■ホンダの中国向けBEV、現在の状況は
世界の電動車市場を牽引する中国市場では、多くのメーカーが「中国専売BEV」を投入しています。
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その中でもホンダはこれまで数車種のBEVを販売しており、さらには新たなサブブランドも立ち上げるなど、中国市場における積極性が見えます。
中国は2023年に3009.4万台の新車を販売(輸出含む)し、15年連続で世界最大の自動車市場に君臨し続けています。
また、中国は電動化の流れも顕著で、新車販売全体の31%にあたる949万台がEV(PHEVとBEV合算)となりました。
多数のEVが販売されている中国市場では外国メーカーがこぞって中国専売BEVを投入する傾向にあり、それは日本メーカーも例外ではありません。
日本メーカーの中でも特に中国専売BEVを取り揃えているのが、ホンダです。
ホンダは中国にて広州汽車との「広汽ホンダ」、そして東風汽車との「東風ホンダ」の2つの合弁会社を展開しており、それぞれ中国国内にてホンダ車種の製造と販売をおこなっています。
ホンダは2018年、コンパクトSUV「ヴェゼル」をベースとするBEV「VE-1」を、広汽ホンダ独自ブランドの「エヴェラス(理念、Everus)」よりリリースしました。
また、東風ホンダではヴェゼルの姉妹車「XR-V」がベースのBEV「X-NV」「M-NV」がそれぞれ2019年と2020年に、独自ブランド「シーモ」より投入されました。
このように、実質的にはヴェゼルのBEVコンバージョン的車種ではあるものの、以前より積極的に独自のBEVを投入してきました。現在は廉価モデルとして、東風ホンダから「M-NV」、広汽ホンダから「VE-1」のみが継続して販売されています。
2021年には純電動サブブランド「e:N」シリーズを中国で発表し、2車種のBEV「e:NS1」「e:NP1」もお披露目されました。
それぞれ東風ホンダと広汽ホンダが製造・販売を担当するモデルで、先述の「VE-1」「X-NV」「M-NV」が初代ヴェゼルをベースとするように、こちらは2021年に登場した2代目ヴェゼルをベースとしています。
e:NS1/e:NP1では2代目ヴェゼルがベースの「e:N Architecture F」プラットフォームを採用、ボディサイズは基本的にヴェゼルと同一になります。
一方で車両重量はヴェゼルの1296 kgに対しておよそ350 kgほど増加した1652 kg(68.8 kWhモデルは1683 kg)となっており、いかにBEVの駆動に必要なバッテリーなどのコンポーネンツが重いかがわかります。
e:NS1/e:NP1では両者ともに三元系リチウムイオン電池を駆動用バッテリーに採用し、容量は53.6 kWhと68.8 kWhの2種類を用意。
航続距離は中国独自のCLTCモードでそれぞれ420 kmと510 kmとなりますが、実質的な数値はその8掛け程度となるでしょう。
エクステリアデザインは「グリルレスなヴェゼル」のような印象で、非常にシンプルにまとめています。
また、ガソリン車をベースとするBEVは多くの場合、バッテリー分のかさ上げでどうしても厚ぼったくなってしまいます。
それをe:NS1/e:NP1ではバッテリーをフロア下にできるだけ突出させることによって、元のヴェゼルが持つ美しいシルエットを保っています。
内装では15.1インチ縦型ディスプレイを搭載したりと中国の消費者の好みを反映させた設計となっていますが、一方で「単にヴェゼルをBEVにしただけ」という意見も多く見受けられ、販売状況は芳しくありませんでした。
■ホンダから新たなSUV登場! どんなモデルなのか?
そんな中、2023年に発表された「e:N」シリーズ量産モデル第2弾が「e:NS2/e:NP2」です。
この2モデルは同年4月の上海モーターショー2023にてプロトタイプとしてお披露目され、晴れて11月の広州モーターショー2023にて量産モデルの実車が公開されました。
e:NS1/e:NP1が抱えていた「ベース車両とのそっくり加減」を解決すべく、e:NS2/e:NP2では専用ボディが与えられています。
プラットフォームはe:NS1/e:NP1と同一なものの、ベースとしている車種がないため、その分、真新しさをアピールできる形です。
ファストバッククーペ風SUVのスタイリングを採用しており、また両モデル間のデザインの差別化もより顕著となっています。
e:NS1/e:NP1のフロントマスクは単に色の塗り分けを変えた程度でしたが、e:NS2/e:NP2では前後灯火類の形状をはじめ、グリル形状などに両者の違いが見えます。
e:NS2/e:NP2のパワートレインはe:NS1/e:NP1の上位グレードと同じく、容量68.8 kWhバッテリーを搭載、フロントモータで最大201 hpを叩き出します。
また、CLTCモードでの航続距離は35 km増えた545 km。販売台数においてe:NS1は毎月400-500台前後、e:NP1は毎月100台前後と苦戦を強いられており、新たに生まれ変わったe:NS2/e:NP2では挽回が期待されます。
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e:NS1/e:NP1が抱えていた「ベース車両とのそっくり加減」を解決すべく、e:NS2/e:NP2では専用ボディが与えられています。
プラットフォームはe:NS1/e:NP1と同一なものの、ベースとしている車種がないため、その分、真新しさをアピールできる形です。
ファストバッククーペ風SUVのスタイリングを採用しており、また両モデル間のデザインの差別化もより顕著となっています。
e:NS1/e:NP1のフロントマスクは単に色の塗り分けを変えた程度でしたが、e:NS2/e:NP2では前後灯火類の形状をはじめ、グリル形状などに両者の違いが見えます。
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