現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 手の届きやすいEVは中国のだけにあらず! タジマモーターが開発する超小型EVに注目!!

ここから本文です

手の届きやすいEVは中国のだけにあらず! タジマモーターが開発する超小型EVに注目!!

掲載 更新 19
手の届きやすいEVは中国のだけにあらず! タジマモーターが開発する超小型EVに注目!!

 ここにきて「超小型モビリティ」というカテゴリーの電気自動車が賑やかになってきた。トヨタは『C+pod(シーポッド)』と呼ばれる2人乗りタイプを。

 出光興産とタジマモーターも4人乗りタイプを共同で開発中とのこと。はたまた佐川急便によれば、軽トラックの代替に電気自動車を導入するという。今後どういった動きになるだろう?

日本クルマ界の黄金期「平成」31年間を振り返る 消えたスポーツモデル 人気車 販売台数

 これからの超小型モビリティ事情を考察していきたい。

文/国沢光宏
写真/TAJIMA-EV、TOYOTA、WULING MOTORS

【画像ギャラリー】なんとモンスター田島が参戦 !? 話題の超小型EVを見る!

■大都市部の商用交通網、EV化が加速中 !?

 まず「なぜ電気自動車か?」ということから。

 今やカーボンフリーは世界的な流れになっている。「好き嫌い」とか「コストが」など関係無く、優良国際企業の多くが出入りの業者にカーボンフリーを要求し始めている。つまり宅配業者が国際企業の荷物を運ぼうとしたなら、カーボンフリーのモビリティを使うしかない、ということです。

 もう少し詳しく書くと、アマゾンが「自社の荷物を運ぶなら運送用車両をカーボンフリーにして欲しい」と言ったら、そのとおりにするしかない……ということが世界的な流れになってきているのだった。エンジン車出入り禁止、今後急速に増えていくと思う。乗用車より早いタイミングで商用車の電気自動車化は進む動きになってます。

「モンスター田嶋」こと田嶋 伸博氏が代表を務める株式会社タジマ。慶應義塾大学研究室開発の『エリーカ』を電動車両技術の流れに持つ企業だ

 出光タジマの超小型電気自動車も、4人乗りの乗用モデルだけでなく1人乗りのトラックバージョンを用意しているというから、これまたニーズ出てくると思う。2021年の後半から大半の宅配業者が超小型電気自動車の導入を発表することになるだろう。皆さん考えるよりずっと早いタイミングで世界は動き始めている。

■超小型モビリティはポスト軽自動車となるか

 改めて、超小型電気自動車を紹介してみたい。

 2020年9月に国土交通省は超小型モビリティの新規格を発表した。出光タジマが新規格に沿って開発中の超小型電気自動車は、全長2495mm×全幅1295mmと、360cc時代の軽自動車のサイズ感のボディを(スバル360やホンダN360の車幅は1295mm)、20馬力のモーターで駆動する。

 スバル360やホンダN360は大人4人が乗れたし、低い回転域から太いトルクを出すモーターの出力特性を考えれば最高出力だって必要にして十分。おそらく80km/hくらいで巡航出来る性能だろう(60km/hの速度リミッターが義務付け)。市街地なら十分交通の流れに乗れると思う。皆さんイメージしてるオモチャのようなクルマじゃない。

写真は『C+pod』。全長2490mm×全幅1290mmと、出光タジマのEVとほぼ同じで超小型モビリティの「型式指定車」に収まる寸法だ。動力のモーターは出力9.2kW(12.5馬力)

 ちなみに中国では遊園地の乗り物的な従来の超小型電気自動車と一線を画す『宏光MINI』という新世代モデル(中国ではKカーと呼ばれている)が登場してきており、爆発的な売れ行きになっている。このクルマ、超小型電気自動車のイメージを根底からひっくり返すくらいの完成度とコストパフォーマンスを持っているのだった。

