test2023年2月の乗用車全体(軽自動車を含む)の販売台数は35万6,281台、前年比は122.9%と2ヵ月連続で2桁の伸びを示しました。半導体不足に悩まされてきたレクサス(334.9%)、トヨタ(154.0%)の復調が際立つほか、ダイハツ(124.4%)、スズキ(121.3%)、スバル(120.1%)も好調でした。
軽自動車を除く1月の新車販売ランキングは、1位のトヨタヤリス以下、カローラ、シエンタ、日産ノート、トヨタルーミーという上位5車種の順位は、3ヵ月連続で同じとなりました。軽自動車(乗用車)も、ホンダN-BOXの首位は揺るがず、ダイハツタント、ムーヴ、スズキスペーシアまで上位4車種は5ヵ月連続で同じ顔ぶれとなっています。今回も自動車評論家の島崎七生人さんに詳しく解説をしてもらいましょう。
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国産乗用車販売台数 2023年2月(軽自動車を除く)
順位 車名 ブランド名 台数 前年比
1 ヤリス トヨタ 15,760 151.3
2 カローラ トヨタ 14,738 116.6
3 シエンタ トヨタ 11,767 330.9
4 ノート 日産 10,709 109.4
5 ルーミー トヨタ 8,645 77.0
6 ヴォクシー トヨタ 8,523 411.1
7 ノア トヨタ 8,518 382.5
8 アクア トヨタ 8,191 129.7
9 ハリアー トヨタ 7,843 333.6
10 プリウス トヨタ 7,681 230.9
11 フリード ホンダ 7,071 97.0
12 RAV4 トヨタ 6,588 214.5
13 アルファード トヨタ 6,214 136.5
14 ランドクルーザーW トヨタ 5,534 235.8
14 フィット ホンダ 5,531 103.2
16 ライズ トヨタ 5,409 54.6
17 ソリオ スズキ 4,931 171.9
18 セレナ 日産 4,539 75.9
19 ヴェゼル ホンダ 4,375 114.3
20 CX-60 マツダ 4,375 22年9月発売
21 クラウン トヨタ 3,581 235.9
22 NX350H レクサス 3,559 763.7
23 パッソ トヨタ 3,365 115.8
24 ステップワゴン ホンダ 2,926 113.1
25 エクストレイル 日産 2,616 282.2
26 スイフト スズキ 2,290 101.0
27 CX-30 マツダ 2,215 103.9
28 ジムニーW スズキ 2,207 132.7
29 ロッキー ダイハツ 2,002 98.9
30 フォレスター SUBARU 1,752 112.9
31 MAZDA2 マツダ 1,629 53.2
32 デリカD5 三菱 1,579 93.8
33 インプレッサ SUBARU 1,488 152.1
34 C-HR トヨタ 1,454 179.3
35 MAZDA3 マツダ 1,380 74.2
36 クロスビー スズキ 1,338 284.7
37 シビック ホンダ 1,260 171.4
38 リーフ 日産 1,254 80.5
39 トール ダイハツ 1,254 135.6
40 CX-5 マツダ 1,209 33.6
41 NX250 レクサス 1,154 3497
42 キックス 日産 1,120 39.2
43 86 トヨタ 1,062 110.7
44 ロードスター マツダ 998 89.1
45 ハイエースW トヨタ 927 160.1
46 レヴォーグ SUBARU 894 431.9
47 CX-8 マツダ 781 27.0
48 カムリ トヨタ 751 149.9
49 RX500H レクサス 732 22年11月発売
50 UX250H レクサス 704 209.5
※ 上記の台数は車名別の合算値となり、一部教習車などを含みます。
※ 例:ブランド通称名 カローラはカローラシリーズ全車種と教習車を含んでいます。
2ヵ月連続で前年比2桁の伸び
1月の乗用車全体の販売台数が31万8,870台だったのに対し2月は35万6,281台と、およそ3万7,400台の台数が上乗せできた。前年比では122.9%と、1月の117.4%に続き2ヵ月連続で2桁の伸びを見せたことになる。
メーカーごとの台数を見てみると、最も台数を伸ばしたのがトヨタで、1月に対して+2万769台の12万8,575台、次いでホンダ(+4,873台)、日産(+3,900台)、レクサス(3,242台)の順。続くのがスバル(+1,892台)、マツダ(+1,345台)、スズキ(+302台)、ダイハツ(+260台)、三菱(+62台)となっている。この中でホンダは、台数でいえば1月からの伸び率は大きいものの、前年比は94.0%(1月は93.6%だった)にとどまっているほか、マツダも2月の前年比は91.7%に割り込み、1月(124.2%)に較べると勢いが見てとれない。
3倍以上に大躍進のレクサス、その6割がSUV
