現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 【F1第7戦無線レビュー】フェルスタッペンまで0.7秒差。2位を悔しがるノリス「あと1、2周あったらね」

ここから本文です

【F1第7戦無線レビュー】フェルスタッペンまで0.7秒差。2位を悔しがるノリス「あと1、2周あったらね」

掲載
【F1第7戦無線レビュー】フェルスタッペンまで0.7秒差。2位を悔しがるノリス「あと1、2周あったらね」

 2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGP。2年ぶりのイモラでのレースは、王者マックス・フェルスタッペンの独走とはならなかった。初日から苦労し、なんとかポールポジションを獲得したフェルスタッペンだったが、レースでは前戦マイアミでキャリア初優勝を飾ったランド・ノリスに最後の最後まで追い詰められる展開となった。マイアミGPを無線とともに振り返る。

────────────────────

【全ドライバー独自採点&ベスト5/F1第7戦】初挑戦の難コースで輝いたピアストリ。1周の速さでメルセデスと競える角田

 10番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が会心のスタートを決めて、一気に8番手に上がった。

1周目
ヒュルケンベルグ:よ~し、カモン!

 一方、上位勢では、4番手カルロス・サインツ(フェラーリ)が、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)の猛追を受け、引き離すことができない。

7周目
サインツ:マクラーレンは速い!

 予選Q1落ちを喫し、ピットレーンからスタートしたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)。レースでも苦戦を強いられた。7周目のピットインの際に、前輪の内側から炎が上がった。

8周目
アロンソ:フロントブレーキが燃えている!
クリス・クローニン:フェルナンド、了解した。

 コースに復帰し、走っている間になんとか鎮火した。一方、8周目にピットインしたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、ホイールのトラブルに見舞われる。

9周目
アルボン:タイヤがしっかりハマっていない。

 スロー走行でなんとか1周し、ピットにたどり着いた。


 レース中盤、4番手まで順位を上げたピアストリに、担当エンジニアのトム・スタラードがこんな情報を伝えた。

30周目
スタラード:どのクルマもタイヤのデグはちょっと大きいけど、プランBで行くはずだ。プランCはやらない。

 2回ストップはないということだ。ピアストリ陣営ももちろん、1回ストップ戦略を敢行した。

 35周目、首位マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追走するランド・ノリス(マクラーレン)だが、3番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)との差が縮まっていた。

35周目
ノリス:なんで僕は後ろの連中より、こんなに遅いんだ?
ウィル・ジョゼフ:他はみんな、我々よりタイヤを使ってるからだよ
ノリス:そうなの? 全然ペースがないんだけど。

 ジョゼフが不安を打ち消そうとするが、ノリスは納得できないようだった。

 そしてルクレールは、いよいよペースを上げてノリスに迫り始めた。

41周目
ジョゼフ:この数周、ルクレールがプッシュしてきてる。
ノリス:もっと大きな声で言ってくれ!
ジョゼフ:ルクレールがペースを上げてる。1分21秒だったのが、今は1分20秒5だ。
ノリス:僕もプッシュしてるんだけどね。向こうの方が、ずっと速い。

 逆にルクレール陣営は勢いづく。担当エンジニアはこの週末から、ブライアン・ボッツィに代わっていた。

44周目
ボッツィ(→ルクレール):コース上で一番速いぞ

 44周目には、ルクレールはノリスの1秒以内まで迫った。

 一方、首位のフェルスタッペンも、決して独走状態ではない。44周目に7秒あったノリスとのマージンは、51周目には4秒5まで縮まっていた。

51周目
ジャンピエロ・ランビアーゼ:ランドに対してタイムロスしてるのはターン2とターン6だ。
フェルスタッペン:もうタイヤがダメなんだよ。
ランビアーゼ:あくまで情報として上げただけだ、マックス。
フェルスタッペン:僕のも単なる情報だけどね。

 このやりとりだけ聞けばまだ余裕があるような印象だが、この後もノリスはさらに差を縮めていった。

 51周目の時点で、メルセデス勢はジョージ・ラッセル6番手、ルイス・ハミルトン7番手。しかしラッセルは、かなりタイヤが厳しくなっていた。

52周目
マーカス・ダドリー:今ピットインしたらルイスの後ろになってしまうけど、それでもいい? ペレスの前では、コースに戻れるけどね。
ラッセル:ああ。それでいいよ。でもピットインは、チェッカー間際だよね?
ダドリー:いや、違う。
ラッセル:ピットインの理由は? よくわからないんだけど。
ダドリー:タイヤが最後まで持つか、確信できないんだ。
ラッセル:理由もなしに、順位を落としたくないよ

 結局、52周目にラッセルはピットイン。ハミルトンに先行されたものの、ファステストタイムを叩き出すことに成功した。

 ノリスに迫られているフェルスタッペンが、周回遅れのマシンに対して、珍しく焦りをあらわにした。

56周目
フェルスタッペン:あのバカ、僕を行かせないのか

 追い詰めるノリス。

57周目
ジョゼフ:ターン9でもうちょっとプッシュしたら最高だ
ノリス:やってるよ、精一杯やってる。

61周目
フェルスタッペン:バッテリーがほぼ空だ!

