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レクサスCT生産終了へ──和製プレミアム・コンパクト・ハッチバックの未来とは?

掲載 更新 13
レクサスCT生産終了へ──和製プレミアム・コンパクト・ハッチバックの未来とは?

3月3日、レクサスのコンパクト・ハッチバック「CT」の生産終了が公表された。デビューしたときからCTをしる小川フミオの想いとは。

作り続けられ約11年

レクサスCTに“お買い得”な特別仕様車登場!──今年10月で生産終了へ

レクサスが、ハッチバックの「CT」に“Cherished Touring”を設定し、2022年3月3日に発売したというニュースが飛び込んできた。ハイブリッドのCT200h“version C”がベースで、内外装を特別に仕立てたこのモデル、CTのスワンソング(最後のモデル)になるのだろうか。

というのも“Cherished Touring”のリリースには、「2022年をもって生産を終了致します」と、記されているからだ。

私は個人的にCTがけっこう気に入っている。そもそも2011年の発売なので、2022年の今年でモデルライフ約11年とかなりの長寿車だ。美点は、ちょっと前のクルマだけあって、軽快なハンドリング。意外なほど運転の楽しさがある。

きびしくなる安全基準がクルマをどんどん重くするなかにあって、1400kg程度の車重は、魅力的だ。現行「ゴルフ」と同等であるものの、1797cc直列4気筒ガソリン・エンジンの142Nmの最大トルクに、モーターの207Nmが上乗せされているため、(ゴルフも悪くないけれど)スイスイというかんじで走るのだ。

いまでこそ、トヨタもリチウム・イオン・バッテリーを使うようになり、インバーターの性能も上がり、ハイブリッドのロングレンジ化(航続距離の延長)とハイパワー化が進んでいるが、それに較べると、ほぼ昔のままのニッケル水素バッテリーを使ったCTは“おっとり”している。EV走行レンジも限られている。

とはいえ、4355mmの全長をもつボディと、2600mmのホイールベースの組合せは、ハッチバック車として充分に空間的余裕が確保されたパッケージだし、足まわりもよく動いてショックを吸収するので、乗り心地も快適だ。

室内も、なかなか雰囲気がいい。代表的なものは、シートをはじめとした、色づかい。レクサスのなかではもっとも若々しいといえる。今回の特別仕様車“Cherished Touring”(チェリッシュト・ツーリング)のシートなど、ブラックを基調にしながら、上半分にちょっとダークな色調のクリムゾン(赤)を配して、欧州車もかくやという雰囲気をかもしだしているのだ。

後継車は出てこない?

最近、日本ではハッチバック車の売れ行きが頭打ちとかで、CTはついに終焉を迎えることになってしまった。さきに引例したゴルフなどは“元気”で、2011年から2020年までに3回モデルチェンジ。GTIも出たばかり。対照的ではないか!

アップデート化が限定的だったCT。歩行者検知の衝突回避やブレーキ連動のレーダークルーズコントロールなどを含めた「レクサス・セーフティ・センス+」の搭載など、装備はそれなりに充実がはかられているものの、インフォテインメイントなどの貧弱ぶりは気になる。

スマートフォンを使えば必要ない、という意見も卓見であると思う。が、インフォテインメントシステムの充実は新車紹介のとき、大々的にメーカーが喧伝しているだけに、小さなモニターを含めて、コンテンツが貧弱にみえると、車両の陳腐化につながってしまう。それが残念だと思う。いい例がまさにCTのように私は感じた。

レクサスはこの先、CTのモデルチェンジをおこなわないのではないか? と、思われる。少なくとも、ハイブリッドのハッチバックとしては出てこないだろう。いっぽう、SUV的な要素を入れたクロスオーバー型のボディスタイリングは、可能性があるだろう。

課題は、全長4.4mというサイズのモデルで、「ラグジュアリーなライフスタイルのために」などと謳う、いまのレクサスが目指している世界観が作り込めるのか? それを市場が評価するのか? という点かも。

ピュアEVでもいいのでは

私個人としては、この程度のサイズで、レクサス的というのか、上質な乗り心地や内装などをもったモデルは、ぜひ作ってもらいたい。トヨタ「bZ4X」と中身をある程度共用して、より上質なピュアEVなどがCTの後継車になるのもアリでは? と、私個人は思うが。

そもそもCTだって、ハイブリッド専用車として設定されたモデルである。ハイブリッドのパワートレインで前輪を駆動し、Fスポーツまで設定して、スポーティなモデルが欲しい層への訴求もはかるなどマーケティングも斬新だったと私は記憶している。

“Cherished Touring”は、スピンドルグリル、フロントフォグランプベゼル、リアバンパーベゼルが専用のシルバー塗装になる。車体色は「ソニックチタニウムルーフ」に「グラファイトブラック」あるいは「ソニッククオーツ」という専用の2トーンカラーも設定する。

インテリアでは、さきに触れたとおり、クリムゾンとブラックの2トーンが、シートマテリアル(ファブリック)とドアトリムに使われる。レザー巻きメーターフード、レザー巻きステアリングホイール、センターコンソール、ニーパッドなどはブラック基調で、クリムゾンのステッチが採用される。価格は422万3000円。価値ある1台だ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)、レクサス

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みんなのコメント

13件
  • CTは中身が先代プリウスだからね。
    日産並みの放置状態だったな。^_^
  • > CTがけっこう気に入っている

    たいした上から目線だな、小川フミオ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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