 クルマとしてのベースはGM(米)のノウハウを取り入れたGM五菱という大手メーカーが開発し、14kWhという実用航続距離で120kmに達する容量のリン酸鉄リチウム電池を搭載。最高速105km/hという十分な性能を持ち、エアコンまで装備して60万円とリーズナブル。今までなら中国でも120万円以上していたようなスペックです。

 日本だと理解しにくいかもしれないけれど、超小型電気自動車でいえば革命のようなもの。中国、宏光MINIの登場で既存のクルマはすべて競争力を失った。今や中国の小型電気作りは宏光MINIがベンチマークになっている。

 出光タジマの超小型モビリティや、佐川急便の小型電気トラックは中国で生産されるため、当然ながら宏光MINIレベルになります。

宏光MINIは全長2917mm×全幅1493mmの4人乗りで13 kW(17.4馬力)のモーターを搭載する。中国国内仕様は、最高級モデルでも日本円で60万円程度。欧州進出も計画しているが、そちらでは中国仕様の倍程度の価格になる可能性があるとのこと

 日本の企業が品質をコントロールしてやることで、中国工場で作っても良品になる。今や中国工場で作られている日本ブランドの製品、いくらでもありますから。60万円で売られている宏光MINIと同じスペックを100万円くらいの価格にして日本発売すれば、軽自動車を足として使っているユーザーの多くが乗り換えると思う。

 御存じのとおり昨今は農村部に行くとガソリスタンドが激減してしまった。ガソリン入れに行くのに30分走る、みたいな地域まで出てきてます。出光タジマEVなら一般家庭の100V電源を使い充電可能。スペック表にある充電8時間は電池使い切った時のもの。10km走る毎に1時間をイメージしておけばいいと思う。電気代は10kmで20円程度。

 超小型モビリティは軽自動車よりランニングコストも優遇される。というか電気自動車ならすべて免税です。100万円で安い移動手段になれば、軽自動車から乗り換える人もたくさん出てくることだろう。

 3~4年すると都市部の宅配便は超小型電気トラック。農村部の足として超小型モビリティが走るようになっているかもしれません。

【画像ギャラリー】なんとモンスター田島が参戦 !? 話題の超小型EVを見る!