フェルスタッペンが0.7秒差で、辛くも逃げ切った。

チェッカー後
フェルスタッペン:かなり頑張らないといけなかったよ。でもなんとかやり遂げたね。

ノリス:ついてなかった。序盤のロスが痛すぎた。でも今回も、素晴らしい週末だった。みんな、よくやってくれた。

 3位に入ったルクレールだが、レッドブル、マクラーレンに対抗できなかったことに、少なからぬショックを受けたようだ。

ボッツィ:P3だ。よくやった。これ以上はないペースで、走ってくれた。ファンにも感謝だ。
ルクレール:ああ……そうだね。彼らはいつでも、一緒にいてくれる。いいレースだった。もっといい結果も出せたはずだけどね。これから勝てたら最高だけど、どうだろうね。
ボッツィ:ファンもわかってくれるさ。

ジョゼフ:ドライバー・オブ・ザ・デイに選ばれたぞ。
ノリス:あと1、2周あったらね。そしたら……。いや~勝てなかったのは、イラつくね。今や、勝てないことがすごく辛いよ。

 初勝利を挙げたことで、ノリスの心のうちは確実に変化している。マイアミの前だったら、2位表彰台という結果をここまで悔しがることはなかっただろう。

こんな記事も読まれています

【F1第9戦無線レビュー】「問題がある。でもプッシュして」ホームでの勝利から一転。トラブルに苦しんだルクレール
【F1第9戦無線レビュー】「問題がある。でもプッシュして」ホームでの勝利から一転。トラブルに苦しんだルクレール
AUTOSPORT web
リカルド15位「新パッケージには足りないものがある」:RB/F1第10戦決勝
リカルド15位「新パッケージには足りないものがある」:RB/F1第10戦決勝
AUTOSPORT web
フェラーリ2台が接触。ルクレール、強引な追い越しを批判「事前の取り決めに背いた」サインツ「彼は文句が多すぎる」
フェラーリ2台が接触。ルクレール、強引な追い越しを批判「事前の取り決めに背いた」サインツ「彼は文句が多すぎる」
AUTOSPORT web
ノリスは悔しい2位「最速のマシンを持ちながら勝利を逃した。僕のスタートが完璧でなかったせい」/F1第10戦
ノリスは悔しい2位「最速のマシンを持ちながら勝利を逃した。僕のスタートが完璧でなかったせい」/F1第10戦
AUTOSPORT web
レッドブル&HRC密着:首位浮上でタイヤ選択の異なるノリスに対し有利な立場に。最速マシンでなくとも勝利を掴んだ王者
レッドブル&HRC密着:首位浮上でタイヤ選択の異なるノリスに対し有利な立場に。最速マシンでなくとも勝利を掴んだ王者
AUTOSPORT web
フェルスタッペンがノリスとの一騎打ちを制し今季7勝目飾る。角田裕毅は19位【決勝レポート/第10戦】
フェルスタッペンがノリスとの一騎打ちを制し今季7勝目飾る。角田裕毅は19位【決勝レポート/第10戦】
AUTOSPORT web
勝者フェルスタッペン「早々にラッセルを抜いたことが鍵。マクラーレンほど強くなかったが、全員でベストな仕事をした」
勝者フェルスタッペン「早々にラッセルを抜いたことが鍵。マクラーレンほど強くなかったが、全員でベストな仕事をした」
AUTOSPORT web
アルピーヌがダブル入賞。ガスリー「このパッケージがなぜこれほど強かったのか、理解する必要がある」/F1第10戦
アルピーヌがダブル入賞。ガスリー「このパッケージがなぜこれほど強かったのか、理解する必要がある」/F1第10戦
AUTOSPORT web
周冠宇「13位は僕らの望める最善の結果。これまでよりドライブが楽で、大きな前進だ」:キック・ザウバー F1第10戦決勝
周冠宇「13位は僕らの望める最善の結果。これまでよりドライブが楽で、大きな前進だ」:キック・ザウバー F1第10戦決勝
AUTOSPORT web
2024年F1第10戦スペインGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第10戦スペインGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
マグヌッセン、F1シート喪失の可能性を認めるも「そういうことは脇に置いて、マシンに乗ってベストを尽くせる」
マグヌッセン、F1シート喪失の可能性を認めるも「そういうことは脇に置いて、マシンに乗ってベストを尽くせる」
AUTOSPORT web
F1スペインGP FP1:ノリスが最速、フェルスタッペンとサインツが続く。角田は赤旗でアタックできず
F1スペインGP FP1:ノリスが最速、フェルスタッペンとサインツが続く。角田は赤旗でアタックできず
AUTOSPORT web
アストンマーティン育成クロフォードが今季初優勝。宮田莉朋は入賞ならず/FIA F2第6戦レース2
アストンマーティン育成クロフォードが今季初優勝。宮田莉朋は入賞ならず/FIA F2第6戦レース2
AUTOSPORT web
ハミルトン、今季初表彰台で18年連続の快挙。夢のスタートを決めたラッセル「2013年のアロンソみたい!」
ハミルトン、今季初表彰台で18年連続の快挙。夢のスタートを決めたラッセル「2013年のアロンソみたい!」
AUTOSPORT web
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
宮田莉朋、2番手チェッカーもペナルティで後退。マルタンスが今季初優勝/FIA F2第6戦レース1
AUTOSPORT web
アルボン「昨年と比べるとクルマは大幅に進歩し、レースを通じて正しい選択と判断ができた」:ウイリアムズ F1第10戦決勝
アルボン「昨年と比べるとクルマは大幅に進歩し、レースを通じて正しい選択と判断ができた」:ウイリアムズ F1第10戦決勝
AUTOSPORT web
フェルスタッペン、ペレスの協力でトウを得るも、予選2番手「すべて出し切ったが、ポールには少し足りなかった」
フェルスタッペン、ペレスの協力でトウを得るも、予選2番手「すべて出し切ったが、ポールには少し足りなかった」
AUTOSPORT web
ヒュルケンベルグ「競争力のあるペースを維持できて満足。今後は予選を改善しないと」:ハース F1第10戦決勝
ヒュルケンベルグ「競争力のあるペースを維持できて満足。今後は予選を改善しないと」:ハース F1第10戦決勝
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村