反対に2月に躍進したのがレクサス。台数を1月の6,283台から2月は9,525台に上乗せし、前年比でみると334.9%と1月の132.3%から大きくジャンプアップした。その内訳は自販連のデータ上ではNX350(32位/3,559台)、NX250(41位/1,154台)、RX500H(49位/732台)、UX250H(50位/704台)と、モデルチェンジ後まもないRXを始め、2月は50位圏内にこれだけのSUV系のモデルが顔を揃える結果に。聞けばレクサスの販売台数のほぼ6割がRX、NX、UXで占めているといい、改めて、SUVの流れはレクサスでもご多分に洩れず……といったところだ。
プリウスもランクイン!トヨタはトップ10の9台を占める
またレクサス以外では、前記のとおりトヨタが1月の前年比116.8%から2月は154.0%と大きな伸びを見せた。動くと大きい規模の差を実感させられるところだが、50位圏内中、実に19の銘柄が入っており、そのほとんどが1月に対して台数を上乗せしたことの結果だ。しかも2月の順位ではトップ10車のうちの何と9銘柄がトヨタ車。トップ3は1位ヤリス(1万5,760台)、2位カローラ(1万4,738台)、3位シエンタ(1万1,767台)と1月と同順位で強さを見せつけており、ひとつ飛んで5位以下の各銘柄も1月に対して台数をプラス。前年比で見ると6位ヴォクシー(411.1%)、7位ノア(382.5%)、8位アクア(129.7%)、9位ハリアー(333.6%)、そして10位に入ったプリウス(230.9%)と心強い。1月のトヨタの国内生産は3ヵ月ぶりに前年超えとなったが、その成果が2月の販売台数に結びついたのだろう。
日産ノート、ホンダフリード、スズキソリオ、マツダCX-60が各社のトップ銘柄
他方トヨタ、レクサス以外で、2月の各社の販売台数のトップとなった銘柄は、10位圏内にトヨタ車以外で唯一食い込む日産ノート(1万709台)を筆頭に、ホンダフリード(11位/7,071台)、スズキソリオ(17位/4,931台)、マツダCX-60(20位/4,375台)、ダイハツロッキー(29位/2,002台)、スバルフォレスター(30位/1,752台)、三菱デリカD:5(32位/1,579台)だった。反対に1月に対し2月に50位圏内から外れたのは、アウトランダー、CX-3、レガシィの3車。37位のシビックは1,260台の販売台数を上げたが、メーカーから受注停止が発表されており、今後の成り行きが気になるところだ。
軽乗用車販売台数 2023年2月
車名 ブランド名 台数 前年比
1 N-BOX ホンダ 19,652 98.39
2 タント ダイハツ 12,743 142.60
3 ムーヴ ダイハツ 10,041 191.73
4 スペーシア スズキ 9,790 140.58
5 ルークス 日産 9,140 137.32
6 ワゴンR スズキ 7,299 109.74
7 アルト スズキ 6,475 105.46
8 タフト ダイハツ 6,065 101.29
9 ハスラー スズキ 5,611 101.19
10 ミラ ダイハツ 5,153 81.63
11 N-WGN ホンダ 4,196 98.78
12 サクラ 日産 4,109 22年6月発売
13 ジムニー スズキ 3,118 83.70
14 eK 三菱 2,318 91.51
15 デイズ 日産 2,181 34.22
※ 車名についてはメーカーごとに同一車名のものを合算して集計しています(アルト、ワゴンR、ミラ、ムーヴ、eK、ピクシスなど)
※eKにeKクロス EVは合算していません
君臨を続けるN-BOX、販促効果のタントも2位をキープするが
軽自動車は2月も販売台数の1位はホンダN-BOXだった。ただし台数を見ると1月の1万9,792台から1万9,652台へと僅かながら数字を落としており、前年比も1月は103.0%だったが2月は98.4%に割り込んだ。そのN-BOXに台数で6,909台ほど差をつけられているものの、2位につけるのがダイハツタント。以下3位ムーヴ、4位スズキスペーシア、5位日産ルークスと、ここまでが1月と同じ顔ぶれと順位。ただし5位のルークスが1月の7,956台から9,140台に販売台数を伸ばしたのに対して、前述のN-BOX以下のタント、ムーヴ、スペーシアはいずれも1月よりも販売台数はそれぞれ落としている。2位のタントは販促に力を入れていたはずだが、1月に較べ2月は1,600台ほど台数を落としている。
久しぶりにハスラーを上回ったタフト、安定的に売れているサクラ
6位以下の上位15位圏内は、顔ぶれ自体は1月とまったく同じだ。前年比を割り込ませていないのは6位のワゴンR(109.7%)、7位のアルト(105.5%)、8位のタフト(101.3%)、9位のハスラー(101.2%)まで。ハスラーは1月の7,180台に対して2月は5,611台に販売台数を落とし、反対にライバル車のタフトは1月の4,788台から6,065台に台数を伸ばしたことで、2月は順位を逆転させ、タフトが久しぶりにハスラーよりも上の順位となった。
ほかにミラ、N-WGN、ジムニー、eK、デイズの各車も、2月の販売台数は1月の数字に上乗せができた。EVのサクラは、1月4,213台、2月4,109台とコンスタントに台数を出している。
※記事の内容は2023年3月時点の情報で制作しています。
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