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ネットでポチれば「10リッター1000馬力エンジン」が誰でも買える! 通販天国アメリカのぶっとんだ売り方と怪物エンジンの使い道

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ネットでポチれば「10リッター1000馬力エンジン」が誰でも買える! 通販天国アメリカのぶっとんだ売り方と怪物エンジンの使い道

 この記事をまとめると

■アメリカでは1004馬力・10.36リッターのV8エンジンZZ632をネット通販で購入できる

世界で一番愛されているスポーツカーのエンジンはV8 OHVってマジか!? 直4でもV6でもV12でもない理由はドコにある?

■ZZ632はレース用エンジンであるが法規がクリアできるエリアであれば公道使用も可能だ

■ZZ632の搭載には特別な加工が必要なくほぼポンづけで載せ替えることができる

 ネット販売が進んでいるアメリカは売っているものも先鋭的

 昔からアメリカは通販文化が進んでいて、ほとんどなんでもカタログから注文できたようです。ログハウスを作りたいとなれば一軒分の丸太が届き、数は限定されながらもエジプトの棺付きミイラなんて珍品すら通販できました。いまではインターネットのおかげで、通販文化も飛躍的に発展し、ポチっとできる商品のビックリ度合いもパワーアップすることしきり。

 例えば、GMは昔からクレートエンジン(エンジン単品で木箱に入れて販売しているもの)をカタログに載せていますが、1004馬力のビッグブロックも通販しています。自分の愛車に載せようってんでポチろうものなら、ボンネット突き破るんじゃねってくらいバカバカしくも、心躍るニュースです。

 本国のシボレーブランチはこれまでもクレートエンジンをずっと販売し続けてきました。ビッグブロックやスモールブロックにとどまることなく、LT、E-ROD、あるいはつい先日ディスコンとなってしまったスーパーチャージャー付LT5など、これらすべてがポチれます。

 スポーツカーやパワーボートもさることながら、でっかいトラクターをパワーアップするとか、使う方も使う方ですが、売る方も売る方で、やっぱりアメリカ人っていい意味でバカみたい(笑)。

 しかも、1004馬力がラインアップするまでもっとも強力だったエンジンだって727馬力、680lb-ft(94kg-m)というお化けのようなパワーを発揮するZZ572ビッグブロック。シボレーではレース用として販売しているものの「オイラのエルカミに載せるズラ!」なんてユーザーがごまんといるというのもアメリカ的なところでしょう。

 1000馬力超のV8が通販されてるクルマ天国のアメリカ

 そんなシボレーが満を持してリリースしたのがZZ632、ネーミング通り632ci(10.36リッター)で1004馬力/6600rpm、121kg-m/5600rpmとハイパーEVあっち行けってくらいのパフォーマンス。もちろん、レースを前提として開発されているものですが、シボレーはストリートでも法規がクリアできるエリアであれば使用可能(牽引車)としています。

 ピークパワーは6600rpmで発揮して、許容回転は7000rpm、また4000rpmで600馬力、5000rpmでも800馬力といいますから、エルカミやベルエアなんかに積んだら痛快を通り越して、文字どおりボンネット突き破りそう(笑)。

 とはいえ、技術的なバックボーンは素晴らしいもので、たとえば新設計のRS-Xと呼ばれるシリンダーヘッドはガチなレース用ヘッド「Pro Stock」を進化させた優れモノ。バルブ角度をIn:12°、Ex:8.5°に変更し、バルブサイズを拡大、そしてセンタープラグ化することで気流の最適化を実現しています。

 設計はシボレーのレース部門で名を馳せたロン・スペリーで、ストックカーレースでシボレー躍進の立役者といわれています。スペリー氏によると「シリンダーヘッドの燃焼室は非常に小さいため、高圧縮が可能となっています。また、フラットなピストンを採用することで、燃焼効率の向上を実現したほか、プロストック用よりも小さなバルブを用いることで空気の流量、スピードも上げることができました」とのこと。

 むろん、ZZ632はヘッドだけでなくハイパワーと耐久性を確保するために、さまざまなチューンが施されています。スポーツマン・ボウタイ・ブロックと呼ばれる鋳造ブロックをはじめ、同じく鍛造のクランクシャフト、コネクティングロッド、そしてアルミ鍛造ピストンといったハイエンドパーツが目白押し。また、電装系もコイルニアイグニッションシステム、クランクトリガー点火システムなど手抜かりのないもので、大排気量OHVとしては高回転型といえるZZ632を高度に制御しているといえるでしょう。

 2022年のSEMAショーでデビューを飾り、メディアから大絶賛をうけたZZ632ですが、やはり欠点を指摘する報道もありました。すなわち、370万ドル(およそ550万円)というプライスタグはZZ572と比べても段違いに高価で「待ち望んでいたユーザーは財布にも1000馬力が必要だ」といった評価。それでも、572ユーザーであれば632へのスワップは特段の苦労はないのかと。というのも、632のブロックは金型を572と共有(ボア×ストロークに差異があります)しているため、マウントや補機の組付けも楽ちん!

 なるほど、こういう報道があるたびに「よっしゃ!インパラに積んだ572を下取りに出して、632ゲットしちゃる!」というアメリカ人がじゃんじゃんポチるのでしょう。ほんと、アメリカってクルマ好きには天国に違いありませんね。

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みんなのコメント

4件
  • MasahisaWatanabe
    10ℓ、1000PSの V8エンジンっていくら何でもデカすぎない?
    ニッサンのGTR用3.8ℓV6ツインターボならひといじりで1000PSは可能だし直6 2.6ℓツインターボも頑張れば1000PSのチューンが可能。アメリカ人はV8が大好きだから仕方ないか。今の時代クリック一つでエンジンまで買えるのは日本も同じ。
    違うのは簡単に公道走行車に積み替えられないこと。アメリカ、イギリスの車事情がうらやましい限り。13年経つと罰側的に重税をかけられる日本はひどすぎる。
  • お願いします
    リッターあたり100馬力はすごい!vtec並みですね!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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