプラス40mmそれぞれ拡大しており、後席にも空調の吹き出し口やUSB電源など、新型ルーテシアにはない装備が与えられて快適性が高められている。ラゲッジスペースも最大でクラストップの536リッターという広さを誇り、16cm前後スライド可能なリアシートや可動式のフロアボードにより使い方に合わせてアレンジできる。

 インテリアも、人の手が触れそうなところの大半にソフトパッドを配するなど、質感が格段に引き上げられているのは一目瞭然だ。加えて、アップライトな着座姿勢に合わせて宙に浮かせたような「フライングセンターコンソール」を採用したのも、操作性と収納性の両面でナイスアイデア。ドライバーがより運転に集中できるよう、すべてが運転席側に傾斜しているのも助かる。

「インテンス」はファブリックシート、同「テックパック」では運転席のみ電動のレザーシートとなり、双方ともシートヒーターやステアリングヒーターが装備されるほか、BOSEサウンドシステムやワイヤレスチャージャーなどの装備も同等に付く。一方で、初代の特徴だった「ジップシートクロス」や「コードポケット」といったユニークな装備が事情により廃されたのは少々残念ではある。

■ひとクラス上の余裕あるパワー 先進運転支援装備も充実

 走りも大きく向上している。

 1.3リッター直列4気筒直噴ターボは、車両重量が100kgほど重くなったことへの対応として、最高出力154ps・最大トルク270Nmと、新型ルーテシアの131ps・240Nmよりも出力・トルクともに向上しているが、体感的にはそれ以上のものを感じる。とくに最大トルクの力強さが印象的だ。DCTにありがちなギクシャク感もそれほど気にならない。

「マルチセンス」でスポーツモードに設定すると、レスポンスやトルクの盛り上がり感が向上するほか、ステアリングの手応えが増してタコメーターも表示されるなど、より走る楽しさが高まる。

 走りや乗り心地など、身体に感じる部分の「質」を、クラスを超えるレベルまで大きく引き上げたというだけあって、足まわりの仕上がりも上々だ。

 初代が出た当初のような突っ張った印象もなく、乗り心地はいたって快適。それでいてロールも適度に抑えられていて、コーナリング時の動きも掴みやすく、俊敏なハンドリングを楽しめる。

 半面、現状ではやや曲がり過ぎる感もあり、揺り返しの挙動が出やすい気もしなくないが、そのあたりはおいおい改善されることに期待しよう。また、初代の後期型にあったしっとり感が薄れ、かわってキビキビ感のほうが前面に出ているのは好みの分かれるところかもしれない。

 先進運転支援装備も、同門で同分野に長ける日産の協力もあってか、基本的な機能が充実したのはもちろん、車線逸脱の警報だけではなくレーンセンタリングアシスト機能が設定されたり、標準で360°カメラが装備されたのは大歓迎だ。

 日本でも初代はそれなりに注目されたとはいえ、ベストセラーSUVとして君臨する欧州での存在感からすると、まだまだ認知度が低いのは否めなかった。そこに現れた2代目は、こんなにオシャレで完成度も高まり、装備も充実したにもかかわらず、価格は299万円からというのは、かなりお買い得ではないかと思う。

 もっと多くの人に目を向けてもらうべき、価値あるニューモデルである。

Renault CAPTUR INTENS PACK
ルノー・キャプチャー インテンス パック

・車両価格(消費税込):319万円
・全長:4230mm
・全幅:1795mm
・全高:1590mm
・ホイールベース:2640mm
・車両重量:1310kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1333cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速EDC(DCT)
・最高出力:154ps/5500rpm
・最大トルク:270Nm/1800rpm
・タイヤサイズ前後:215/55R18
・WLTCモード燃費:17.0km/L

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みんなのコメント

14件
  • これはいいね、ちょい運転する機会があったがこの乗り味は国産では出ないね。
  • 旧型キャプチャーも乗りやすく買いたいと思いましたが、安全装備が劣っていたのと希望の色がなかったので別車になりました。新型ヴェゼルも酷いスタイルだったし、新型は全て良くなって価格も国産SUVと変わらないので次回購入ランキング1位ですね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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