こんな記事も読まれています

大変失礼だけど[イタフラ車]だけで大丈夫なの!? しかも土地代バカ高い世田谷だよ!? 老舗ラテン系専門中古車店のビジネスの実態が衝撃
大変失礼だけど[イタフラ車]だけで大丈夫なの!? しかも土地代バカ高い世田谷だよ!? 老舗ラテン系専門中古車店のビジネスの実態が衝撃
ベストカーWeb
アロンソの“個人的な要望”から生まれたV12+6MTの限定車『ヴァリアント』がグッドウッド出走へ
アロンソの“個人的な要望”から生まれたV12+6MTの限定車『ヴァリアント』がグッドウッド出走へ
AUTOSPORT web
「失敗作の汚名挽回!!」大胆イメチェンで一発逆転!! 大成功したクルマたち
「失敗作の汚名挽回!!」大胆イメチェンで一発逆転!! 大成功したクルマたち
ベストカーWeb
ガソリンがリッター424円! 激高なアウトバーンのスタンドで給油せずに節約するためにとった方法とは?【みどり独乙通信】
ガソリンがリッター424円! 激高なアウトバーンのスタンドで給油せずに節約するためにとった方法とは?【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
フォルクスワーゲンが新型車5モデルを同時に発表|Volkswagen
フォルクスワーゲンが新型車5モデルを同時に発表|Volkswagen
OPENERS
【635ps/750Nm】トップ・オブ・新時代ディフェンダーあらわる ランドローバーからディフェンダー・オクタ発表
【635ps/750Nm】トップ・オブ・新時代ディフェンダーあらわる ランドローバーからディフェンダー・オクタ発表
AUTOCAR JAPAN
非ハイブリッドの「欧州最速」仕様 ポルシェ・カイエン GTSへ試乗 コレぞ運転を楽しめる大型SUV!
非ハイブリッドの「欧州最速」仕様 ポルシェ・カイエン GTSへ試乗 コレぞ運転を楽しめる大型SUV!
AUTOCAR JAPAN
F1パワーユニット開発に取り組むアウディ、すでにレース距離のシミュレーションも実施。他カテゴリーでの経験が大きな資産に
F1パワーユニット開発に取り組むアウディ、すでにレース距離のシミュレーションも実施。他カテゴリーでの経験が大きな資産に
AUTOSPORT web
中国からの刺客 BYD新型EVスポーツセダン「SEAL(シール)」販売開始 
中国からの刺客 BYD新型EVスポーツセダン「SEAL(シール)」販売開始 
AUTOCAR JAPAN
フォルクスワーゲン、5つの新型車を同時発表『Tクロス』『ティグアン』『パサート』『ゴルフ/同ヴァリアント』が順次発売
フォルクスワーゲン、5つの新型車を同時発表『Tクロス』『ティグアン』『パサート』『ゴルフ/同ヴァリアント』が順次発売
AUTOSPORT web
BMW、現行『4シリーズ』のクーペとカブリオレを刷新。新デザインのLEDヘッドライトを採用
BMW、現行『4シリーズ』のクーペとカブリオレを刷新。新デザインのLEDヘッドライトを採用
AUTOSPORT web
プジョー陣営のハンセンが原点“レッド”に回帰。新たな市街地戦構想にBTCC王者も興味/WorldRX
プジョー陣営のハンセンが原点“レッド”に回帰。新たな市街地戦構想にBTCC王者も興味/WorldRX
AUTOSPORT web
約550万円! トヨタ新型「86」特別モデルに予約殺到!「戦艦」モチーフの“斬新デザイン”がカッコイイ! 予想を超えた「驚きの声」とは
約550万円! トヨタ新型「86」特別モデルに予約殺到!「戦艦」モチーフの“斬新デザイン”がカッコイイ! 予想を超えた「驚きの声」とは
くるまのニュース
欧州に「本腰」入れる中国メーカー 長城汽車(GWM)が本格上陸 「嗜好」の違い課題に
欧州に「本腰」入れる中国メーカー 長城汽車(GWM)が本格上陸 「嗜好」の違い課題に
AUTOCAR JAPAN
テスラやボルボにもマッチ! プレミアム輸入車の足元によく合う鍛造削り出しのシャープなデザインがカッコよすぎるウェッズ「FZ-6」とは
テスラやボルボにもマッチ! プレミアム輸入車の足元によく合う鍛造削り出しのシャープなデザインがカッコよすぎるウェッズ「FZ-6」とは
Auto Messe Web
【MC20がベース】 今季そのまま参戦のコンペティションモデル マセラティGT2にモデナで試乗
【MC20がベース】 今季そのまま参戦のコンペティションモデル マセラティGT2にモデナで試乗
AUTOCAR JAPAN
レーシングカーのマフラー音をBGMに睡眠!? サーキット内常設キャンプ場「RECAMP 富士スピードウェイ」を一足早く“体験”
レーシングカーのマフラー音をBGMに睡眠!? サーキット内常設キャンプ場「RECAMP 富士スピードウェイ」を一足早く“体験”
くるまのニュース
【F1第11戦無線レビュー(2)】「勝てるぞ、ジョージ!」思わぬ勝機が巡ってきたレース終盤。メルセデス代表は大興奮
【F1第11戦無線レビュー(2)】「勝てるぞ、ジョージ!」思わぬ勝機が巡ってきたレース終盤。メルセデス代表は大興奮
AUTOSPORT web

みんなのコメント

19件
  • 先ずはトヨタのコムス改良開発し2人乗りにして50〜60万で販売したらどうだろう?
  • 日本には既に軽自動車という世界にあまり類を見ない自動車規格が存在するのに、さらに下の自動車規格を設ける必要性を感じない。現行軽自動車規格で電気自動車を作ればよいと思うがそうならない理由はあるのだろうか?小型モビリティで事故ったらあの世行きってのは行政の無責任だと思う。現行軽自動車が安全衝突基準のミニマムであるはずでありその担保のために360㏄の時代から巨大化したのだから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村